釣瓶岳  Mt. Tsurubedake

 釣瓶岳(ツルベだけ)は、比良山系・武奈ヶ岳から北に伸びる尾根が一旦下って細川越、そこから登りなおしたピークです。今回は武奈ヶ岳からではなく、高島市朽木(旧朽木村)栃生(とちゅう)から往復しました。なお、「とちゅう」という地名は同じ367号線沿いに他にもあります。大津市の「途中」です。ややこしいですね^^。さて、栃生から比良へのルートは、半ばまで地蔵峠へ登る「コメカイ道」です。これは、もちろん「米買い道」。棚田で名高い畑(高島市)へ越える道で、朽木の人々が米を買う生活道だった道です。帰りに、このルートをたどって地蔵峠から下ってみましたが、現在はそうとう荒れていました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。


ルートマップへ

山行写真
撮影日:2006/10/9 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax *istDS2、レンズ: SMC Pentax DA18-55mm F3.5



林道入り口 @
国道367号線が膨らんでいる場所(大津向き)に車をとめさせていただきました。夏は露店が出る場所のようです。
すぐ横の林道入り口です。まっすぐ方向は、「釣瓶岳(標高1098m)まで約5km」と書いてあります。




林道分岐 A
林道を少し上がると、また分岐です。ここは道標にしたがって右、山方向へ。



白倉岳 A
分岐点で振り返ると、安曇川の谷を隔てて、白倉岳が聳えています。



林道が終わって B
林道を上がっていくと舗装道は終わり、細い山道となりますが、道標は立派に立っています。



コメカイ道1 B−C間
いよいよ登りです。尾根をクネクネと登っていきます。まさにコメカイ道です。いい道です。



コメカイ道2 C
溝道が、歴史を感じさせてくれます。



尾根に立つ赤松 D
かつて一里塚風に植えられたのでしょうか?立派な赤松でした。



コメカイ道分岐 E
コメカイ道は、ここで尾根から外れますが、釣瓶岳へは尾根を行った方が近道です。まず、尾根道方向(右)へ。



尾根上の道 E−F間
ここはまだササ峠への道でもあります。まだかつての生活道の一部。



ササ峠分岐 F
ここでササ峠道とも分かれます。



尾根上の道 G
ここから先は、まさに尾根上の山道で、生活道のにおいは無くなります。



蛇谷ヶ峰 H
主稜線が近づいてきました。眺望も現れます。北に蛇谷ヶ峰902mです。



野坂山地の山々 H
蛇谷ヶ峰の左側に、野坂山地の名峰群です。左から三十三間山842m、武奈ヶ嶽865m、三重ヶ嶽974m、大御影山950m。



イクワタ峠 I
主稜線に出ました。イクワタ峠です。標高は923mあります。



イクワタ峠から、釈迦岳 I
南東に釈迦岳1060mです。左手の谷間にある建物群は、ガリバー旅行村です。



イクワタ峠から、リトル比良 I
東にはリトル比良の山塊が。左から鳥越峰、岩阿砂利山、鵜川越をはさんで、
嘉嶺ヶ岳、滝山、寒風峠をはさんで、ヤケ山。その向こうに琵琶湖、鈴鹿連峰。次に拡大写真。




イクワタ峠から、鳥越峰、岩阿砂利山 I
左から岳山565m、鳥越峰702m、白い仏岩のある岩阿砂利山686m琵琶湖に浮かぶ島影は多景島。その右後方は鈴鹿の霊仙山1094m。



イクワタ峠から、嘉嶺ヶ岳、滝山 I
中央に嘉嶺ヶ岳と滝山琵琶湖の向こうに彦根の荒神山。後方は左から鈴鹿の霊仙山1094m〜御池岳1247m〜竜ヶ岳1100m。



イクワタ峠から、釣瓶岳 I
そして正面にめざす釣瓶岳です。こことの標高差は約170m。



湖北の眺め J
さらに登ると、後方に琵琶湖最北部。左端は海津大崎。島影は竹生島。その向こうに金糞岳1317m。



伊吹山 J
比良北部から見ても伊吹山は凛々しい姿です。



釣瓶岳・山頂 K
やがて山頂に出ます。山頂には杉の木が多く、北以外はあまり眺望はよくありません。



釣瓶岳・山頂から蛇谷ヶ峰 K
イクワタ峠から見たときより、だいぶ見下ろす感じになってきました。



釣瓶岳・山頂から武奈ヶ岳 K
南に比良の最高峰・武奈ヶ岳1214mです。木々の隙間から何とか・・・



釣瓶岳・山頂から堂満岳 K
武奈の左に堂満岳1057mです。



百里ヶ岳 J
山頂を後に、再びJあたりまで下ってきました。左遠方に、百里ヶ岳931mです。その向こうには若狭湾があるはずですが・・・それにしてもトンボが多いです。



