京都北山の山々

京都府と滋賀県の境界は、琵琶湖分水嶺に決して忠実ではなく、京都府内にもかなりの琵琶湖(安曇川)流域があります。
したがって、京都北山も県境の稜線がずっとあるわけでなく、沢や林道を歩いていると知らないうちに県境を越えていることもしばしば。
そんなわけで、ここではあまり「滋賀の山・山姿」では、滋賀にこだわらず、京都府内の山も分け隔てなく紹介していきます。
京都市の北部に広がる京都北山。地理学的には「京都北山」という山地は存在せず、「丹波高地」の東部ということになります。
それでも、かなり広範囲の山域で、滋賀県の湖西地方南部の、比叡山地、比良山系の西側すべてがその山域となります。
また、琵琶湖の北側を占める野坂山地の西側が、国道303号線が越える水坂峠で終わり、そこから西は京都北山ということに
なります。そんなわけで、滋賀県内では旧朽木村のほとんどが京都北山の領域となります。しかし、朽木地方の山々は、
京都北山から分けて取り扱われる場合が多いので、ここでは、「京都北山」と「朽木」を分けました。
本ページで取り上げる順番は、ほぼ北から南への順番ですが、グルーピングを優先しており、あまり厳密ではありません。

京都北山の山々、概念図
(黄色が中央分水嶺、黄緑が府県境、ピンク色が中央分水嶺を除く琵琶湖分水嶺です。また、ピンクの領域は「朽木の山々」で紹介しています。)

「京都北山・朽木の概念図」拡大版は左リンクへ。)


八ヶ峰
頭巾山
長老ヶ岳
ブナノキ峠・傘峠
小野村割岳
光砥山
桑谷山
鎌倉山
峰床山
チセロ山(こもれびの頂)
品谷山
P892
ソトバ山
鍋谷山
井ノ口山
片波山
江賀谷山
皆子山
雲取山
滝谷山
途中峰
ナッチョ(天ヶ森)
天童山・飯森山
桟敷ヶ岳
魚谷山
貴船山
天狗杉
天ヶ岳
焼杉山
金毘羅山
翠黛山
瓢箪崩山
箕ノ裏ヶ岳
岩屋山
半国高山
十三石山
沢山
三頭山
朝日峯
峰山
地蔵山
愛宕山
牛松山


サムネイルをクリックして下さい。フルサイズの画像が表示されます。 Click Thumbnails to enlarge.


八ヶ峰 Mt.Hachigamine, 800m

江若国境の一峰で、その山頂から8つの国が見えるということで八ヶ峰と呼ばれています。山頂には二等三角点「 八ヶ峰」があります。


八ヶ峰と中山谷山(山行写真・YAMAP)へ



頭巾山 MtTohkin, 871m

若狭と綾部市、南丹市の境界に立つ山です。山頂には二等三角点「納田終村」があります。上の地図では
八ヶ峰の西にあって、範囲外です。ここから南に延びる長い尾根上に次の長老ヶ岳があります。




長老ヶ岳 Mt.Chorogatake, 917m

京都北山西部の盟主、「丹波の長老さん」と呼ばれる名山です。南丹市と京丹波町の境界にあり、上の地図からも完全にはみ出しています。一等三角点「長老ヶ岳」がある山としても知られています。


長老ヶ岳 〜 初秋の丹波の長老さん(山行写真・YAMAP)へ



ブナノキ峠
 Mt.Bunanokitohge, 939m
傘峠 Mt.Kasatohge, 935m

京都北山最北東部にある京都大学芦生研究林域内の二峰です。このあたりは峰を峠と呼ぶものがいくつかあります。ブナノキ峠には三等三角点「芦生」があります。

品谷山10にも写っています。

芦生トレッキングツアーでブナノキ峠、下谷(山行写真・YAMAP)へ



小野村割岳 Mt.Onomurawaridake, 932m
光砥山 Mt.Koundo, 951m

三国岳から滋賀-京都県境を離れて南西に延びる中央分水嶺は、天狗岳を経て小野村割岳に。その先、佐々里峠に下ります。小野村割岳にある三等三角点「広河原」は932mですが、
南の尾根上の中央分水嶺が屈曲するところの少し南に951mピークがあります。この峰は別に、光砥山(こうんどやま)と呼ばれています。京都府下4番目の標高です。


