信楽高原の峰々
〜岩尾山と岩尾池 Mt. Iwao and Iwao-ike 

岩尾山471mは、甲賀市甲南町の南部、三重県との県境に位置する山で、地形的には信楽高原の東端あたりになります。新名神の甲南ICから県道132号線に入って南西を目指すと、道は谷あいに入り、やがて大きな池に出てきます。岩尾池です。岩尾池の中央辺りにキャンプ場とその駐車場があります。今回はここからスタートしました。11月も半ばとなり、紅葉もちょうど見ごろを迎えていました。池に沿った道を歩いて行くと、さらに大きな大沢池も現れ、やがて息障寺の昔の参道入口を表す石碑を見て、寺に向かいます。やがて今の車道に出ますが、もう少し登ると紅葉のきれいな境内に入ります。ここから磨崖仏を見て岩尾山へ登っていきます。下りは別ルートでお寺に戻り、さらに車道を県道まで戻ってから、東海自然歩道を目指します。東に登って、419m無名峰や甲南展望台までいってから引き返しました。ところで、岩尾山は標高471mと、滋賀の中でも決して高いほうではないのですが、国土地理院の1/25000地形図「甲賀」では、なんとこれが最高峰なのです。このあたりが、いかに平らな地形かを物語っています。なお、写真の後ろの丸数字は、最後のルートマップの番号と対応しています。

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山行写真
撮影日:2010/11/13 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


岩尾池の堰堤から岩尾山 Q
車をとめる前に岩尾池の堰堤に少し立ち寄り、ここから、目指す岩尾山がきれいに望めました。



池に映る紅葉 Q
水面が鏡のように凪いでいました。



キャンプ場のP @
県道脇に、キャンプ場の駐車場があります。ここにとめさせていただいて出発。



葦の群生 @の少し南
枯れた葦が池に映ります。なんとも静かな風景です。



県道わきの紅葉 @-A間
県道といっても細くてほとんど車の来ない道です。



旧参道入口 A
岩尾山と書かれた大きな石碑です。県道から分かれてここを右に入ります。



杉林を登る A-B間
広い道ですが最近あまり踏まれていません。みなさん、車道をまわられるようです。



車道に出る B
登っていくとやがて車道に出ます。息障寺の現在の参道です。



境内への階段 C
参道の終点からこの階段を上ると、境内です。



息障寺、本堂 D
落ち着いた本堂です。



庭園の紅葉(1) D
なかなかいい色です。



庭園の紅葉(2) D



庭園の紅葉(3) D
色混じりです。



庭園の紅葉(4) D
前に見える鐘楼の左横に、磨崖仏への登り口があります。



磨崖仏への階段 D−E間
かなり急な階段です。



磨崖仏 E
像高5mに及ぶ大きな磨崖不動明王立像です。室町初期のものらしいです。



お馬岩 E
たしかに馬のようでした。



見晴らしの良い岩の上 F
岩の裏を登って尾根上を右に曲がると、ここに出ます。今日はガスっていて眺望がないのが残念です。



石仏の道 F-G間
岩尾山の山頂に向かって進みます。石仏の道は四国霊場八十八か所めぐりです。



分岐点 G
尾根を行く右(直進)方向と、八十八か所めぐりの道・左方向に分かれます。まずは右へ。




尾根道 G-H間
よく踏まれた尾根道です。Gから先は滋賀・三重の県境稜線でもあります。



最後の登り G-H間
傾斜がきつくなり、くねくねと登ると・・・。



山頂 H
まもなく二等三角点のある山頂へ。点名は「杉谷村」。標高は471.13mです。



県境稜線を南下 G-I間
先ほどのGの分岐を、今度は八十八か所めぐりの道の方向にとり、さらに南下します。



再び息障寺 I
道なりに下ると、お寺の南の尾根から下りてきます。



ここに出た I
右の山道が、今下ってきた道です。左へ下ると、県道へ戻ります。



県道出合のサザンカ J
参道と県道が出合うポイントJは、サザンカともみじがきれいでした。



県道出合のもみじ J
相当な本数のカエデがあります。



大沢の池 K
県道を少し歩いてから、大沢池の東の道に入ります。岩尾山方面を眺めます。



東海自然歩道 L
そのさきで、東海自然歩道に合流します。少し登ってみることに。



東海自然歩道を進む L-M間
さすがによく整備された”ハイウェイ"です。



尾根のてっぺんに出る M
ここで自然歩道は左折です。でも、1/25000地形図をみるとすぐ近くに標高419mの標高点を持つピークがあるので、せっかくだからちょっと寄ってみます。



標高419m峰の山頂 N
特に何もない山頂でした。ここも滋賀-三重県境です。



展望台 O
Mまで戻って、ちょっとだけ北に下ると、東海自然歩道の展望台です。晴れていたら甲賀が一望だそうですが・・・



大沢池の紅葉 L近く
再び大沢池に戻ってきました。あいかわらず鏡のような水面は紅葉を映してくれていました。



大沢池の堤 L近く
のどかな大沢池。右端あたリが岩尾山の山頂です。



大澤隧道 P
東海自然歩道にある古いトンネルです。読み間違えていなければ「昭和二十七年竣工」と書かれていました。



岩尾池とキャンプ場 P-Q間
池の向こうに出発地点のキャンプ場が見えてきました。



山行記録:日時−2010年11月13日、天候−曇り。10:50 キャンプ場のP@に駐車後、出発。11:05 息障寺の旧参道入口A、11:12 車道Bに出る、11:20 息障寺D着。参詣。11:27 磨崖仏へ出発、11:34 磨崖仏E、11:41 分岐G、11:52 岩尾山・山頂H着。昼食後、12:07出発、12:32 八十八か所経由で息障寺D、1245 県道出合J、13:05 東海自然歩道出合M、13:25 419m峰・山頂N、13:32 展望台O、13:55 大澤隧道P、14:07 駐車地@着。

 岩尾山とその懐にある息障寺は、まえまえから一度立ち寄ってみたいところでしたが、せっかくなら紅葉の季節がいいか、なんて思いながら数年が過ぎて行きました。晩秋の曇りの日、いいタイミングなので、やっと思い立ってくることに。岩尾池周辺は思った以上に静かなところでした。キャンプ場で一グループが楽しんでいましたが、その声が異常に遠くまで聞こえ、かえって静けさが身にしみるようなところです。県道沿いにも真っ赤に色づいたカエデの木がたくさんあり、なかなかいいところでした。息障寺は平安初期に最澄が開山したという古刹なのですが、この時期だけにかなり人が来ているのかと思いきや、境内ではなんとお寺の方以外には、どなたにもお会いしませんでした。紅葉がこんなにきれいなのに・・・岩尾山はお寺の左右どちらからでも登ることができ、今回は磨崖仏側から登ってみました。当然ながらこの山も静けさの山でした。鹿の聲だけが響いていました。Jまで下ってみるとまだ1時前。帰るには少し早すぎるので、池の反対側の峰から岩尾山を見てみようということで、東海自然歩道を歩いてみることにしました。419m峰Nや、展望台Oに立ち寄りましたが、残念ながら岩尾山方面の眺望はなく、Oは東だけを眺める展望台でした。やはり岩尾山は岩尾池の堤Qからが、ベストショットのようです。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(甲賀)をベースに作成いたしました。

写真の番号は地図の番号と対応しています。