明神山・白鹿背山   Mt. Myojin & Mt. Hakkase 

 湖東三山あたりの旧湖東・愛東・愛知川町の平野部から鈴鹿山脈を望むと、そこは県境の主稜線はおろか、日本コバさえ前衛峰に遮られて見えません。その前衛峰は、北から押立山771m、白鹿背山(はっかせやま)755m、明神山707m、高野山685mと並んでいます。特に、押立山と白鹿背山は秀麗な峰で、もっと人気があってもよさそうなものの、実際は登山者は少なく、日本コバ同様に静かな山旅が楽しめます。9月のはじめ、クモの巣がすさまじい登山道を、ひたすら棒でクモの巣を取りながら登って行きました。お天気最高の土曜日だったのに山中で出会ったのは地元のおじさん一人だけでした・・・・稜線には巨大な鉄塔群が並び、興ざめな部分はありますが、眺望は素晴らしいものがあります。
 なお、白鹿背山には東光寺山という別名があります。明神山は地図によっては高野山685mと混同されているものもあります。


白鹿背山・山頂からの眺望へ
周囲からの白鹿背山・明神山へ
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山行写真
撮影日:2002/9/1 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5


麓からの白鹿背山(左寄り)、明神山(ほぼ中央)、高野山(右端)
東近江市曽根の愛知川堤防より



愛東外町の明神山登山口 @
愛知川右岸の県道を東近江市愛東から永源寺方向に進むと、旧町境の少し手前に、
登山口への入り口があります。それを左に入るとすぐにお地蔵さんのある登山口があります。




林道を進む A
しばらくは、このような林道を進みます。



真っ白なキノコ B
登山口を登るとしばらくは林道ですが、やがて車は入れなくなり、
登山道となります。その入り口付近にあったみごとなキノコ。



明神山の登山道 C
落ち葉のいっぱい溜まった登山道です。かなり急な勾配に、クモの巣の連続でけっこう手こずりました。



夏草の原っぱへ D
やがて、登山道は急に明るくなり、反射板のある草原に出ました。



見上げる明神山頂 E
草原からは明神山の山頂が見えました。正面の大きな森のあるところが山頂部。



草原からの綿向山と愛知川 E
ここからは愛知川や綿向山も好展望です。綿向の右には西山〜砥山〜猪の鼻ヶ岳。



明神山・明神の森と山頂 F、G
山頂近くには赤い鳥居があり、その先は、2つ上の写真からもわかるように古い森が残されています。
山頂には八大龍王の祠が祀られていました。ここも雨乞いの山だったようです。なお、ここの標高は約680mです。
なお、明神山の最高点は北の707mの標高点のさらに少し北にあるほぼ720mのポイントです。




稜線からの日本コバ
しばらくは、稜線の細い踏み跡をたどります。右手に日本コバ。



鉄塔のある稜線を行く H
稜線には鉄塔があるので、途中からは巡視路となり、整備されています。



白鹿背山への稜線から明神山を振り返る I
明神山頂からは稜線を北へとって白鹿背山に向かいます。途中の鉄塔から明神山を振り返ったところ。
手前から2番目の峰が山頂。バックには、左から、イブネ、水谷岳、雨乞岳、入道ヶ原、綿向山。




稜線の巡視路 J



下界の眺め J
愛知川が右へと流れています。麓に鉄塔からの電線が集まる東近江開閉所が
見えています。なお、下りは、いま右に見えている稜線をたどりました。




御池岳方面 J
御池岳は残念ながら雲がかかっていました。右の紅白の鉄塔は巨大で、下界からでもはっきりとわかります。



白鹿背山の山頂三角点 K
ここは茂みの中で眺望はありませんが、少し移動すると、鉄塔下から素晴らしい眺望が開けます。



白鹿背山頂東の鉄塔下Lからの眺望


銚子ヶ口1077m(左)とイブネ1160m



雨乞岳 1238m(後方)と水谷岳(カクレグラ)990m



綿向山 1110m



天狗堂 988m



762m峰
アカイシの南にある無名峰



霊仙山 1098m
少し手前に、鍋尻山(左)と高室山(中央)



伊吹山 1377m



金糞岳 1317m





鉄塔の尾根を下る M
先ほど見えていた尾根を下って、鉄塔の足元へ来ました。近江盆地の山々が近づいていました。
左から、箕作山、繖山、後方に奥島山。さらに琵琶湖を隔てて比良連山。




