三子山と四方草山   Mt. Mitsugo & Mt. Shioso

鈴鹿南部、鈴鹿峠のわずかに北東側にある三子山568mと四方草山667m。標高はあまり高くないのですが、いずれもなかなかの個性派です。三子山はその名の通り、3つのよく似た丸い峰が並んでいて、下から見上げるとすごくかわいらしい山です。江戸時代の東海道でも人気のランドマークだったそうです。四方草山は、一転荒々しい山容で、稜線を行くと、岩場やキレットがあちこちにあります。地図によっては、「塩層山」なんて漢字で書かれている場合もあります。いずれも、訪れる人はあまり多くないようです。


山行写真
撮影日:2002/11/4 (一部は2002/1/19ほか)Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5、Threekor 200mmF4.5


鈴鹿峠
鈴鹿峠の滋賀県側、国道1号線のトンネルの口の上に昔、旅人を見守ってきた万人講常夜燈(灯籠)があります。



大茶園
鈴鹿峠の名物です。



鈴鹿峠の登山口
この道は旧東海道です。ちょうど県境のあたりで、滋賀県側から三重県側を、見ています。
左手のお茶畑の向こう側を左にはいると、三子山、四方草山方面です。高畑山にはもう少しまっすぐ行った先を右に折れます。




東海自然歩道
鈴鹿峠からしばらくは、よく整備された東海自然歩道を歩きます。



東海自然歩道分岐
東海自然歩道はここで県境の稜線から滋賀県側(手前方向)に下りていきます。
左手、三子山に向かう稜線の道は急に狭くなります。



稜線の笹の道
でも、踏み跡ははっきりしているので心配はありません。



鉄塔下の切り開きから〜御所平とベンケイ
分岐後すぐの鉄塔下からは、鈴鹿南部の峰々がきれいです。遠方が御所平850m、左の丸い峰がベンケイ762m。




鉄塔下の切り開きから〜能登ヶ峰と雨乞岳
中央に大きく能登ヶ峰760m、右遠方が雨乞岳1238m。




鉄塔下の切り開きから〜四方草山
中央奥がめざす四方草山667m。その右の鋭峰は四方草山の南峰。左手前の丸い峰は三子山北峰(T峰)。




三子山南峰の登り
鉄塔から少し下ると、南峰(V峰)の登り。




三子山南峰の磐座
南峰(V峰)山頂の少し奥手に、しめ縄の巻かれた御神体の磐座があります。




三子山北峰山頂
標高568mの狭い北峰(T峰)山頂。左に出ると、眺望があります。




三子山北峰山頂からの西山
鉄塔の向かっている先のピークが西山722m。白い建物はイースタンリゾート滋賀。200mm望遠。



三子山北峰山頂からの綿向山
ここからの綿向山はいつ見ても素晴らしいです。左手に水無山、右手にイハイガ岳、手前には奥草山。

前日はあの頂に立ってこっちを眺めていました。200mm望遠。



三子山北峰山頂からの四方草山
ずいぶんと近づきました。キレットも見えてきました。




三子山北峰山頂からの急降下
北に下る道はかなりの急勾配。木を掴んで下らないと、よく滑りました。写真ではあまり感じが出ていませんが・・・・



三子山と四方草山の鞍部
三子山と四方草山の間で、県境の主稜線が最も落ち込むところです。標高は約425m。ここから四方草山へは240m程の登りです。



三子山を振り返る
四方草山の登りにはいると、最初は鹿よけフェンスのあるススキの原を登ります。振り返ると、三子山。
中央が北峰(T峰)、左に中峰(U峰)です。南峰(V峰)は隠れていて、見えません。


