日本コバ(藤川谷ルート往復) Mt. Nihon-Koba 

 鈴鹿山脈に源を発する愛知川が、鈴鹿山脈から平野に抜け去る直前にある永源寺ダム。そのダムと湖東平野を隔てる山々の中の最高峰が日本コバ934mです。ダムから見るとその異様なほど山頂部の平たい形が、逆に印象的です。当然、鈴鹿の主稜線からは西へ遠く離れているため、登山者は少なく、静かな山旅が楽しめますが、多少のブッシュやクモの巣は覚悟です。今回は、藤川谷道を登り、同じルートで下ってきました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。



ルートマップへ


山行写真
撮影日:2001/9/23 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー:Pentax KX、レンズ:Tefnon Zoom 28-105mmF3.5


蓼畑(如来堂)の登山口 @
国道421号線を石榑峠方面に進み、永源寺ダムを過ぎると、
左に政所方面への分岐があります。それを曲がるとすぐこの階段があります。




ススキの道 A
藤川谷を遡る道。秋、ススキがはびこり、コガネグモが巣を張っています。この時期、軍手と棒は必携です。



山頂の一角 B
藤川谷を登っていくと、正面に山頂の一角が見えてきますが、登山道は直登せず、右に大きく回り込んでいきます。



岳と不老堂・割山 C
少し眺望が開ける場所があり、正面に岳、右に割山(左)と不老堂の姿が見えます。



ミカエリソウ
秋のピンクの花です。下から順に咲きます。



藤川谷を渡る D
三回目に渡るポイントです。



岩屋の岩場 E
炭焼き小屋跡を過ぎると、突然石灰岩の岩場に飛び出します。この上には
「奇人の窟」と呼ばれる古代人の住居跡の岩屋があります。詳しくはこちらへ。



岩屋からの静ヶ岳と竜ヶ岳 E
岩屋からの絶景です。左が静ヶ岳1089m、右が竜ヶ岳1100m、その右に石榑(いしぐれ)峠。左端は銚子岳。



クモの巣
山頂部にはいるとさすがにコガネグモの巣は無くなりますが、このような小さな巣は登山道にいっぱいありました。
最初は棒で取っていましたが、だんだんと面倒になり、帽子で切って歩くことに。




山頂 F
標高934mの山頂です。三角点の周りは小さな広場となっています。
眺望はあまりありませんが、松の木に登ると下のように綿向、雨乞、銚子ヶ口などが望めます。



山行記録:日時−2001年9月23日、天候−晴れ。9:30 蓼畑(如来堂)登山口@発、11:50 日本コバ山頂F着。12:30 山頂発、14:10 蓼畑(如来堂)@着。

(2001年の情報です。今はすこし変わっていますのでご注意を!)藤川谷の道は、最初非常に良く踏まれてしっかりしているのですが、これはすぐ先の神社までで、その後は、なかなかワイルドな道が続きます。9月下旬はススキとクモの巣が手強い相手でした。踏み跡と時折あるテープを頼りに、高度をかせいでいきます。最初西に向かっていた谷は徐々に北向きに変わって、やがて流れを右に渡ってD炭焼釜跡を過ぎると、岩場に飛び出します。これを急登すると「岩屋」E。振り向けば静ヶ岳と竜ヶ岳が仲良く並んでいます。傾斜は緩くなり、馬酔木の林を行くと、右手から政所からの道も合流し、湿原に入っていきます。傾斜は益々緩くなり、尾根なのかそうでないのかよくわからない状態です。山頂部は台地状になっており、上に行くほどなだらかという、この山の個性が感じられます。そうしているうちにやがて木の切り開かれた山頂Fに導かれます。この日は好天の祝日(秋分の日)にもかかわらず、山で出会った登山者は2組、4人のみ。そんな静けさの山です。


MAP



この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(日野東部、百済寺)をベースに作成いたしました。