釈迦ヶ岳   Mt. Shakagatake

鈴鹿山脈のほぼ中央、御在所岳の北側に位置する釈迦ヶ岳は、その姿がお釈迦様の寝姿に似ているから名付けられたそうです。遠くからでも比較的角張った山頂部で見分けがつきますが、南からは大蔭のガレが白く目立ち、北からはきれいな双耳峰として認識されます。お盆休みの暑い暑い日、朝明渓谷から庵座谷を登り、庵座滝を見て、釈迦ヶ岳、稜線を南下して猫岳、羽鳥峰、羽鳥峰峠を経て朝明に下るという、ごく一般的なコースで釈迦ヶ岳を歩きました。滋賀県側からは石榑峠経由か、愛知川(神崎川)の渓谷を経てしか入れないので、今回選んだのは三重県側からのコースです。写真の番号は、ルート・マップの番号と対応しています。

今回のルート・マップへ

周囲からの釈迦ヶ岳へ


山行写真
撮影日:2004/8/13 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5


千草からの釈迦ヶ岳
三重県菰野町千草より。国道306号線を鈴鹿スカイラインとの交差点から少し北上すると、朝明渓谷への入口表示があります。
そのあたりから眺めた釈迦ヶ岳の全容です。山頂の左脇から猫岳が頭をのぞかせています。




庵座谷の入口 @
朝明渓谷の道を進むと、右手に「バンガロー村」への分岐があります。ここが庵座谷への入口です。



庵座谷の登山道T A,B
バンガロー村までは舗装道、やがて川を渡りバンガロー村を抜けて登山道に入ります。最初は川に沿った緩い登りA、
やがて傾斜は急になってきて、時折ロープが固定されています。その後、Bの前方に見える峠状の尾根を越えると・・・・・



庵座滝T C
まもなく滝が見えてきます。庵座滝です。鈴鹿山系でも屈指の名瀑だと思います。



庵座滝U C
水しぶきが風に乗って滝壺の周囲に飛び散っていました。暑い日なのでしぶきを浴びながら
予定を変更してここで昼食&Beer!でも、しぶきでだんだんと寒くなってくるほどでした。



庵座滝V C
なんだか立ち去るのがもったいないぐらいの素晴らしい滝でした。



庵座谷の登山道U D
滝の右側(左岸)を高巻きして、やがて滝の上流の谷におります。さらに谷に沿って登ると、パイプとゴムで
作った堰堤を越えて、谷は徐々に細くなってきます。水がほとんどなくなった頃、右手の山腹に取り付きます。



庵座谷の登山道V E
この山腹登りは、大蔭のガレの左の尾根に取り付いているところです。固定ロープも多く、
なかなかの厳しい傾斜が続きます。もう少し行けば草付にでて、今日初めての眺望が楽しめます。



間近から見る大蔭のガレ
草付の上部で右手に大蔭のガレ上部を見たところです。なかなかすごい迫力でした。




御在所岳
ガレ横からの眺めです。南には、国見岳と重なる御在所岳1212mの勇姿です。



猫岳
西には主稜線上の猫岳。あとで通る予定です。




釈迦ヶ岳・山頂 F
標高1092mの山頂です。三角点の標石も見えています。でも、ここからは眺望はほとんどありませんでした。




猫岳への稜線から松尾尾根の頭と大蔭のガレ G
先程登った斜面が確認できます。ガレの左の木が茂っているところとの境界線付近です。その左上にこんもりと松尾尾根の頭。




猫岳・山頂 H
猫岳の山頂です。岩はたくさんありましたが、どれが猫岩なのか?でした。猫の額ほどの小さな広場でした。




稜線の道 I
猫岳から羽鳥峰への県境主稜線です。傾斜も緩い下りが主体で、笹も低く、歩きやすい楽しいルートでした。



だから猫岳?? J
908m峰あたりから振り返った猫岳方面です。なんと、かわいい猫の頭になっていました。右は、釈迦ヶ岳の山頂のようです。


羽鳥峰からの主稜線 K
羽鳥峰810mの山頂からです。少し下った先が羽鳥峰峠です。非常に風化しやすい花崗岩帯のようで、縦走路の
周囲が大きく拡がっています。主稜線はこの先、金山906m、水晶岳954m・・・と続きます。今日は峠から左に下ります。




羽鳥峰からの御在所岳方面 K
国見岳が大きくなり、御在所岳の山頂は頭だけの状態です。左にはハライドの岩峰。




羽鳥峰の砂丘と羽鳥峰峠 K
羽鳥峰を越えるとすぐに羽鳥峰峠。そこから振り返る羽鳥峰です。稜線上にある小さな砂丘といった感じです。



朝明への道を下る L
このあたりはまだ車は通れませんが、すぐに広くなりました。この先、中峠や根の平峠に登る道が右に分かれていきます。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(御在所山)をベースに作成いたしました。


