乗鞍岳と芦原岳 中央分水嶺・高島トレイル〜1

 中央分水嶺は、本州の太平洋側と日本海側を隔てる分水嶺。高島トレイルは、滋賀県の中央分水嶺のうち、北西部分の愛発越〜三国岳の区間で整備されています。その起点となる愛発越〜乗鞍岳〜芦原岳〜黒河峠を歩いてみました。なお、登山口と下山口が歩いたらかなり遠いため、あらかじめ黒河林道入口に一台置車して、もう一台で愛発越に入りました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています

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山行写真
撮影日:2014/5/10 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5



愛発越のトレイル入口に立つ看板 @
愛発越(あらちごえ)とは、国道161号線が滋賀から福井県に越える峠です。国境高原のスキー場といったほうがわかりやすいでしょう。
ここが、高島トレイルの出発点で、ここに大きな看板が設置されています。標高は389m。865mの乗鞍岳まで470mあまりの登りです。




見上げる乗鞍岳 @
ここから見上げる乗鞍岳です。山頂は左寄り。電波塔よりは右です。



ゲレンデを登る A
舗装道を少し山方向に進むと、右手にゲレンデがあります。大谷第一コースです。ここを登っていきます。



愛発越を見下ろす A-B間
振り返ると初夏のゲレンデ、レストハウス、愛発越が見渡せます。



登山道への入口 B
やがて左手にリフト終点の降り場がある広場まで登りつきます。その広場の右手奥に、登山道の入口が。すこしわかりにくいので注意。



掘割状の道 B
入ってすぐの登山道の様子。よく踏まれた掘割状です。



右からの道と合流 B-C間
その先で右からの尾根芯の道と合流します。より、しっかりした登山道となります。



掘割道がつづく B-C間
底に落ち葉がたまった掘割道です。かつて、多くの人々が行き交っていたのでしょう。



尾根に咲く花 B-C間
5月10日ですから、ツツジ科の花がたくさん見られます。上は、ミツバツツジの仲間です。おそらくユキグニミツバツツジでしょう。
下は、ウスギヨウラクというヨウラクツツジの一種です。




ブナ林 B-C間
ブナの林に入ってきました。左の並びがブナです。



尾根の左を登る B-C間
尾根芯が右に外れて、道が左に回りこむと、まもなく乗鞍岳北尾根に出ます。



北尾根出合 C
乗鞍岳北尾根の出合です。標高は780mほどです。標識があり、左に向かいます。



カタクリ C
稜線上に咲いていました。



奥琵琶湖、竹生島 C-D間
稜線上からは眺望が優れています。この日は残念ながら春霞が濃いのですが、奥琵琶湖に
竹生島が浮かんでいるのが見えました。その左は奥琵琶湖パークウェイの通る半島と標高470mの大峰。



ウチワカエデとオオカメノキ C-D間
稜線には樹も多くウチワカエデの新緑が最高でした。オオカメノキもほぼ満開を迎えていました。



乗鞍岳・山頂 D
やがて、二等三角点(点名・野口村、標高865.1m)のある、乗鞍岳・山頂です。後方が、中央分水嶺・高島トレイルの標識です。



東山 D
山頂からの眺望です。真南には奥琵琶湖に張り出す海津大崎の最高峰・東山594.6mです。



岩籠山 D
反対の真北には、北尾根上に岩籠山765.1m。



電波塔 D-E間
山頂から少し南に下ると、麓から見えていた電波塔です。



野坂岳 E
電波塔の下から、北西方向に野坂岳913.3mの姿が。言うまでも無く野坂山地の名の元となっている、敦賀の名峰です。



芦原岳 E
その左手には、いまから向かう芦原岳842m。一番高く見える鉄塔のあたりが山頂でしょう。左奥には台形の三国山876.1mの姿も。



もう一つの電波塔 E−F間
その先にももう一つ(よく見ると二つ)電波塔が建っています。その左の舗装道は、マキノ町在原から登ってくる道ですが、ゲートがあって一般車は入れません。