小野村割岳(山行写真・YAMAP)へ
巨大アシウスギと会える小野村割岳〜光砥山(山行写真・YAMAP)へ



桑谷山 Mt.Kuwatani, 931m

峰床山の北西にある双耳峰です。三等三角点「 長戸」は西峰にあり、標高は925mですが、東峰のほうが少し高く、931m。


桑谷山(山行写真・YAMAP)へ



鎌倉山 Mt.Kamakura, 950m

白倉岳同様、安曇川の谷をはさんで比良・武奈ヶ岳あたりと対峙しています。しかし、白倉と峰続きではなく、
間に針畑川が流れています。丸くてやわらかな山容を持っています。山頂には三等三角点「鎌倉岳」があります。


白倉岳6にも写っています。

鎌倉山(山行写真・YAMAP)へ


峰床山 Mt.Minetoko, 970m

鎌倉山の南西、滋賀・京都府県境から西に離れた、京都府第2の高峰です。高層湿原八丁平を懐に抱いています。山頂には二等三角点「久多村二」があります。


峰床山と八丁平(山行写真・YAMAP)へ


チセロ山(こもれびの頂) Mt.Chisero, 871m

チセロ山は「京都花背山村都市交流の森」(森林公園)内の森で、ちしょろ尾根の頂点です。琵琶湖分水嶺の一峰
でもあります。このピーク、交流の森では「こもれびの頂」と呼ばれ、他にもチショロ山、チセロ峠とかとも呼ばれているようです。



ちしょろ尾根とチセロ山(山村都市交流の森の山々)(山行写真・YAMAP)へ


品谷山 Mt.Shinadani, 881m
P892 (35.2555,135.7335), 892m

品谷山は、廃村八丁を囲む山のうち、北側に位置します。山頂には二等三角点「佐々里村」があります。また東側にはこの
周辺の最高峰である無名峰の892m峰があります。なかなか秀麗な山です。何かいい名前をつけてあげたい山です。



品谷山、廃村八丁とP892(山行写真・YAMAP)へ
廃村八丁にシャクナゲ咲く頃(山行写真・YAMAP)へ



ソトバ山 Mt.Sotoba, 806m

佐々里峠から南に延びる中央分水嶺上の峰です。タキノタニ山の別名も。廃村八丁の南側に位置します。山頂には三等三角点「祖母谷」があります。




鍋谷山 Mt.Nabetani, 870m
井ノ口山 Mt.Inoguchi, 849m

中央分水嶺からソトバ山の北で分岐し、南東に延びる尾根上の峰です。地形図に山名のある山頂は859mですが、その西500mに、
870mの明かな最高点があります。鍋谷山の東が井ノ口山とされていますが、山頂付近は何もなく、三等三角点「西丁子」が東尾根上の779mにあります。


品谷山9にも写っています。

片波山、井ノ口山と鍋谷山へ伏条台杉を求めて(山行写真・YAMAP)へ



片波山 Mt.Katanami, 763m

鍋谷山、井ノ口山とともに桂川上流の佐々里峠から南向きに流れる部分の西側に位置する山塊の峰です。東には片波山と
セットで双耳峰状になるP756があります。片波山は地形図では湯槽山となっています。山頂には三等三角点「大布施」があります。



片波山、井ノ口山と鍋谷山へ伏条台杉を求めて(山行写真・YAMAP)へ



江賀谷山 Mt.Egatani, 906m

峰床山から発する江賀谷左俣に沿うように囲む長い尾根上の峰です。「伊賀谷山」と間違われていることが多いようです。三角点名から、
「霞ヶ岳」の別名もあります。三等三角点「霞ケ岳」の標高は900.7m。最高点は三角点の少し南で906m。また、さらに南に899mの鋭った山頂も持っています。


江賀谷山(山行写真・YAMAP)へ



皆子山 Mt.Minago, 971m

京都府の最高峰・皆子山(みなごやま、みなこやま)は安曇川の谷をはさんで比良・蓬莱山と向かい合う位置にあります。山頂には三等三角点「葛川」があります。
京都府下で最も高い割には、のっぺりとした山容で、しかも周囲に平地が無く、近くの谷底から山頂を見られるところはまずありません。山頂を見るには遠く琵琶湖岸や
京都市南部まで離れるか、近くの山から眺める必要があります。Wikipediaの写真も、衛星峰の一峰が写っているだけです。



