御池林道から土倉岳   Mt. Hazekuradake from Oike forest road

 土倉岳(はぜくらだけ・1049m)は、御池岳の南東にあり、御池岳にへばりつくような目立たない山です。でも、この山から南西に延びる稜線は、御池川と茶屋川水系を隔てる稜線で、二本の高圧電線を乗せながら延々と続き、ヒキノ、旭山と続き、最後は黄和田の岳に達しています。GWの晴れた日、御池林道からノタノ坂を登ってこの稜線にあがり、北に向かって土倉を目指しました。稜線上はまだ春先の雰囲気で、新緑が美しく、ほんとうに気持ちのいい歩きでした。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています

山頂からの眺望へ
ルートマップへ

山行写真
撮影日:2007/5/4 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax *istDS2、レンズ: SMC Pentax DA18-55mm F3.5



御池林道わきの駐車地で @
御池林道を君ヶ畑からミノガ峠方面に約3km、小又谷を渡る前に左手にこの駐車地があります。先客が既に
車やバイクを止められていました。前の山は、御池岳から派生するT字尾根の南側の末端です。ここの標高は約510m。




小又谷林道の入り口 @



小又谷を越える A
小又谷林道は未舗装の林道です。途中、地図で見ると小又谷を越えていたので橋があると思いきや、こういう越え方でした。



林道分岐 B
ここで林道と別れて(上)、赤い橋で小又谷を渡り(下)、小さい谷沿いに登ります。上の白い指示票には「ノタノ坂、茨川」と書かれています。



ノタノ坂の登り C
ノタノ坂はかつて君ヶ畑と茨川を結ぶ生活道だったようです。ほとんど枯れた小さな沢に沿って登ります。



ノタノ坂、峠 D
やがて峠に出ます。標高は730mです。



藤原岳 E
ノタノ坂の峠から稜線の左側をしばらく登っていくと、やがて第1の鉄塔下に出ます。L193鉄塔です。
ここからは右前方に藤原岳が素晴らしいです。左から、冷川谷の頭(鉄塔の後ろ)、天狗岩、ひとつおいて展望丘。



御池岳・奥の平と土倉岳 E
おなじくL193より御池岳テーブルランド南東端の奥の平の岩場。見えにくいですが、その左手前の茶色い稜線の最高点が土倉岳です。



銚子岳と静ヶ岳 F
さらに登ると、第2の鉄塔L194が現れます。その足もとから。中央が銚子岳、右に静ヶ岳。その後方は竜ヶ岳の稜線です。



天狗堂 F
反対側には天狗堂。手前の尾根はT字尾根。



稜線上の道 F−G間
新緑の明るい、気持のいい稜線が続きます。



土倉岳 F−G間
バックの御池テーブルランドが雲で陰ったので輪郭が見えました。中央が山頂です。
この時期は杉植林(緑)と二次林(茶色)の差が激しいです。




ヒキノ G
南西の眺望です。中央がヒキノです。その左には銚子ヶ口、不老堂、黒尾山、岳などが、右には東山、日本コバなどが望めます。



クロモジ G−H間
新緑の木に、黄色い花がついていました。クロモジの花です。葉が出るより先に花が咲くので、よく目立ちます。



近づく土倉岳 G−H間
ようやく、山頂のバックがテーブルランドから外れ、山らしく見えてきました。



稜線の屈曲部 H
Hで、この稜線は大きく左に曲がります。右に行くと、鉄塔沿いに真の谷に下る巡視路が続いています。



ブナ立つ尾根 H−I間
標高も1000mに近づき、稜線の木は芽吹き前となりました。ひときわ目立つ大きなブナ。



河倉峠 I
木に刻印があるのでそれとわかりますが、特に峠という雰囲気ではありません。いったいどういう人たちがここを越えていたのでしょう?