寒風〜赤坂山 E−F間
鉄塔の後ろに並ぶのは、この先の中央分水嶺の山並みです。左端が寒風857m、その右にP869、P841、右端に赤坂山823.6m。



ブナ林 F
Fあたりのブナ林はさらに大規模です。稜線の右側を通ります。



大ブナ F
これはそうとうな大木でした。



トクワカソウとエンレイソウ F-G間
この花たちも、この山域を代表する花です。



鉄塔下に飛び出す G
Gで、突然鉄塔の建つ広場に飛び出しました。鉄塔の先を左に回りこみます。その先の
分岐で右に進み、結局この写真の前方に見えているもう一つの鉄塔の下に進みます。




芦原岳からの乗鞍岳 H
その鉄塔の下が、ほぼ芦原岳の山頂でした。標高は842mほど。ここから谷を隔てて、先ほど歩いた乗鞍岳が一望できました。



芦原岳からの野坂岳 H
野坂岳が少し近く見えます。その右下には・・・



敦賀の街並み H
敦賀の街もよく見えました。市街地の向こうには気比の松原。その先は日本海(若狭湾)。ここは琵琶湖と日本海が同時に見渡せる頂です。



庄部谷山と芦谷岳 H
その左、尾根伝いに眼をやると、野坂岳と三国山との間の山々が。まず左奥が庄部谷山855.9mです。主脈を西に離れています。右手前が芦谷岳866m。



芦原岳からの赤坂山と大御影山 H
赤坂山を望遠で覗くと山頂に何人かいるのが見えました。またその向こうに電波反射板
のある山が見えます。大御影山954mです。この峰もこの先の中央分水嶺上です。




三国山 I
一旦分岐まで戻り、中央分水嶺の縦走を続け、Iで再び鉄塔の下に出ます。ここからは三国山876.1mが大きくきれいに見えます。巨大な山です。



巡視路を下る I-J間
Iから西に下るところはかなりの急勾配です。ただ、鉄塔巡視路なので、ゴムの階段があり、滑ることはありません。



鉄塔をくぐって I-J間
Jの手前で、二度大きな鉄塔をくぐります。その先、651.5mの三角点のある峰には登らずに、右に下ります。



猿ヶ馬場のブナ林 J
右に下ったところにもみごとなブナ林が。猿ヶ馬場のブナ林です。



オオバキスミレ J
そのブナ林の林床に黄色いスミレが。オオバキスミレです。



黒河峠 K
やがて、林道に飛び出します。黒河(くろこ)峠です。標高は571mほど。



赤坂山歩道の入口 L
林道を少し下ると、中央分水嶺・高島トレイルの、三国山・赤坂山方面の入口です。ここは次回にとっておいて、今日は置車した白谷方面に下ります。



林道を下る L-M間
あとは林道をひたすら下ります。この林道、車が普通に入ってきていました。



黒河林道入口 M
この脇に置車していました。



山行記録:日時−2014年5月10日、天候−晴れ。7:50 黒河林道入口Mに一台置車して、愛発越に向かう。8:22 愛発越の福井県側に進んだところ(マップのP)に駐車後、8:26 中央分水嶺・高島トレイル入口(スキー場入口)@へ、8:55 リフト終点(登山道入口)B、9:40 乗鞍岳北尾根出合C、10:16 乗鞍岳山頂D着。早い昼食を食べて、10:50 山頂発、10:53 電波塔E、11:10ごろ ブナ林F、11:37 鉄塔下G、11:43 芦原岳分岐、11:46 芦原岳・山頂H着。11:50 山頂発、12:08 鉄塔下I、12:31 猿ヶ馬場ブナ林J、12:52 黒河峠K、13:59 黒河林道入口M着。

 5月中旬のよく晴れた日、中央分水嶺・高島トレイルの最初のルートでもある、愛発越〜乗鞍岳〜芦原岳〜黒河峠を歩きました。この前の秋、朽木の道の駅でトレイルの公式ガイドブックを手に入れ、眺めているうちに行きたくなってきました。公式ガイドでは、愛発〜黒河峠間が休憩無しで4:40のコースタイムとなっていたため、がんばって早い目に起きて来ました。実際は昼食や休憩を込みで、4:26で歩けましたので、ずいぶん時間に余裕ができました。ルートは非常によく整備されており、迷うところはほぼ無かったです。登山口・下山口の交通の便は悪いので、二台の車で一台を置く方法が必要になります。なお、途中でしばらく一緒になった名古屋から来られた三人組は、黒河峠にタクシーを呼ぶと言っていました。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(駄口)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。