皆子山〜東尾根で登り西尾根で下るプチ縦走ルート(山行写真・YAMAP)へ



雲取山 Mt.Kumotori, 912m

雲取山は、花脊高原の西に位置しています。芹生から谷を詰めて登るルートもあります。標高はそこそこあるのですが、皆子山に輪をかけたようにどちらから見ても目立たない、
高原状の山です。しかも、地形図を精査すると、三等三角点「川上」のある911.0mの山頂よりもわずかに高い地点(911.9m)が少し北東(35.180050,135.767348)にあり、遠くから山頂を同定するのは至難の業です。



雲取山:花脊高原〜寺山峠〜雲取峠〜雲取山〜二ノ谷〜寺山峠〜花脊高原(山行写真・YAMAP)へ



滝谷山 Mt.Takitani, 876m

花脊峠の越える尾根が北東〜北に向かったところの峰です。山頂には二等三角点「別所村」があります。
南へは百井峠から天ヶ岳につながります。北は大見尾根となり、琵琶湖分水嶺を形成します。



「滝谷山と天ヶ岳」(山行写真)へ



途中峰 Mt.Tochuumine, 812m

皆子山の南には安曇川の谷が廻り込みます。さらにその南には途中の集落を包み込むようにたつ812m峰。
これを本HP群では途中峰と呼んでいます。さらにこの尾根は、ナッチョ(天ヶ森)へと続きます。

ナッチョ4、峰床山16にも写っています。

途中峰とナッチョ(山行写真・YAMAP)へ


ナッチョ(天ヶ森) Mt.Naccho, 813m

途中峰から続く南西向の尾根の先にある峰。別名天ヶ森。山頂には三等三角点「見谷」があります。京都府の山なのに、琵琶湖からよく見えます。
もちろん、山頂からの琵琶湖の眺望もすばらしいものがあります。山容は、少し尖った山頂部に特徴があるので、遠くからでもわかります。

途中峰12にも写っています。

途中峰とナッチョ(山行写真・YAMAP)へ
ナッチョ、天ヶ岳:小出石⇒ナッチョ⇒百井⇒天ヶ岳⇒しゃくなげ尾根⇒小出石(山行写真・YAMAP)へ


天童山 Mt.Tendoh, 775m
飯森山 Mt.Iimori, 791m

城丹国境の二つの峰で、桟敷ヶ岳の北西側に位置します。二峰の間に、電波反射板を2枚乗せた802mの無名峰があります。


城丹国境を行く〜雲ヶ畑から周山へ(山行写真・YAMAP)へ



桟敷ヶ岳 Mt.Sajikigatake, 896m

かつて、都を追われた惟喬親王が、この山に桟敷を設けて都を眺めたという伝説の山です。山頂には二等三角点「桟敷岳」があります。雲ヶ畑を起点に登るのが一般的です。


桟敷ヶ岳(山行写真・YAMAP)へ



魚谷山 Mt.Iodani, 816m

森に覆われた目立たない静かな山。そんな印象が地形図から沸いてきます。三等三角点「柳谷」は816mですが、地形図では北側30mに820mの標高線があります。
このあたりが最高点かと思って現地調査してみるとそのような場所は無く、三角点が最高点にありました。ただし、柳谷峠の北東には822m峰があります。



魚谷山、貴船山〜雲ヶ畑・直谷から柳谷峠、滝谷峠、貴船山を経て二ノ瀬駅へ(山行写真・YAMAP)へ
惣谷山と魚谷山〜惣谷から貴船、鞍馬へ(山行写真・YAMAP)へ



貴船山 Mt.Kibune, 722m

貴船川谷の西に連なる連山です。二等三角点「二ノ瀬」は699m峰に。その北に地形図に
山頂表記のある716m峰と最高点の722m峰。この3つの峰までを貴船山というようです。


桟敷ヶ岳18にも写っています。

魚谷山、貴船山〜雲ヶ畑・直谷から柳谷峠、滝谷峠、貴船山を経て二ノ瀬駅へ(山行写真・YAMAP)へ



天狗杉 Mt.Tengusugi, 837m

現在の花脊峠と昔の花脊峠の間にある峰です。

雲取山9にも写っています



天ヶ岳 Mt.Amagatake, 788m

百井峠の南にある峰。京都側から言うと、鞍馬や大原から長い尾根を北上したところにある峰です。南から見ると山らしい形をしていますが、東西から見ると、尾根の盛り上がり程度に見えます。

