愛宕山  Mt. Atago 清滝〜愛宕山〜三角点〜つつじ尾根〜JR保津峡駅

 愛宕山は、比叡山と並ぶ京都の信仰の山です。緯度がほぼ同じで、まさに東の比叡山、西の愛宕山といった関係ですが、標高は848mの比叡山よりも少し高く、924mあります。山頂に愛宕神社があり、たくさんの参拝者が参っていました。でも比叡山と大きく違うのは、基本的に歩いて登るしかないことです。今回が初めての愛宕山なので、まずはほとんど皆さんが登りに使う清滝バス停から二の鳥居をくぐる表参道ルートで登りました。下りも普通に月輪寺のルートを考えていたのですが、登りに偶然会った方から、通称ツツジ尾根が素晴らしいと聞き、それで下ってみました。このルートは、エアリアマップには出ていませんが、水尾からのルートよりも早く、JR嵯峨野線の保津峡駅に下ることができました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。


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山行写真
撮影日:2015/4/12 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5



JR嵯峨嵐山駅から見上げる愛宕山
滋賀から清滝に向かうのはちょっと不便です。バスの多くは阪急の嵐山駅を通り、JRの駅前をあまり通りません。でも、滋賀から阪急に乗るのは乗り換えが多いので、
時間がかかります。そこで今回はJR嵯峨嵐山駅で降りて、少し歩き、嵯峨小学校前のバス停でバスに乗りました。ここなら、阪急嵐山を通る多くのバスが通ります。




嵯峨小学校前からの愛宕山
バスを待つ間に再び愛宕山を見上げます。山頂右下の細い塔のあるところが三角点。そこにも立ち寄りたいと思っています。



清滝のバス停から @
バスは大覚寺を経由して清滝に入りました。降りるとすぐ、清滝川に向かって下ります。



渡猿橋 @-A間
赤い欄干の美しい橋です。お猿が渡るって、いい名前の橋ですね。



二の鳥居 A
鳥居をくぐるといよいよ山道に入ります。



お助け水 A-B間
登り始めてすぐに水場です。もう少しあとだったらありがたいのですが・・・。



階段の急登 A-B間
しばらくは階段の急登が続きます。けっこう息が上がります。前夜2時まで飲んでいた体にはこたえます。自業自得ですね。



まだまだ急登 A-B間
同じバスに乗ってきた人々と団体で登る形になります。このあたりで、毎月登っておられるという方から、ツツジ尾根のツツジがいま見頃とのお話を聞きました。



三合目小屋 B
三合目小屋です。でも、五合目までは登りは緩みません。



小さな子供も B-C間
小さな子供さんを連れた方も登っていきます。3歳までに愛宕参りをすると、一生火難に遭わないとか。そりゃぁ、がんばって登りますね。



五合目小屋 C
バス停からちょうど1時間、ようやく五合目に到着です。ここで急勾配は一旦終わって、しばらくは比較的平坦なルートに。



老杉の社 C-D間
すぐに老いた大きな杉が祀られている場所に。大杉社と言うようです。



杉並木 C-D間
道は完全に尾根を外れ、左山腹の道となりました。ほぼ七合目。杉並木がきれいです。



京の街 C-D間
杉並木の間から京の街が見下ろせます。正面は音羽山。その右に千頭岳。



尾根分岐点 D
教えていただいたツツジ尾根ルートの分岐点を確認しておきます。今上がってきたのが左の階段。清滝と書かれた看板の右がツツジ尾根ルートの入口のようです。



水尾分れ D-E間
その先に水尾への下りルートの分岐点、「水尾分れ」の休憩小屋があります。



樒小屋 D-E間
水尾別れで右に曲がると、すぐ先に「樒小屋」。その先に再びきつい階段。これを登ると、再びほぼ尾根に乗ります。



尾根上の溝道 D-E間
ほぼ尾根上なのに、まるで溝道のような道です。いかに長い間にわたって多くの人が歩いてきたのかを物語っているようです。



京口惣門 E
黒門とも呼ばれる「惣門」。京都側なので京口惣門。ここからが境内です。神社より、お寺の門のようですが、
昔(江戸時代)、山頂には神宮寺の白雲寺というお寺があり、神仏習合の山だったそうです。その名残がこの門です。




境内を進む E-F間
この左に山上で唯一の公衆トイレがあります。



山頂への階段 F
最後にまたまたきつい階段。上りきったところが山頂、すなわち愛宕神社の社殿です。



鳥居、山門 F-G間
石の階段を登っていくとさらに鳥居や門があります。



本殿 G
山頂に建つ社殿の入口です。標高924m。4月半ばなのに、かなり寒いです。



参拝所 G
一番奥には参拝所。厳かな雰囲気です。



北への分岐 F
お参りしたあと、再び階段下のFまで下り、この休憩所で昼食。その後、前方向に進み、愛宕山三角点をめざします。



比叡山 F-H間
分岐して少し林道状の道を進むと、右の眺望が大きく開けます。曇り空ですが、思った以上に遠くがよく見えました。まずは比叡山848mを眺めます。真東です。



