概要
比良山系の最高峰・武奈ヶ岳1214m。日本二百名山や近畿百名山などのリストに名を連ねる名山です。山の姿もなかなか秀麗で、草原となった山頂部は、比良山系のみならず、京都北山、鈴鹿山系からも望むことができます。ただ、最寄りのJR湖西線や湖西道路、国道161号線などからは、前衛峰に隠れて望むことができません。かつては比良ロープウェイ山上駅からハイキング気分で登れましたが、ロープウェイが廃止となったいま、どの登山口から登っても、時間的・距離的に少々手ごわい山となりました。そのぶん、山に静けさが戻ってきましたが、それでも、春の新緑の頃や、秋の紅葉シーズンは、山頂は人でいっぱいになる人気の山でもあります。
比良山系を南から北に向けて追っていくと、まず南の霊仙山から始まり、権現山、ホッケ山、蓬莱山1174m、打見山と続き、木戸峠に落ちます。木戸峠のあと、比良岳、烏谷山1077m、堂満岳1057m、前山999mと続いてきた稜線はこの先で二つに分岐し、東(琵琶湖寄り)はカラ岳、釈迦岳1060m、ヤケオ山、さらにはリトル比良山系へと続きます。一方、西に分岐したその先には、この武奈ヶ岳1214m、釣瓶岳1098m、地蔵山、蛇谷ヶ峰902mと続いていきます。武奈ヶ岳から南へも大きな尾根が二本出ており、一本はコヤマノ岳1181m、シャクシコバノ頭1121mと続いたのちに奥の深谷に沈み、もう一本(西南稜)は御殿山1097mを経て坊村に向かって落ちていきます。
ルートについて
武奈ヶ岳への登山道は、山の北東側にあたる高島市のガリバー旅行村から八淵の滝経由のルート、南西側の葛川坊村の明王院から御殿山コースと呼ばれる尾根道のルート、南東の琵琶湖岸から谷を登ったイン谷口を起点に北比良峠や金糞峠を経て登ってくるルート、葛川坊村やイン谷口から南の大橋を経て小川新道経由で登るルート、北の朽木栃生からコメカイ道、釣瓶岳を経るルートなどが代表的です。山頂から北西に延びる細川尾根も、バリルートとして使えます。下の地図からもわかるように、ここは非常に脇道の多い山域で、どのルートもバリエーションを持つことがあります。
山行写真記
ガリバー旅行村から八淵の滝経由のルート、2006.10.21
葛川坊村から御殿山コースで登り、コヤマノ岳、シャクシコバノ頭を経て小川新道で下り、葛川坊村へ、2008.11.2 (YAMAP)
琵琶湖側、正面谷の大山口からダケ道、北比良峠、ゲレンデ道で登り、西南稜・ワサビ峠から中峠、金糞峠を経て青ガレ道で下山、2016.10.30 (YAMAP)
細川尾根から登る、武奈ヶ岳、2017.5.5 (YAMAP)
葛川坊村から御殿山コース往復、2020.7.23 (YAMAP)
武奈ヶ岳の山姿
周囲からの武奈ヶ岳へ
武奈ヶ岳からの眺望
武奈ヶ岳山頂からの眺望へ
武奈ヶ岳MAP
この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(花脊、比良山、北小松)をベースに作成いたしました。
周囲からの武奈ヶ岳
(滋賀の山・山姿写真集からの抜粋です)
烏谷山からの武奈ヶ岳とコヤマノ岳
烏谷山・山頂、1077mより。中央奥が武奈ヶ岳1214m、右手前にコヤマノ岳1181m。左手前はシャクシコバノ頭1121m。2006年8月15日。