ナッチョ4にも写っています。

「滝谷山と天ヶ岳」(山行写真)へ
ナッチョ、天ヶ岳:小出石⇒ナッチョ⇒百井⇒天ヶ岳⇒しゃくなげ尾根⇒小出石(山行写真・YAMAP)へ



焼杉山 Mt.Yakesugi, 717m

大原の北側に立つ形のいい山です。山頂には三等三角点「岩谷」があります。標高はあまり高くないのですが、遠くからでもよく目立ちます。


焼杉山(小出石〜古知谷〜焼杉山〜シャクナゲ尾根〜小出石)(山行写真・YAMAP)へ



金毘羅山 Mt.Konpira, 573m
翠黛山 Mt.Suitai, 577m

大原の西、焼杉山の南に連なる二峰です。山頂には三等三角点「根王」のある金毘羅山は、岩のゲレンデとしても有名です。


金毘羅山、翠黛山 と 古知谷阿弥陀寺、大原寂光院の紅葉(山行写真・YAMAP)へ



瓢箪崩山 Mt.Hyotankuzure, 532m

大原の南にあり、高野川をはさんで水井・横高山と対峙する位置にある峰です。山頂には三等三角点「大谷」があります。


瓢箪崩山と箕ノ裏ヶ岳(山行写真・YAMAP)へ



箕ノ裏ヶ岳 Mt.Minouragatake, 432m

瓢箪崩山の西側、静原と岩倉に挟まれた山です。山頂には三等三角点「藤ケ森」があります。


瓢箪崩山と箕ノ裏ヶ岳(山行写真・YAMAP)へ



岩屋山 Mt.Iwaya, 680m

桟敷ヶ岳から薬師峠を挟んで南西に尾根続きの山です。三等三角点「岩谷」はなぜか中腹の649mにあります。東には岩屋不動(志明院)があります。




半国高山 Mt.Hangokutaka, 670m

桟敷ヶ岳から岩屋山を経て南西に延びる尾根上にあります。山頂には三等三角点「小野」があります。真弓の西、周山街道のすぐ東です。


雲ヶ畑から白木谷山と半国高山」白木谷山と半国高山〜雲ヶ畑から小野郷へ(山行写真・YAMAP)へ



十三石山 Mt.Juusangoku, 495m

雲ヶ畑の南、氷室の北にある山です。山頂には三等三角点「十三石山」があります。


十三石山から城山、釈迦谷山を経て沢山へ(4つの三角点峰をつなぐルート)(山行写真・YAMAP)へ



沢山 Mt.Sawa, 516m

衣笠の奥にあり、標高の割にはなかなか存在感のある山です。山頂には二等三角点「鷹峯」があります。


十三石山から城山、釈迦谷山を経て沢山へ(4つの三角点峰をつなぐルート)(山行写真・YAMAP)へ



三頭山 Mt.Mitsuzuko, 728m

地蔵山から北に延びる尾根上の峰。「みつずこ」と読みます。山頂には三等三角点「細野」があります。





朝日峯 Mt.Asahimine, 688m
峰山 Mt.Mineyama, 537m

高雄の北にあります。朝日峯にはなぜか「峰」ではなく「峯」の字がよくあてられます。一方峰山は普通の「峰」。両山とも山頂に三等三角点があり、朝日峯の点名は「梅畑」、峰山の点名は「峰山」です。


朝日峯と峰山〜細野口から高山寺へ(山行写真・YAMAP)へ



地蔵山 Mt.Jizoh, 947m
竜ヶ岳 Mt.Ryugatake, 921m

愛宕山の北に続く峰で、地蔵山は一等三角点「地蔵山」のある山です。竜ヶ岳は派生尾根上にあります。よく一緒に見えますが、京都の市街からは竜ヶ岳しか見えません。


地蔵山と竜ヶ岳(山行写真・YAMAP)へ



愛宕山 Mt.Atago, 924m

嵐山から直線距離でわずか6.5kmほどにある高峰です。愛宕参りでおなじみの山でもあります。三等三角点「愛宕」は北に下った890mほどにあります。


愛宕山〜定番ルート(山行写真・YAMAP)へ



牛松山 Mt.Ushimatsu, 636m

愛宕山の西、というより亀岡の北の山といったほうがいいのかもしれません。京都からも愛宕山の
左手に保津峡を越えてけっこうよく見えます。三等三角点「金比羅」は西にはずれた629mです。


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