鞍掛峠から藤原岳・天狗岩   Mt. Fujiwaradake (Tenguiwa) from Kurakake Pass

 藤原岳は、滋賀県側からは一度峠を越えて三重県側に入ってから登らなければならないので、アプローチが少し大変です。前回聖宝寺道を登りましたが、このときは鞍掛峠が通行止めで、関ヶ原経由で行かざるを得ず、遠い山のイメージがありました。しかし、御池岳方面から稜線を行けばそんなに時間をかけずとも藤原岳方面に歩いていける・・・そこで、今回は、県境の鞍掛峠からコグルミ谷を経て歩いてみることにしました。コグルミ谷は荒れていましたが、天ヶ平(カタクリ峠)から先の県境稜線は素晴らしい稜線でした。眺望抜群の冷川谷の頭(頭蛇ヶ平)を過ぎてからも美しい稜線は続き、やがて藤原岳の最高峰・天狗岩に着きました。今回はここで引き返し、来た道を戻りました。


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山行写真
撮影日:2005/8/28 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax *istDS2、レンズ: SMC Pentax DA18-55mm F3.5



振り返る鞍掛峠 @
鞍掛トンネルの三重県側に車を停めて国道をコグルミ谷入口まで下ります。振り返ると、鞍掛峠。



心の山の石碑 A
コグルミ谷の入口にあります。



コグルミ谷入口 A
以前は「心の山」の碑のある左岸から山に入っていましたが、2004年の水害以降、右岸から入るようになりました。



荒れるコグルミ谷 A
水害で倒れた木がまだいっぱい残っています。ルートは前方の丸木橋を渡って右へ・・・



荒れる河床 B
このあたり、河床は上から流れてきた石灰岩でいっぱいになり、ルートは左岸の山腹につけ替わっています。



長命水のベンチ C
ベンチのある長命水です。水はこの少し右からちょろちょろと出ていました。
このあたりまで登ってくると、土石流の影響も小さくなり、ほっと胸をなで下ろしました。



長命水 C
「霊験あらたか長命水/一口飲んで疲れをとばし/二口飲んで一才若返る。」



天ヶ平(カタクリ峠) D
長命水を過ぎて少し登ると、右から滝状の沢が落ちてきており、本沢方向にも大きな石灰岩を越えなければならないところに出ます。
ここを過ぎたらルートは谷から離れてすぐに左手(右岸)の山腹に取り付きます。その後山腹〜沢状のところを登ればカタクリ峠です。




県境稜線上の道 E
御池岳へはカタクリ峠を右斜め前方向に行きますが、今日は左折して県境の稜線を藤原方向へ。



荷ヶ岳の山頂 F
1/25000地形図に標高1054mの標高点がある荷ヶ岳の山頂です。山頂といってもこの立て札がないと
まずここと気づかないくらい平らな稜線です。イワカガミの葉が繁っています。花の頃は綺麗でしょう・・・
立て札は別名の「冷川岳」となっていました。よく似た名前の冷川谷の頭はこれから向かう鉄塔のある峰で、少しややこしいです。




白舟(白瀬)峠 G
一旦下って白舟峠です。大きい看板は左に下る坂本谷道の通行止めを書いた看板です。右は真の谷へ下る道。



冷川谷頭への登り G-H間
白舟峠から広くて歩きやすい稜線上を登ります。



一本目の鉄塔 G-H間
やがて突然広い草原に出ます。一本目の鉄塔です。ほんの少しで二本目、そこが冷川谷の頭の頂です。



冷川谷の頭・三角点 H
二本目の鉄塔の少し先に三角点があります。ここからの眺めはなかなかのものです。まず前方には天狗岩が。



天狗岩への稜線 I
気持ちのよい歩きやすい稜線です。



天狗岩手前の草原 J
やがて稜線は右方向に離れ、なだらかな源頭部のような草原に出ます。このあたりにはカワチブシ(トリカブト科)が咲いていました。



天狗岩分岐 J
すぐ先で分岐です。前方にカワチブシの群生が。



天狗岩 K
岩の先端が山頂です。藤原岳の最高峰がここ、天狗岩1171mです。



茶屋川谷を俯瞰 K
茶屋川の谷底まで300mほどの急崖です。




山行記録:日時−2005年8月28日、天候−くもり。11:25 鞍掛峠トンネル・三重県側入口に駐車後、11:35 コグルミ谷登山口A、12:15 長命水C、12:40 天ヶ平(カタクリ峠)D、13:10 荷ヶ岳山頂F、13:15 白舟峠G、13:25 第一の鉄塔、13:30 第二の鉄塔=冷川谷の頭・山頂H着。昼食後、13:45 山頂発、14:10 天狗岩分岐J、14:15 天狗岩山頂K着。ここから来た道を引き返す。14:30 山頂K発、14:55 冷川谷の頭・山頂H、15:10 白舟峠G、15:15 荷ヶ岳山頂F、15:40 天ヶ平(カタクリ峠)D、16:05 長命水C、16:35 コグルミ谷登山口A、16:50 駐車地着。

 コグルミ谷は2004年の水害による土石流で2002年の状況よりずいぶんと荒れていました。でも、ルートはテープ等ではっきりとしていて、しかもあちこちでつけ替えた道をならしたり切り株を取りのけたり・・・とされているのがわかります。整備されている方のご尽力に感謝しきりです。それにしても、先の御池谷といい、ここといい、鈴鹿の谷が異常気象の集中豪雨で荒れていく姿を見るのは辛いものがあります。なんとかもうこれぐらいで勘弁しておいてほしいものです・・・
 天ヶ平(カタクリ峠)から先の県境稜線はよく整備され、雰囲気も素晴らしい稜線です。高圧電線の鉄塔のある冷川谷の頭(頭蛇ヶ平)は、眺望抜群ですがそのぶん風が強く、8月下旬とはいえ寒くてお弁当をさっさと切り上げました。ビールも冷たかった・・・しかし、ここは北鈴鹿の展望台と言っていいでしょう。なんと言っても威風堂々の御池岳・テーブルランドが目の前に。その左には天狗堂と土倉岳、日本コバに綿向山も望めます。右には霊仙山、伊吹山・・・・
 その後も美しい稜線は続き、やがて藤原岳の最高峰・天狗岩に着きました。近くで大きな猿が威嚇しながら座っていました。ここからの眺望も素晴らしく、特に静ヶ岳、竜ヶ岳、釈迦ヶ岳、御在所岳、雨乞岳と並ぶ姿はみごとです。
 ほんとうは展望丘まで行きたかったのですが、なにぶん朝出るのが遅れてしまい、時間が無くなってきたので、ここで引き返しました。再び冷川谷の頭に着いて休憩していると、御池岳方面で滋賀県警のヘリが2機、遭難者を捜索していました。呼びかけの声が大きくきこえていました。後で新聞に無事救出されたとの記事が出ていて、うれしくなりました。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(篠立)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。