土倉岳・山頂三角点 J
山頂の三角点です。標高1049.4m。





山頂の北側、奥の平との鞍部からの眺望



奥の平との鞍部から、奥の平 K
山頂は残念ながら眺望はないので、少し奥の平のほうへ稜線を下りますと、素晴らしい場所Kに出ます。正面には奥の平の岩場が手に取るように・・・。



ボタンブチ K
荒々しい岩場は、御池岳・ボタンブチです。



ボタンブチ・さらに望遠 K
さらに望遠レンズで覗いてみると、ボタンブチの上に立っている人が見えました。。



冷川谷の頭 K
二本の鉄塔のその先は、冷川谷の頭を越えて三重県側へ。



藤原岳 K
ここからの天狗岩(左)と展望丘(右)です。下は茶屋川上流・真の谷。





マムシもひなたぼっこ K
のんびり弁当とビールで楽しんでいましたが、近所にはマムシも遊びに来ていました。



山行記録:日時−2007年5月4日、天候−晴れ。10:20 御池林道わきの空き地@に駐車後、10:35 林道分岐B、11:10 ノタノ坂の峠D、11:25 第1の鉄塔L193E、11:50第2の鉄塔L194F、12:30 稜線の屈曲部H、12:45 河倉峠I、12:50 土倉岳・山頂三角点J、12:55〜13:35 鞍部Kで昼食、その後帰途。13:55 稜線の屈曲部H、14:50 ノタノ坂の峠D、15:10 林道分岐B、15:25 駐車地@着。

 GWの快晴の日、巷では行楽地への車の列が続いていても、一歩鈴鹿の山に入れば、相変わらず人に会うのは稀です。それでも、この日は2台の先客がありました。まずはT字尾根の末端を眺めながら林道をのんびり歩けば、15分ほどでノタノ坂の入口Bです。赤い鉄の橋を渡れば廃小屋が一軒、道に向って崩れてきていました。ちょっと邪魔という感じで、乗り越えると、小沢沿いの細道となります。今では登山客以外はほとんど歩いていないようですが、かつては茨川の人々が君ヶ畑へ用事や買い出しに行くのに使っていたのでしょうか?でも、今ではあまりその雰囲気は残っていません。どちらかというと、現在は鉄塔巡視路の趣のほうが強くなってきています。最後にジグザグの急登を終えると、ノタノ坂の峠です。茨川への道を見送って、しばらく尾根の左山腹を登ります。ぱっと目の前が開けたかと思うと、鉄塔L193Eです。ここからの眺めのお勧めは何と言っても藤原岳の雄姿です。天狗岩の下に連なる荒々しい岩群を望むことができます。また左手には、目指す土倉岳と、その上にこれも荒々しい奥の平・東斜面の岩群が見えてきます。もう一つ上の鉄塔L194Fの下からは、茶屋川をはさんで銚子岳と静ヶ岳がきれいです。また、反対側は御池川をはさんで、天狗堂が見事です。やはりこの鉄塔尾根は、眺望の尾根です。こうして眺望を楽しみながら徐々に標高を上げていくと、やがて尾根を左に外れて、標高930mほどの峰を巻きます。次の登りで、稜線の屈曲部Hに着きます。ここは尾根の分岐点でもあり、巡視路は右に分かれていきます。標高も1000mに近づき、稜線の木は芽吹き前となりました。ひときわ目立つ大きなブナが迎えてくれました。ここからも、雰囲気のいい稜線上をゆっくりと登っていきます。やがて河倉峠Iを経て、土倉岳の山頂に達します。少し北に歩くと、奥の平との鞍部に出ますが、ここは大きな木がなく、草原のようになっています。ここからの御池岳・奥の平やボタンブチの光景は、素晴らしいの一語に尽きます。御池を見る展望台としては、最高の場所かもしれません。お弁当にもいい場所でした。でも、マムシ君にはちょっと注意ですね。奥の平が、登っておいでと、呼んでましたが、この日はこのまま引き返しました。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(竜ヶ岳)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。