アセボ峠から飯道山、大納言  Mt. Handoh & Dainagon from Asebo Pass

 アセボ峠は国道1号線の三雲(湖南市)から信楽(甲賀市)に抜ける県道53号線の峠です。アセボは、アセビのことだそうです。この峠から南東に尾根が延び、その先は613mの峰(白草山)、さらには飯道山へと続いています。飯道山は一般に、草津線の貴生川駅からか、信楽高原鉄道の紫香楽宮跡駅からのルートがよく知られていますが、アセボ峠からも登るルートがありました。また、アセボ峠から反対に西に向かえば、大納言があり、その先には阿星山が続いています。今回、このあたりには阿星山〜アセボ峠〜飯道山という新しいルートが、私設の標識で示されていました。整備もしてくださっているようです。GWも最後のこの日は、アセボ峠から白草山を経て飯道山に登り、飯道神社から県道53号線でアセボ峠に戻り、その後大納言を往復しました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

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山行写真
撮影日:2012/5/5 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


アセボ峠の南側に駐車後、県道へ @
林道の入り口でもある左のくぼみに車をとめさせていただきました。峠まで、県道を登ります。



アセボ峠の登山口 A
「湖南市」の看板のあるところが峠です。その少し手前、右向きに階段が上がっていくところが、飯道山への登り口です。
ここに、「阿星山〜飯道山」の登山ルートを示す標識がありました。




白草山の登り B〜C
まずは白草山への登りです。単純に尾根を登っていくルートです。急な所には虎ロープを付けてくれていました。



大岩 C
完全に尾根を塞ぐ大岩です。去年の冬、雪の中をここまで来て、これが乗り越えられずに引き返しました。雪が消えても、かなり手強そうです。
どうしようかと思案しているうちに、少し手前から左に下る抜け道を発見しました。テープもついていました。冬は雪のため、見つけられませんでしたが・・・



最後の登り C−D間
もうひと登りで山頂です。



白草山・山頂 D
613mの山頂です。「白草山」という名前は、実はこの小さな標識を見るまで知りませんでした。



見晴らしの良い尾根 E
白草山から南東に下る尾根は、途中で見晴らしのいいガレ場を通ります。正面には今から登る飯道山。登る尾根は左寄りの
青葉がきれいな尾根です。本当の山頂は、中央右寄りのあたりでしょうか。




烏ヶ嶽 E
甲賀ゴルフ場の向こうに、烏ヶ嶽です。



鞍部に下る F
やがて、飯道山との鞍部に出ます。ここは、1/25000地形図では道路が通っているように見えますが・・・



鞍部の道 F
実際は道路跡で、樹も茂り、とても車が通れる状態ではありませんでした。この鞍部(道路跡からすれば峠)は、
「オシゲジゾウ」と呼ばれています、と小さな標識に書かれていました。




飯道山へ登る尾根 F-G間
飯道山の西峰に登っていく尾根です。白草山の尾根よりはブッシュが多くなってきますが、テープも要所にあって、問題はありませんでした。



イワカガミ F-G間
白草山からこの尾根にかけて咲いていました。通常よりピンクの花が多かったです。



飯道山・西峰 G
大きな松の枯れ木がある、西峰の山頂です。標高は600m。



稜線の道 G-H間
飯道山・本峰への縦走路です。



主稜線合流 H
西峰からしばらくで、飯道山の主稜線と合流し、東からの道を合わせます。その合流点を振り返ったところ。
「←阿星山へ(むつかしい)」と書かれているのが、今来たルートです。




間もなく山頂 H-I間
合流後は少し踏み跡がはっきりしてきます。



飯道山・山頂広場へ I
山頂広場に出ました。「上級者ルート」というのが今来た道。



飯道山・山頂三角点 I
標高664mの三角点がある山頂です。ここはぼく自身12年ぶりです。



飯道山頂からの三上山 I
山頂からは、菩提寺山と完全に重なった三上山の姿が。後方には琵琶湖も。
ここで、今日初めて他のハイカーに会いました。しかも、6〜7人。さすがは人気の山です。




