ブンゲン(1260m)は、伊吹、金糞に次ぐ滋賀県第三位の高峰なのですが、一般の地図はおろか、登山ガイドにもあまり取り上げられてはいません。位置は、伊吹山地の中部、伊吹山(1377m)から北に延びる北尾根が、国見岳(1126m)を経て一旦国見峠で標高を落とした後、再び虎子岳(1183m)で標高を上げ、その北がブンゲンになります。すぐ北には奥伊吹スキー場がほぼ稜線まで上がってきており、そこから東の岐阜県側に派生している尾根上に貝月山(1234m)があります。ブンゲンは貝月より高いのに、なぜかほとんど知られていませんでした。さらに北に行くと、滋賀−岐阜の県境尾根は一旦西に大きく折れ、鳥越峠を経て金糞岳(1317m)に持ち上がっていきます。
山行写真
撮影日:2001/9/9 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5
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山行記録:日時−2001年9月9日、天候−晴れ。8:00 奥伊吹スキー場駐車場発、9:05 天狗岩コース最上部、9:45 ブンゲン南峰山頂着。10:00 山頂発、同じコースで下山、10:55 奥伊吹スキー場駐車場着。
最初は右側の第1ペアリフトに沿って、つづいて第8パラレルペアに沿ってひたすらゲレンデを登ります。リフトなら2,3分、滑ったら1分で十分のこのゲレンデも、歩いて登るとなかなか大変です。でもこのスキー場は夏用の道があるので、草をかき分けて・・・なんて必要はなく、傾斜のきついところはきっちりと舗装された道です。また、道の脇には、ツリフネソウやハギが初秋の彩りを添えていました。やがてゲレンデは右に90°折れ曲がり、チャレンジコースの急登を迎えます。このあたりから、金糞岳が姿を見せ始めます。今度は左に90°折れ曲がり、天狗岩コースに入ります。左手に天狗岩があり、それを過ぎると傾斜は一時緩くなります。その上は、上級コースの急登で、第10ペアのリフト降り場まで登り詰めると、右手にようやくブンゲンが姿を現します。ゲレンデを離れ、まっすぐ登り詰めると、1分ほどで県境の稜線に出ます。尾根上は、ブッシュがすごいと一般的には言われていますが、当日(2001/9/9)は、草がきれいに刈られて、歩きやすい稜線でした。笹が主ですが、ナナカマドや他の灌木、少し稜線が下がるところには、大木もあります。稜線に出て5分ほどで、甚吉岩と立て札のある岩の上に出られます。ゲレンデの最上部が見え、遙か彼方には能郷白山と、加賀の白山も見えてきます。さらに稜線を南に進むと、一旦下り、登り返すとブンゲン北峰の山頂です。再び下って、登り返せば、三角点のある南峰。南には虎子岳〜国見峠〜国見岳〜北尾根〜伊吹山の稜線が続き、北西には金糞岳、北東には貝月山が見渡せます。また、南西の谷の底に、国見岳スキー場も見えていました。
翌週、金糞岳に登り、逆にブンゲンを眺めたのが下の写真です。奥伊吹スキー場があるので、位置はわかりやすいのですが、山としては、あまり特徴のない山であることがよくわかります。北峰と南峰の双耳峰なのですが、金糞岳のように豪快でなく、鈴鹿の仙ヶ岳のように華麗でもありません。稜線上の2つの盛り上がり程度にしか目立たないのです。そのあたりが、ブンゲンがあまり知られていない山となっている一番の原因かも知れません。当日も、午後は知りませんが、午前中登っていたのは全くぼく一人だけでした。また、麓から見えにくい山であることも一因かも知れません。姉川の谷の奥深く、琵琶湖側には金糞岳とそこから南に延びる長大な尾根が、南には伊吹山が立ちはだかって、この山を隠しています。姉川谷は深いので、スキー場に向かう県道やスキー場のゲレンデからもほとんど見えません。麓からこの山を見るためには、かなり遠ざからないと無理でしょう。しかも遠くからだと、この目立たない山を同定するのがまた大変ですし・・・・
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