やせ尾根
やがて尾根がやせてきます。右の写真の岩場には、見えにくいですが固定ロープがあります。滑落注意です。



キレット
とうとう稜線上は進めなくなります。でも、右手(三重県側)に迂回路があるので問題なしです。
四方草山の南峰がすぐ上に見えています。



紅葉
四方草山南峰山頂近くで、一本だけみごとに紅葉していました。



四方草山、山頂
三角点のある標高667mの山頂です。ちょっとだけ、広場になっていますが、眺望は全くありません。


四方草山・山頂の少し北の見晴台からの眺望


高畑山
山頂の少し北に、眺望の開けたところがあります。南を見れば、越えてきた三子山の上に、高畑山773mの双耳峰。
その左には、那須ヶ原山800mの姿も。



三子山
中央が三子山北峰(T峰)、左に中峰(U峰)。なお、南峰(V峰)は中峰に隠れていて、見えません。手前の鉄塔は、前の方の写真を撮ったところです。



雨乞岳とベンケイ
遠方が雨乞岳1238m。手前の丸い峰がベンケイ762m。200mm望遠。




鎌ヶ岳と仙ヶ岳
仙ヶ岳961mの双耳峰と左に鎌ヶ岳1161mの山頂部。手前は臼杵ヶ岳697m。200mm望遠。



明星ヶ岳
坂下へ下る尾根から東に目をやると、伊勢湾と明星ヶ岳565mの秀麗な姿。




山行記録:日時−2002年11月4日、天候−晴れ、ただし強風。10:45 鈴鹿峠の駐車地発、11:00 東海自然歩道分岐・鉄塔、11:07 三子山南峰(V峰)山頂、11:17 三子山中峰(U峰)山頂、11:27 三子山北峰(T峰)山頂、11:45 三子山−四方草山鞍部、12:25 四方草山南峰山頂、12:35 四方草山山頂着、昼食。13:00 山頂発、13:05-20 山頂北の見晴台で撮影、その後三重県側の巻き道で戻るが、坂下分岐を坂下側にとってしまい、かなり降りてから気づく。その後三子山中峰でコーヒー休憩をとって、15:15 鈴鹿峠駐車地着。

天気はいいものの、気圧配置は冬型となり、北西から強風が吹きつける日でした。前日、綿向山、水無山を歩いてきたので、ちょっと朝寝坊し、鈴鹿峠に着いたのは、11時前でした。三子山までは前にも一度来ていました。今回はさらに四方草山を目指します。東海自然歩道はあいかわらずいい道でしたが、二箇所ほど倒木がありました。分岐の鉄塔下では、西〜北西がきれいでした。ここからは登って下るを、3回繰り返して、三子山を越えます。峰から峰の間はほぼ10分といったところです。南峰と中峰からは眺望は全くありませんが、一番高い北峰からは、山頂の少し西寄りから、南〜西〜北がきれいです。南に目立つのは、高畑山。ツインピークです。ツインピークといえば、北の仙ヶ岳もよく見え、その左には鎌ヶ岳の鋭峰が、頭だけ覗かせています。その左には雨乞岳が雄大ですが、ここからなんといっても素晴らしいのが、上でも紹介した綿向山です。他の場所から見るのと雰囲気が違い、近寄りがたい高貴な山のように感じます。さて、三子山北峰からの下りはかなり急で、枯れ葉と一緒に滑っていきそうです。やがて四方草山との鞍部にたどり着きます。踏み跡があやしいところもありますが、基本的に尾根道なので、大きく迷うことはありません。登りにかかると、しばらくはススキの原、やがて雑木林の尾根道となり、尾根がだんだんとやせてくるのがわかります。そして、岩場が出てきます。固定ロープなどもあり、慎重に歩けば通常は特に危険ではありません。ただこの日は風が強く、稜線上はバランスをよくとられました。キレットは無理をせずに、三重県側に少し降りて、巻き道を利用します。再び尾根に出て急登すると、四方草山の南峰山頂に着きます。ここは、三子山などから見るとよく尖っていた峰です。一旦少し下り、緩やかな尾根を行くとやがて三角点のある四方草山の山頂に着きます。先客が二名いらっしゃいましたが、今回の山行でお会いしたのはこの方々だけでした。数十名はいた前日の綿向山の山頂とは同じ鈴鹿とは思えないほどです。山頂はちょっとした広場になっていますが、眺望は全くありません。山頂の五分ほど北には眺望の良いところがあります。ここでゆっくりと休憩した方がよかったと後で思いました。帰りは山頂に戻らず、三重県側の巻き道をとりました。なかなかいい道で、歩が進みましたが、調子に乗って歩きすぎたのか、キレットの先で稜線に戻るべきところを通り過ぎてしまい、気づけば主稜線を離れて坂下に向かって下っていました。でもここからの明星ヶ岳は上の写真の通り非常にいい形でした。ちょっと得した気分。もう一度登り直し、キレットの少し南で主稜線に出て、あとは、登ってきた道を戻るだけです。


周囲からの三子山、四方草山(滋賀の山・山姿写真集より抜粋。詳細データはそちらをご覧下さい。)


土山からの四方草山と三子山



綿向山からの四方草山と三子山