飯道神社への道 J
いままでと打って変わって、ハイウェイのような道です。



一旦林道へ J-K間
少しだけ林道に出ますが、再び離れると間もなく飯道神社です。



飯道神社の鳥居 J-K間



飯道神社・本殿 K
1650年に建てられた重要文化財の建造物です。



飯道神社のシャクナゲ K
なんともみごとなシャクナゲがたくさん咲いていました。



宮町への下山道 L
信楽・宮町方面への下山道です。




休憩所へのルート M
途中でルートが別れます。左をとれば、休憩所を経由する階段です。その先は舗装道で下りました。



下の神社・入口 N
駐車スペースのある神社への登り口です。



見上げる神社峰 N
そこから見上げる、飯道山・神社峰。ご神体山となったのも納得です。



オレンジシガGCと白草山 Nの西
ゴルフ場を越えて、さっき歩いた稜線です。



駐車地から西の林道を見る @
県道を峠まで登り返しました。今度は西に向かって、大納言を目指します。チェーンの車止めがあります。



尾根道への入口 O
林道から分かれて尾根に取り付くポイントです。




尾根道 P
途中からは湖南市と甲賀市の市境でもある尾根を行きます。



大納言・山頂 Q
標高583mの三角点がある山頂です。こちらは11年ぶり。すっかりイメージが変わりました。電線でわかるように、林道がすぐ先を通っています。



鉄塔へ R
三角点のある山頂より、こちらの方が標高があります。高圧線の鉄塔と、電波塔の鉄塔が並んでいます。



水口方面の眺め R
鉄塔脇から。遠方は烏ヶ嶽。



林道で下る S
下りは、林道を使いました。車止めがあるので、車は来ません。



白草山を眺めながら S-@間
さいごは、朝登った白草山を眺めながら、駐車地に下ります。



山行記録:日時−2012年5月5日、天候−晴れ。9:20 アセボ峠の南側@に駐車後出発、9:23 アセボ峠の登山口A、9:56 白草山・山頂D、10:15 オシゲジゾウF、10:35 飯道山・西峰G、10:54 主稜線・合流H、11:03 飯道山・山頂I着。昼食後、11:20 山頂発、11:40〜12:01 飯道神社K、12:19 宮町側の登山口N、13:08 アセボ峠の南側の駐車地@、10分休憩後、13:19 再出発、13:24 林道分岐O、13:49 大納言・山頂Q、13:59 鉄塔下R、14:38 駐車地@着。

 アセボ峠の南東にある613mの峰は、以前から地形図を見るたびに気になる峰でした。それは、三雲や甲西からは飯道山よりもよく目立つ峰なのに、名前すらないし、登山道もあるのかないのかよくわからないことからでした。でも、等高線から見て登れる、と踏みました。そこで、2011年の2月、残雪の中を尾根に沿って登ってみました。踏み跡は続き、そこそこまで登ったところで、雪も深くなり、おまけに尾根を塞ぐ大岩に阻まれて登れませんでした。この尾根の先は613mを越えた後で飯道山に続いており、地形図からこの飯道山の尾根も登れそうでした。そこでこの日、613m峰、そしてできれば飯道山まで登ってみようと、アセボ峠を出発しました。
 アセボ峠の登り口Aで、なんと「阿星山⇔飯道山」というルートの小さい標識を見つけました。前の冬にはなかったものです。ちょっとだけ拍子抜けしましたが、まあ、間違いなく飯道山まで登れることがわかったので、元気を出して登って行きました。大岩Cは相変わらずでかく、どこから取り付こうか迷いましたが、その前に尾根をちょっとだけ戻ってみると、なんと左側に斜め下に向かうワープ・ルートがちゃんとありました。テープもついていました。こうして難なく大岩を越えると、登山口からほぼ半時間で、613m峰の山頂Dに達しました。そこには「白草山」との標識も。初めて聞く名前でした。名前がないなら仮称・アセボ峰でいこうかな?と思っていたので、これもちょっとだけ拍子抜け。でも、まあいい名前だからいいかと気を取り直し、先へ。すぐに、眺望のいいガレ場に出ました。正面には飯道山。左手には烏ヶ嶽。右には信楽の盆地、コウモリヶ岳、堀木谷など多くの山々が見えていました。下りきると、Fで林道跡を横切ります。この道、1/25000地形図に道として描かれているので、いろんな地図にも登場する道なのですが、実際はとても車が通れる代物ではなく、真中に樹が茂り始めている林道跡でした。またこの鞍部は「オシゲジゾウ」ということも標識で知りました。
 この先は飯道山の西峰に向かう尾根です。相変わらずテープが定期的にあり、また尾根も明瞭なため迷う心配はありません。先ほどよりは藪が少しうるさい程度でした。それも鈴鹿の濃い藪に比べれば楽勝でした。ここは20分で西峰Gへ。ここからも尾根道ですが、一旦かなり急に下って、先に進むと、左手から大きな尾根が合流してきますH。この尾根が飯道山の主稜線で、岩坂まで延びる長い尾根です。やがて飯道山の山頂Iへ。ここから先はいろんなガイドブックにも出ていますので、省略!印象に残ったのは、飯道神社Kのシャクナゲ。すごくきれいでした。今まで見てきたシャクナゲの中で、ベストです。Nから@は少しだるい道路歩き。特にアセボ峠の登りなおしは暑さもあってけっこうきつかったです。
 車で10分休憩して、今度は大納言へ。11年前の秋に林道で往復しています。でも、今回は尾根道で登ることができました。@から5分歩けば、右の尾根への取り付きOへ。見落とさないように注意が必要です。ここからは、忠実に尾根をたどります。この分岐Oから25分で大納言の三角点がある山頂Qへ。でも、最高点はその先、鉄塔Rのあたりです。眺望もいいので、そこまで行ってみました。このさき、阿星山までルートは延びています。次の機会には阿星まで行ってみようかな?でも車はどうしようかな??車の処置がちょっと悩ましいルートです。


ルートマップ


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(三雲)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。