鈴鹿北部を横断する国道306号線の鞍掛峠。その南には、鈴鹿の最高峰・御池岳や藤原岳といった有名どころが並んでいますが、峠の北は標高900m級のこの2峰が地味ながら、いい味だして並んでいます。今回は百々女鬼(どどめき)林道奥と鞍掛峠に配車して両峰を登りました。三国岳周辺のカタクリと焼尾山のイワウチワの大群落は、なかなか素晴らしいものでした。なお、この三国岳は、近江・美濃・伊勢の三国の境で、現在でも、滋賀・岐阜・三重の三県の接するところです。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。
山行写真
撮影日:2003/4/19 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5
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山行記録:日時−2003年4月19日、天候−曇りのち雨。10:00 多賀大社近くに集合、その後一台を鞍掛トンネル西口に駐車後、もう一台で百々女鬼林道をあがり、一番奥@に駐車。10:50 登山口@発、11:35 三国西尾根の三叉路A、11:45 鉄塔下B着。昼食。12:10 鉄塔下発、12:20 県境稜線出合C、12:40 三国岳山頂D着。13:00 山頂発、13:10 三国岳最高峰E、13:20 篠立鞍掛峠G、14:00 焼尾山分岐H、14:10 焼尾山山頂I、14:30 鞍掛峠、14:45 鞍掛トンネル西口着。(3人)
どうも、この春はお天気が安定せず、曇り・雨がちの日が多かったので、この日も雨を覚悟で三国と焼尾を目指しました。三国岳は、岐阜県上石津町の時山から入るコースが一般的ですが、滋賀県人にとっては、そこまで行くのがなかなか大変なので、今回は百々女鬼*(どどめき)林道奥から登ることにしました。国道306号線、大君ヶ畑を過ぎて百々女鬼橋で左折。林道は、結構荒れていて、大きな石ころや水たまりも多く、「きれいな」車は入らない方が無難です。でも歩くとなかなか遠そうです。林道を行くとやがて三叉路に出ますが、ここは右折。左折すると材木谷方面です。鳴川谷に入り、最後に小さな橋を渡って、プレハブの廃屋のある広場に着きます。ここに車をとめ、いよいよ登りにつきます。入り口は上の写真にもあるように、白い札と赤い「山火事注意」が目印です。入ってすぐに苔むした丸木橋があります。凄く滑るので、丸太の上は歩かない方が無難です。登りはまずまずの傾斜です。尾根でも谷でもない山腹を、ターンしながら登っていきます。なおこの道は夏場は山蛭のメッカです。吸われないようにしましょう。45分ほどで、稜線に出ました。三国岳三角点峰から西に出ている尾根です。なお、エアリアマップ**では、谷から真南にいって、早めに稜線に出るルートとなっていますが、実際には南西に登り、かなり東寄りの稜線上の鞍部に出るルートです。三叉路から10分ほど東に向かうと、送電線の鉄塔下に出ます。見晴らしが最高なので、ここでビール&お昼にしました。
ここからの眺めは、上の写真の通りですが、ほかにも、茶野、大見晴も見えます。大見晴〜茶野〜鈴ヶ岳〜御池岳の長い稜線が手に取るように見え、なかなかすばらしいものです。しかし、このころ予想通り雨がぽつりぽつりと降り始めてきました。鉄塔から10分ほど、三国岳三角点峰の左を巻く道で、県境の主稜線に出ます。主稜線を南下し始めると、まもなく三角点峰への登り口があります。しかし、天気が悪いので今回はパスし、山頂へと登っていきました。15分ほどで「山頂」に着きました。そこからはあまり傾斜のない稜線を南下し、少し登り直すと911mの最高峰です。ここからはかなり急な下り。鞍部に向かって急降下しますが、その足下にときおり、カタクリの可憐な花が現れ始めました。おそらく七分咲き程度で、もう少したてば満開でしょう。天気が悪いので、閉じ気味の花が多い中、なんとかよく開いているのを見つけてフィルムに収めました。さらに下ると、かつて篠立鞍掛峠と呼ばれた鞍部に着きます。ここからは焼尾山の登りです。今下った以上に登らなければならないってことに少しうなだれながら登っていきました。北斜面なので、カタクリは蕾のものが多くなりました。いくつか小ピークを越えると、ようやく焼尾山分岐。焼尾山は主稜線から少し三重県側にずれて山頂があるためです。分岐を東に向かうと、イワウチワの大群生が迎えてくれました。雨の中とはいえ、一見の価値がありました。あたりが花で白くなるほどでした。山頂からは雨も本降り。分岐に戻り、急な坂を急ぎ足で下ると、お地蔵様のある鞍掛峠。右に降りて植林の中を15分ほど下ると、朝、車を置いたトンネル西口です。
*「百々目鬼」は腕に目がいっぱいある妖怪の名前。女の妖怪なので「女鬼」と転じたそうです。それにしても恐ろしい名前ですね。百々女鬼林道は、百々女鬼谷をかすめるようにしか通っていませんが、なぜかこの谷の名前が付いています。
**昭文社エアリアマップ、「霊仙・伊吹・藤原」2001年版。
MAP
この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(篠立)をベースに作成いたしました。
写真の番号は地図の番号と対応しています。
周囲からの三国岳・焼尾山 (滋賀の山・山姿写真集より。詳細データはそちらをご覧下さい。)