霊仙山の西に拡がる山塊は芹川の南の近江カルストと同様にカルスト台地で、標高700mを越えるものはなく、結構地味なイメージの山々ばかりです。しかし、霊仙山の山頂から見下したら何もないその広大さに驚いてしまいます。実際、集落の大半は廃村になってしまい、民家も広い道もほとんどありません。登山道もあまり整備されてはいませんが、送電線の巡視路を使ったりしてあちこちの山頂を踏むことができます。今回は男鬼集落を起点に、南の比婆之山、西のイワス、北の男鬼山の三山を歩いてきました。
山行写真
撮影日:2002/10/27 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5
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山行記録:日時−2002年10月27日、天候−晴れ。10:00 男鬼集落に駐車して出発、10:07 鳥居前、10:45 比婆神社本殿に参拝、10:57 比婆之山・山頂着。11:30 比婆之山・山頂発、11:43 鉄塔下、12:00 堰堤、12:14 イワス山頂着、13:00 イワス山頂発、13:30 イワス鉱山跡下部、14:00 峠、14:07 男鬼山取り付き、15:04 男鬼山・山頂、16:46 男鬼集落着。
小春日和を予想していた天気予報が珍しく大当たりで、ぽかぽかと暖かい日差しの下、男鬼集落を出発しました。比婆神社には舗装された車道の参道を登りました。旧参道は入り口がよくわかりません。20分も上がると、霊仙の姿が素晴らしいポイントがあります。さらに20分ほど登ると比婆神社の駐車場で車道は終点。この日、車で結構遠方からお参りに来ておられる方がいました。比婆神社は大きな岩の下に本殿があり、周囲には大杉が立っています。駐車場に戻って山頂への入口を探しました。だいたい尾根の延長より少し東に、笹の切れた部分があって、そこから入ってみると、踏み跡がありました。テープも時々ありました。やがて、少し濃い藪を登りながら抜ければ、山頂のすぐ脇に飛び出しました。植林と雑木林の境目です。さて、ここから真西に下りなければなりませんが、全く道がなさそうだったので、少し南に出てみました。そうすると、東からの尾根道が交わる地点があり、その延長線が右に下っていました。これかな?と、下っていくと、なかなか急な下りですが、テープもあり、ずいぶんと下ってしまいました。しかし、方角がどうも南に振りすぎているのに気づき、それが甲頭倉へのルートであることがわかりました。ため息ついて山頂まで戻ってきました。
こんどは、山頂から道はありませんでしたがとにかく真西に下りてみました。そしたら、踏み跡がみつかり、それが少しずつはっきりとしてきました。やがてきれいな尾根に乗れました。これが、イワスへのルートでした。気持ちのいい尾根道を進んでいくと、目の前に赤いものが見えてきます。紅葉には少し早いなぁと思っていると、それは赤白まだらの鉄塔でした。この山塊を南北に走る大きな送電線で、地図によると、白鹿背山の西の東近江開閉所から、白鹿背山、角井峠、アカイシ、杉坂山を通っているものでした。この鉄塔から見た男鬼山、伊吹山の写真は上にあります。ここからは巡視路になるので非常に歩きやすい道です。その先のピークで三叉路となり、右から上がってくる道が合流します。これも巡視路で、男鬼の峠の少し集落寄りから上がってくるもののようです。ここで左折し、少し下ると、写真の謎の堰堤です。少し登り直せば草原状になり、その先で突然視界がパッと開けます。イワスの鉱山跡の断崖の上に出たのです。下を見れば身震いするほど。その縁っこを登っていくと、やがてイワスの山頂です。このあたりはイバラが多くて、歩きづらい場所でした。ここで、食事休憩。暖かいし、景色もいいし、ここで飲むビールはおいしかったです。イワスからの眺望は上の写真にいっぱい載せましたので、そちらをご覧ください。
さて、イワスからの下り、とりあえず80m下の広場まで下りるわけですが、尾根を南下して廃屋を右に下ったところは、かなりの藪がはびこった難路でした。なんとか古い車道を見つけて下っていきましたが、それでも木が既にいっぱい茂っていてなかなか大変でした。断崖が緩くなった地点から断崖脇を下りた方が賢明のようです。ここからは未舗装の林道を下り、車道に合流して、峠に着きます。右斜め下に下りる旧道が男鬼集落への道ですが、左上への新しい林道を行きます。途中までは舗装されたきれいすぎる林道です。尾根の突端のU字カーブの手前を左に階段で上がる巡視路が、男鬼山への取り付きです。稜線に乗れば、北へ北へと登ります。途中鉄塔も二箇所あります。二つ目の鉄塔から右折(東)し、ほんの少し下って鞍部に下り、登り直せば男鬼山の山頂です。ただし、鞍部あたりは杉の切り倒しがいっぱいで、歩きづらさはピカイチでした。何度倒された杉の木を越えたことか。。。男鬼山への登りは特に踏み跡などはありませんが、とにかく上へ上へと登ればやがて着きます。山頂はテープと小さな看板があり、ようやくそれと気づく場所です。