山行記録:日時−2004年8月13日、天候−晴れ。10:30 朝明渓谷沿いの道Pに駐車して出発、10:45 バンガロー村入口@、11:30小峠B、11:40-12:00 庵座滝、昼食、13:50 松尾尾根の頭、13:55 釈迦ヶ岳山頂F着、14:10 山頂出発、14:25-14:40 猫岳H、15:20 羽鳥峰着、15:30 羽鳥峰峠K発、16:00 林道出合L、16:25 バンガロー村入口@、16:35 駐車地P着。

 笠ヶ岳から帰ってきた日の翌々日、まだちょっと疲れの残るからだでしたが、お天気がいいのでついつい出てきました。釈迦ヶ岳は、滋賀県側からはあまりに長丁場のルートしかないので、鈴鹿峠経由で菰野に入り、そこから朝明渓谷にあがってきました。朝はできるだけ早く、がんばって起きたつもりでしたが、渋滞もあり、朝明に着いたのは10時をまわったころでした。お盆休み、キャンプや川遊びの車がすごく多く、なかなかいい駐車場所が見つからず、行ったり来たりを繰り返し、結局は登山口からだいぶ下った場所に車をとめて15分ほどかけてバンガロー村分岐@に着きました。しばらく舗装した道を歩くと橋を渡ってバンガロー村に入りました。ここもキャンプや川遊びをする子供達でいっぱいでした。建物の横をすり抜けて川沿いの道を行くと、いよいよ登山道の入口表示があり、川を左岸に渡り返して庵座谷道が始まりましたA。川沿いといっても川を見ることのあまり無い登りで、小さな尾根を越えたりくねくねと曲がるルートです。やがて勾配もきつくなり、小さな峠状のところBを越えると、前方に庵座の滝が小さく見えました。しかし、右からの崩落の激しいところで、ルートは斜面を少し登ってガレを巻いたりしますので、滝まではまだ10分ほど時間がかかりました。滝の近くで、河原に降りて岩の上を飛びながら滝に近づくと、いよいよ庵座滝Cが全貌を表してくれました。これはほんとうに素晴らしい滝です。ごちゃごちゃ言うよりも写真を見ていただいた方がよくわかると思います。滝は一旦先程の河原に降りたところまで戻って、右側、すなわち滝の左岸を高巻きして越えますが、最初のガレ沢の急登は足場も悪く、少し厳しいところです。右から落ちてくる谷はあちこちでガレていました。やがて再び河原に出ると、あとはほぼ河原を進むことが多くなりますD。意外なほど上流に大きなパイプやゴムで組み立てた堰堤がありました。これを越えると流れはますます小さくなり、やがて一つの指導標を見て右側山腹に取り付きます。しばらくは固定ロープのたくさんついた急登が続きますE。ここは、大蔭のガレの脇を急登していることになります。やがて木が無い草地に出ると、ガレが荒々しい姿を現します。この先も登りはきつく、汗ダラダラになった頃、松尾尾根に乗ります。すぐに松尾尾根の頭の山頂。ここからは遊歩道の感覚で稜線を進み、あっという間に釈迦ヶ岳の山頂に着きます。
 山頂から2分ほど南に戻ると、県境主稜線分岐です。ここを、右にとり、猫岳Hを目指します。猫好きの僕には気になるヤマです。最後だけ急登のあるピークは、釈迦ヶ岳から15分もあれば到着です。猫岩が山頂付近にあるそうですが、どの岩なのか特定できませんでした。プレートの付いた岩もあまり猫的ではありませんでした。
名前の由来をあれこれ考えながら主稜線を南下していきました。傾斜も緩い下りが主体で、笹も低く、歩きやすい楽しいルートでした。908m峰Jからふと振り返ると、そこに大きな猫の頭がありました。だからっ!ってわけではないでしょうが・・・・ここから羽鳥峰には登ると言うより下るという感じで、標高をどんどん下げて峠の直前にある小さな砂丘が羽鳥峰です。砂丘といっても、花崗岩のガレからできた砂です。この不思議なピークのてっぺんからは、朝明渓谷、国見岳方面がきれいでした。峠からは旧道を下りました。林道へ早く出る新道ができたので、歩く人は少し減ったようです。頼りない踏み跡をたどって砂防ダムの脇を抜けると、やがて林道に出ます。林道といっても、この辺は車の通行は無理でしょうL。あとは林道をひたすら歩き、車に向かいました。


周囲からの釈迦ヶ岳(詳しくは、滋賀の山、山姿写真集へ

銚子ヶ口より


御池岳より



御在所岳より



三池岳より




千草より