林道出合 N
白鹿背山から西に降りると、鉄塔監視路を通って、ここで林道に出てきます。



東近江開閉所
巨大な変電所です。この横をすり抜けて、明神山の登山口に戻りました。



Map

この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(百済寺)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。

山行記録:日時−2002年9月1日、天候−晴れ。12:00 東近江市愛東外町、石仏前の登山口発、12:40 反射板の草原、13:20 明神山頂着。13:30 明神山頂発、14:45 白鹿背山頂着。15:40 白鹿背山頂発、16:30 林道出合、17:05 外町、石仏前の登山口着。

 風の強い、いいお天気の土曜日、出発が遅れたので少し急いで八日市を抜け、R307を右折して愛知川右岸を車で上っていきました。左手にはこれから登る白鹿背山が立派に見えていました。でも、明神山の方はたくさんあるこぶの一つといった感じでした。それに送電線の鉄塔がやたらと目に付く山といった印象でした。やがて百済寺と永源寺を結ぶ県道に出て、永源寺方面に向かい、旧愛東−永源寺町の境界手前すぐの道を左折します。このあたりは「外」という地名なのですが、愛東外と書くと、なんのことだかわかりませんね^^。道なりに行くと、左に広場が、右に三体のお地蔵様のあるところに出ます。
 ここが登山口で、広場に車をとめさせていただき、お地蔵様に挨拶してからその前の林道を歩き始めます。やがてテープの付いた小径を左にとると、雑木林の中の本格的な山道になります。このあたりから、コガネグモの巣も本格的になってきて、巣を払ってる時間の方が登ってる時間より長いぐらいになってきました。やがて植林帯に入り、まだ若木の草原に出ます。少し行くと左手に白い反射板がでてきます。その囲いの少し右に、登山道はあります。このあたり少し道を探さなければなりません。もう少し登ると、次の台地状の草原に出て正面に明神山頂が見えます。あとはまっすぐに山頂に向かっていきますが、傾斜はきつくなってきます。あえぎながら登ると、赤い鳥居が現れ、山頂はもうすぐです。山頂には八大龍王の祠と小さな鳥居のある石の祠が祀られていました。祠の裏が稜線です。木の隙間から、日本コバが見え隠れしていました。
 あまりの暑さに耐えかねて、ここでビールを飲んで、いい気分で稜線を白鹿背山に向かいます。クモの巣は相変わらず要注意でした。急な坂を登りきると、小ピーク(ここらが、おそらく明神山の最高点・707m)の下りで左手からの鉄塔監視路と出合い、稜線上の道は急に整備された感じになります。やがて大きな鉄塔の下に出て、そこからは今越えてきた明神山と綿向山方面がよく見えました。やがて、第二、第三の鉄塔下を通過しますが、そのたびごとに少し眺望の範囲が違うので、飽きません。御池岳西の茶野と鈴ヶ岳の間、そして鞍掛峠につながる、ダブルの鉄塔もくぐります。やがて小さなピーク上に三角点があり、白鹿背山頂と気づきます。ここは眺望は全くありません。
 さらに稜線を道なりにゆくと、やがて右(東)方向にまわりこみ、先ほどのダブルの鉄塔の一つ東側の鉄塔下に達します。この稜線はやがて日本コバに達する稜線です。眺望はここがベストでした。上の山頂からの眺望は、すべてここからのものです。北には押立山から東に延びる稜線、それ越しに金糞岳〜伊吹山。その右には霊仙山。さらにその右には雲をかぶった御池岳、その手前にサンヤリ〜天狗堂。さらにその右には、銚子ヶ口、イブネ、雨乞岳、水谷岳、綿向山、竜王山。
 下山は、もう一度白鹿背山頂に戻り、三角点から南方向についた踏み跡をたどります。やがて監視路となり、いくつかの鉄塔の下をくぐりながら下っていきます。鹿笛が聞こえました。50分ほどで林道に出ました。林道にはサルの群が遊んでいました。やがて巨大な鉄の檻が出てきます。東近江開閉所です。たくさんの高圧線は、ここに集まってきています。もう半時間ほど歩くと、駐車地に着きました。


PS 9月中旬から、松茸の季節には登山禁止となりますのでご注意ください。


周囲からの白鹿背山・明神山滋賀の山・山姿写真集より。詳細データはそちらをご覧下さい。)


八日市市池田からの白鹿背山
なかなか立派な山容です。下山は、右手の鉄塔のある尾根に沿って。



八日市市愛東外町からの明神山



上中野からの白鹿背山
東近江市上中野から。