白倉岳 J
左手、手前の並びが白倉連峰です。中央が中岳、右寄り、トンボの下が白倉岳950m。後方は中岳の左後ろに三国岳(近江・山城・丹波)959m。



地蔵山への尾根上の道 L
再びイクワタ峠Iを過ぎて、今度は地蔵山に向かいます。これはLあたりの尾根道。きれいな林です。



ササ峠 M
やがてササ峠に着きます。標高770mです。



地蔵山の山頂 N
地蔵山790mは目立たない山ですが、三等三角点があります。



地蔵山の山頂からの、鳥越峰、岩阿砂利山 N
左から岳山565m、鳥越峰702m、岩阿砂利山686m。手前に、鹿ヶ瀬の田んぼが見えています。



地蔵峠 O
地蔵山から少し下ると、地蔵峠の標識が。このあたり、悲しいことに林道の工事が派手に行われていました。



地蔵峠のお地蔵様 O
歴史を感じるお地蔵様の前まで、林道の造成は続いていました。



谷間へと下る P
林道の工事もあり、コメカイ道の上部は、まったく消えていました。谷間に無理やり下っていくと、やがて踏み跡が現れました。赤いテープが頼りです。



谷に出る Q
猪谷の上部です。少し流れが出てきたら、まもなく流れから離れます。



コメカイ道3 Q−R間
沢から離れて、斜面の道を進みます。狭いところ、斜めになった路面が多かったです。滑落要注意です。



ヒジキ滝 R
滝の前後は、道が崩れて少し厳しいところがありました。



コメカイ道4 S
このあたりまで来ると、コメカイ道は幅も広がり、いい道となってきます。このあとまもなく、朝通った分岐Eに出ました。



山行記録:日時−2006年10月9日、天候−晴れ。9:45 R367沿い@に駐車後、9:50 林道分岐A、10:30 コメカイ道分岐E、10:55 ササ峠道分岐F、11:25 イクワタ峠I、11:55 釣瓶岳・山頂K着。昼食後、12:35 山頂発、13:05 イクワタ峠I、13:25 ササ峠M、13:40 地蔵山N、13:45 地蔵峠O、14:25 ヒジキ滝R、14:50 コメカイ道分岐E、15:15 林道分岐A、15:20 駐車地@着。

 まず、栃生から地蔵峠へ登る「コメカイ道」をEまで登りました。入り口付近は頼りない箇所もありますが、かつて生活道として非常によく踏まれたことがわかる、素晴らしい道でした。道標も、きっちりと立てられていて、安心です。コメカイ道と分かれてもしばらくは同じような道でした。上にも書きましたが、ササ峠道もかつては歩き込まれていたようです。Fでササ峠道と分かれると、こんどは鈴鹿を思い起こすような尾根上の踏み跡のあまりはっきりしない道です。でも、稜線ははっきりしているので、迷う心配は全くありません。やがてイクワタ峠Iです。一気に見晴らしが開けます。北の蛇谷ヶ峰、東の釈迦岳、リトル比良、その向こうの琵琶湖・・・・素晴らしい眺望です。峠から半時間も登れば山頂Kです。杉の木立のため武奈ヶ岳は木々の隙間から見ないといけませんが、それでも雄姿が望めます。下りはイクワタ峠Iを右前方に取り、稜線を進みます。やがてササ峠M。さらに、美しい林の中を歩いていくと、少し登って地蔵山Nです。地蔵峠Oは、林道工事で荒れ果てていました。コメカイ道も入り口が無造作に埋められているようで、なんだか許せません。土砂でどろどろの斜面を無理やり谷方向へ下っていくと、やっと谷沿いに踏み跡が出てきました。やがて猪谷Qに出ます。Q−R間は踏み跡ははっきりしませんが、赤いテープを探しながら進んでいきます。ヒジキ滝Rの手前に、崩壊地があり、要注意です。ヒジキ滝は、小さいながらもいい滝でした。Sあたり以降は道も広く、かつてのこの道の賑わいを彷彿とさせてくれます。


ルートマップ


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(北小松)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。