ロンドン地下鉄  Tube in London



ロンドンの地下鉄網の利用は、渋滞の多い市内を早く移動しようと思えば不可欠です。地下鉄と言っても古い路線は少し郊外に出るとこのように地上を走っていて、普通の電車と大きな違いはありません。ただし架線はなく、すべて第三軌道方式です。揺れるとよく車内の電灯が半分消えます。みんな慣れていて、驚きもしません。写真は、Parsons Green 駅にて、District 線の車両です。これはかなり古い車両で、車内は木製の床です。顔も、丸顔ではなく、普通の電車です。

District 線の車両



ロンドンの地下鉄と言えば「チューブ」(Tube)と思いがちですが、地元では「アンダーグラウンド」(Underground)の方が一般的です。「サブウェイ」(Subway)の表記は、通常はただの地下道のことです。チューブなら顔は丸いはずですが、District線の車両はたしかにあまりチューブっぽくはありません。なお、District線には上のような顔の下半分が赤いタイプと、右のような顔が真っ赤でドアも赤いタイプ(Circle 線及び、Hammersmith & City 線と同じ)の2通りが走っていますが、路線の系統が違います。同じ「線」でもいろいろと分岐しているロンドン地下鉄のややこしさがここにあります。




Hammersmith & City 線の車両




たとえばこの路線図の緑の線はすべてDistrict 線なのです。紺色のPiccadilly 線、黒のNorthan 線や赤のCentral 線も分岐していますね。だから、日本の地下鉄のように特定の線の列車にさえ乗れば必ず線上の駅に着けると言うわけではなく、どの系統で走る列車なのか、乗るときに気を付けなければ行けません。なお、路線図での色がそのまま各路線のキーカラーになっています。その辺は日本と同じ。


路線図、Tube Map



これは、だいぶ「Tube」らしい車両です。トンネルの小ささにも驚かされます。たしかにあの小さな坑を通ろうと思えば、この形しかないですね。Piccadilly 線のHolborn 駅にて。ちなみにこの写真は車両後端。先頭車を前から撮るときはストロボは使わないようにしましょう。万一運転手さんの目が眩んでしまったら大変です。それでなくても、トラブルや事故が多いのですから。
トンネル穴と電車の大きさを見てもらえばわかるように、ほんとに、ギリギリで走っています。窓が開いたりしたら危ないので、いっさい開きません。また、電車が来る前にそうとう強い風が吹いてきます。それで、電車が近づいているのがわかります。

Tube らしい Piccadelly 線の車両




Stockwell 駅でのVictria 線の車両です。Stockwell に住み始めてからは、毎朝通勤にこれを使ってVictria 駅まで。そこからDistrict/Circle 線に乗り換えてSouth Kensington へ通いました。この線の車両の顔は赤一色。なお、赤はほぼどの線の車両にも使われています。地上のバスも赤一色ですから、もともとロンドンの交通局のシンボルなのでしょう。

Victoria 線の車両、Stockwell 駅にて





その車内の様子です。チューブでは、当然ドア付近が天井が低いので、頭を打つ人や肩を挟まれる人がたまにいます。なお、シートはほとんどがロングシートですが、たまにこのようにクロスシートになっている部分があります。Victria 線のキーカラーはスカイブルー。ですから手すりもスカイブルーです。


Victria 線車内




Stockwell 駅には、もう一つNorthern 線も入ってきます。ドアから車内を見たところ。手すりの色は、本来 Northan 線のキーカラーの黒にすべきなのでしょうが、それでは車内のイメージがちょっと暗すぎるためか、黄色です。灰色のJubilee 線でも同じです。そのかわりに窓枠に黒があしらわれています。ロングシートには、肘掛けが付いています。

Northern 線の車両




Northern 線の車両です。Central 線と同様に、黒い部分がかなり多いのが特徴です。でも、ランプの所までは達していません。Central 線では、ランプの所まで黒です。

Northern 線の車両、Kennington 駅にて




Bakerloo 線車両の車内です。この線のキーカラーは茶色なので、車内も茶色に統一されています。ロングシートなのに肘掛けがないのが特徴です。Bakerloo 線は、いつもよく空いているので、大好きです。反対によく混んでいるのは、Picadilly 線です。あれには、あまり乗りたくないです。

Bakerloo 線車両の車内



黒い部分が一番多い Centeral 線の電車です。電車の顔も路線によって微妙に違います。ロンドンでは、路線/系統によって車両が決まっていて、別の路線/系統に入っていくことはありません。トンネルの坑やホームなどが各路線で企画がまちまちなためです。この車両は一生、Centeral 線の車両なのです。
なお、この駅のプラットフォームはかなり曲がっています。ドアとプラットフォームの隙間が広くなるので、ホームには MIND THE GAP と書いてあります。放送でもドアが開いてる間じゅう、「MIND THE GAP」を繰り返し、流しています。

Centeral 線の車両1




もっとも「チューブ」的な車両が走っているのは、このCenteral 線でしょう。そのCenteral 線車両の車内です。壁がかなり低いところから、ぐいっと曲がっています。窓も途中でグニャリ!車内でも頭を打つことが最も多い線です。この線のキーカラーは赤です。ポールはみごとに赤で統一されています。なお、連結器の上の車両間に出るドアがありますが、外に出たら日本の電車のような幌が無く、危険です。車両間の移動は、電車が止まっているときにのみ許されています。それでも、移動していく人はほとんどいません。



Centeral 線の車両の車内




Metropolitan 線の車内です。East London 線にも同じ車両が使われています。Metropolitan 線のキーカラーは紫。でも、色だけでなく、椅子の配置や天井の作りなど、車内の構造も独特です。また、天井も高く車内断面も一回り大きいです。この線は、北西の郊外にかなり長く延びているため、長距離移動する乗客が多いことを考慮しているのでしょう。椅子は向かって左が2人掛け、右が三人掛けです。

Metropolitan 線車両の車内




Waterloo & City 線です。長い路線ばかりのロンドン地下鉄で、唯一両端駅だけの異色路線です。経済の中心・シティのBank 駅とユーロスターも発着する国際駅・Waterloo(ウォータールー)をノンストップでつなぎます。たしかに、早いです。日曜は運休です。この線のキーカラーは薄緑ですが、車両は紺色が主体で、車内も含めてキーカラーは全く使われていません。赤が少ないのも特徴です。Bank 駅にて。

Waterloo & City 線の車両



これは、ロンドンのシティから東部の新都心・カナリー・ワーフやグリニッジなどに向かうドックランズ・ライト・レイルです。地上を走りますが、いわゆるロンドン地下鉄の一部。運転手のいない自動運転ですが、日本の新交通システムと違い、通常のレール上をそうとうのスピードで走ります。その違和感は最初ちょっとドキドキものです。

ドックランズ・ライト・レイル




路線によっては地上を走ったり、半地下を走ったりしますが、比較的新しい路線は、そうとう深い地下を走っています。ホームに下るにはこのような長いエスカレータを2本乗り継ぐといったことはざらです。これは、Jubelee 線の Bermondesey 駅。この線は新しいので、駅も近代的ですが、その分、深いところを走っています。

エスカレーター




ホーム上のキーカラーです。同じStockwell の駅ですが、左がキーカラーが青のVictria 線のホームで、右が黒のNorthern 線のホームです。また、駅名を表示しているマークが、ロンドン地下鉄のシンボルマークです。

ホーム上のキーカラー表示