桟敷ヶ岳 F-H間
北東には桟敷ヶ岳896m。この方向からは、細長い峰を手前から見ているので、山らしい形に見えます。



天童山、品谷山、ブナノキ峠 F-H間
中央が城丹国境の天童山775m。その後方、左手前が廃村八丁の品谷山881m。右奥が芦生の京大研究林にあるブナノキ峠939mです。
京都北山の南端から北端を眺めているようなもので、ブナノキ峠は愛宕山から31km彼方の山です。




地蔵辻 F-H間
ここを右に下ると、首無地蔵のあるサカサマ峠に下ります。今日は直進します。



三角点への道 F-H間
やがて植林の中を通り、その先の左へのカーブで、右に尾根上を登ります。



白いアセビ F-H間
三角点近くに咲いていたアセビは、ほぼ真っ白でした。



三角点への登り H
最後にこのような坂道を登って、三角点に出ます。



愛宕山三角点 H
着きました。三等三角点、点名は「愛宕」、標高は889.8mです。石の標柱ではなく、金属板の点です。京の街も見下ろせます。



京の街と桂川 H
三角点からも眺望があり、左手前に広沢の池。右は桂川と洛南が見えています。



焼杉山 H
これは大原の焼杉山717mの姿です。標高はあまりありませんがどっちから見ても秀峰です。



尾根分岐点 D
さて、三角点からは来た道をひたすら戻り、ここ、Dの尾根分岐まで下りました。ここから看板の右に進み、通称ツツジ尾根に入り、保津峡駅を目指します。



ツツジ尾根・上部 I
尾根の上部はこんな感じ。最初は緩い下りです。



急降下 I-J間
途中、尾根道の向きが南南東から南南西に変わると、急降下が始まります。くねくねと蛇行しながら下っていきます。



荒神峠 J
Jまで下ると急降下は終わり、このように右下から道が上がってきて合流します。また、すぐそのあと、左に谷を下って
いく道も見えます。ここが荒神峠です。上がってきた道は水尾から。下っていく道は落合橋へ。昔の生活道路です。




ツツジ咲く尾根 K
荒神峠を過ぎると、尾根道にツツジが出てきました。ちょうど満開のようです。すごく雰囲気のいい道です。



コバノミツバツツジ K
ツツジの種類は、コバノミツバツツジでした。おしべが10本あります。



ツツジのトンネル K-L間
このあと、何度もツツジのトンネル状になったところがありました。華やかな道です。



牛松山 K-L間
右手に牛松山636mが見えてきました。



愛宕山 K-L間
そして、振り返ると、今下ってきた愛宕山がボリューム、そして貫禄たっぷりで鎮座しています。



山桜 K-L間
保津峡が近づくと、山肌に山桜が咲き乱れていました。新緑とあいまって、すごくきれいです。



保津峡、JR駅、トロッコ線路 K-L間
尾根の突端が近づきました。正面に保津川が蛇行しながら流れ、長い鉄橋の上はJR保津峡駅。川に沿って続く細い線路は、トロッコ列車の線路です。



下降地点 L
尾根の突端から急勾配を下りきると、ここに出てきました。場所はLで、車道を少し右に行くと、保津峡駅への橋があります。



保津峡駅
橋の上の駅で列車を待ちます。これは、亀岡方面行きの列車です。



山行記録:日時−2015年4月12日、天候−曇りときどき晴れ。9:23 JR嵯峨嵐山9:19着の電車を降り、京都バスの嵯峨小学校前(東行)バス停に向かう。9:30 バス停着、9:37の清滝行きバスを待つ。9:41 渋滞のためか、4分ほど遅れてバスが到着。このバスは大覚寺を経由して、清滝トンネルも長く待ったため、結構遅れて10:03 清滝バス停@着。10:05 @出発。10:09 二の鳥居、10:44 三合目小屋B、11:01 五合目小屋C、11:29 水尾分れ、11:47 惣門E、12:03 愛宕神社=愛宕山山頂G着。12:10 Fの休憩所にて昼食。その後、12:25 休憩所F発、12:44 三角点H着。12:52 三角点発、13:06 休憩所F、13:12 惣門E、13:26 尾根分岐Dでツツジ尾根に入る、13:46 荒神峠J、14:32 尾根突端から下って車道に降りるL、14:35 JR保津川峡駅到着。14:42発の京都行きに乗る。

初めての愛宕参りになりました。登りは表参道、つまり清滝からのメインルート。下りは一般には月輪寺道がよく使われるようですが、ツツジ満開との情報から急遽ツツジ尾根に変更しました。急なルート変更は車を使っての山行ではなかなかできないのですが、電車・バスの場合はこれができて楽しいです。そんなわけで、京都方面は最近電車で来ることが多くなりました。ツツジ尾根はまだ一般ルートではないようですが、よく踏まれた何の問題も無いルートで、ツツジもトンネル状に咲いていてきれいでした。このツツジ尾根、尾根分岐Dから70分ほど、愛宕山山頂からでも1時間半ほどで保津峡駅に着きましたので、水尾分れから水尾経由で歩くよりは、少し早いのではないでしょうか?車道歩きもほとんどありませんし。下のルートマップでは、今回のルートが赤ラインで示されています。黒字の○数字が上の写真と対応しています。紫のラインは地蔵山と竜ヶ岳をご参照ください。


ルートマップ


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(周山、京都西北部)をベースに作成いたしました。

図中の黒い番号は上の写真と対応しています。
紫のラインは地蔵山と竜ヶ岳をご参照ください。