経塚山   Mt. Kyozuka

 経塚山623mは、鈴鹿最南部の中でも、旗山、仏ヶ平とともに、最も南に位置する峰です。この山にはよく踏まれた登山道はありません。特に、西へ延びる尾根上のルートは、入口を見つけることもできませんでした。今回は、北の尾根からのルートをとりましたが、尾根に乗るまでは藪こぎも少々ありました。また、その後も完全に尾根伝いではなく、途中でいったん沢に下りました。山頂の南には、名前の由来となった「経塚」がありました。この山の南西斜面は、惨めにも採石のため、崩されています。なお、今回下りには、この採石場を通ってきましたが、作業中でしたら危険過ぎて通過できませんので、ご注意ください。写真の後ろの番号は、MAPの番号と対応しています。

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山行写真
撮影日:2007/4/30 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax *istDS2、レンズ: SMC Pentax DA18-55mm F3.5


不動の滝手前の林道終点 @
この駐車場まで、車で来ることができます。この林道は旧国道25号線の加太(かぶと)越えの少し東が入口です。



加太不動滝 A
入口から5分ほどで、不動滝が現れます。



自然歩道入り口 @
再び駐車地に戻り、滝の入り口と反対側の道を登っていきます。これは、東海自然歩道の一部です。



自然歩道 B
左岸の少し高いところを上流に向かいます。さすがに、東海自然歩道で、よく整備されています。



タニギキョウ B−C間
脇に、タニギキョウが可憐に咲いていました。



谷に出る C
やがて、橋の手前で谷に下りられます。ここで、昼食としました。



自然歩道分岐 D
すぐその先で、東海自然歩道と別れて、小沢沿いに右へ入りました。



尾根取りつき E
しばらく谷に沿って歩きましたが、倒木多く、とりあえず左手の小尾根に取りついてみました。
木の根を掴んで、藪の中を無理やり高所へ。紫のビニールひもが見えています。




シキミ E−F間
藪の中に、シキミ(樒)が咲いていました。



経塚山 E−F間
藪の隙間から、めざす経塚山です。



烏山
その右には、烏山717mです。



稜線に出る F
Fあたりで、藪こぎも終わり、やっと尾根らしくなってきました。



南向きの尾根 G
小ピークを越えて、経塚山から北に延びる尾根に乗りました。



経塚山 G
このあたりからの経塚山。なかなか、いい形です。



東西向きの尾根に乗る H
Gから、いったん沢に下り、今度は経塚山の山頂北から東に延びる尾根に乗って山頂を目指しました。



山頂の手前 I
もともとの尾根とも合流し、いよいよ山頂が近付いてきました。



経塚山・山頂 J
やがて、三角点のある山頂です。植林に囲まれ、眺望はありません。



経塚 K
三角点の、少し南に、「経塚」がありました。位牌や卒塔婆は新しく、どなたかお参りに来られたようです。



経塚の南 K
そのすぐ南は、南方が開けていました。これは採石が、山頂近くまで進んできたためです。遠方には伊賀の霊山。



烏山 L
重機がならした痕を西に歩き、西へ下る尾根の入り口を探しましたが、切り倒された木が塞ぎ、
まったく解らなくなってしまっていました。あまり時間もないし、やむを得ず採石場を下ることにしました。
Lあたりからは、烏山、三国岳、那須ヶ原山が見えました。




倉部山、忍者岳、三国岳 L
中央遠方の2つの烏帽子状の峰が三国岳700mです。その左手に忍者岳、さらに左手前に倉部山。



那須ヶ原山 L
最南部の盟主・那須ヶ原山800mです。



採石場を下る M
伊賀の山々を眺めながら、採石場を下って行きました。この日は作業がなかったので下れましたが、作業をしていれば危険につき、無理でしょう。



採石場の入口より N
旧国道まで下りました。見返す経塚山です。無残、の一語に尽きます。
北から見たときの秀麗なイメージはまったく消えてしまっています。




山行記録:日時−2007年4月30日、天候−晴れ。県道4号線を通って、柘植から旧国道25号線に入り、加太不動滝前の駐車場に着いたのはお昼過ぎ。滝見物を終えて、歩き始めたのは13:15ごろでした。
13:15 駐車場@発、 歩き始める。13:45-14:00 河原Cで昼食、14:05 東海自然歩道分岐D、14:10 尾根取り付きE、14:40 F-G間の小ピーク、15:45 経塚山・山頂J着。15:55 山頂出発、16:10 L、16:40 採石場の入口N、16:55 駐車場@着。

いいお天気の日でした。朝から用事を済ませ、急いで加太へ。県道4号線で柘植まで出て、そこからは国道25号線の旧道で不動滝入口へ。ここからは荒れた林道となり、石で時折底をこすりながら、ゆっくりと林道終点まで。まずは滝見物。この日は水が少なく、迫力はありませんでした。駐車場に戻って、東海自然歩道を「バンドウ山」方向へ。さすがによく整備された道です。途中Dから、小さな沢をさかのぼりました。この沢を詰めていければ、とも思いましたが、あまりに杉の倒木が多く、とても歩けた状態ではなかったので、無理やり左手の尾根に取り付きました。紫のビニールひもが時折付いていました。急登を木の根っこを掴んでなんとかこなすと、今度はきつい藪こぎ・・・・でも、Fあたりからは歩けるようになってきました。Gを過ぎ、そのまま稜線上を行きたかったのですが、気づけば南東へ下る尾根に乗っており、ずいぶん下ってしまっていたので、引き返さず、一旦谷に下り、別な尾根で登りなおしました。Hあたりからは、爽快な尾根道でした。やがて、山頂へ。山頂は何もないところでしたが、少し南には「経塚」が。しかし、その先は、下を向くと断崖絶壁。そう、採石作業が、もうここまで上がってきていたのです。下の地図でも、1/25000地形図では、Mの下あたりまでしか削られていないことになっていますが、現実は、薄黄色で示した広範囲が削られていました。その工事のために、縁の木々が強引に倒されており、西へ下る尾根にも取り付けない状態でした。しかたなく、荒々しい採石現場を下る羽目となりました。こういうことはできるだけ避けたいという思いはありましたが、でも、鈴鹿の現状を知るうえでは、少し見ておきたいという気持ちもありました。山頂近くまでかなり悲惨な状況となっていました。経塚山の嘆きが聞こえてきそうでした。


MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(鈴鹿峠)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。