摺鉢山から烏谷山、そして伊藤新道経由で白滝山

秋の薄曇の日、葛川坊村から牛コバを経由し、その後大橋へのルートから分かれて尾根を摺鉢山へ。さらに尾根をつめて烏谷山。その後比良岳、木戸峠、汁谷入口に下り、ここから伊藤新道(巡視路)に入り、長池を目指します。長池からも伊藤新道で、オトワ池、白滝山、ワサビ大滝を経て、林道に戻り、葛川坊村へ。こんなルートを辿ってみました。
なお、写真の後ろの丸数字は、最後のルートマップの番号と対応しています。

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山行写真
撮影日:2011/10/2 Photo by Minagawa, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


曙橋から坊村 @
今日は曙橋を渡った先の葛川市民センターの大駐車場に車を置かせてもらっての出発です。まず曙橋を渡ります。
ここから牛コバまでは林道歩き。途中、摺鉢山が見えるポイントAもあります。詳しくは、こちらをご覧ください。




牛コバ B
30分あまり林道を登ると、登山ルートの分岐する牛コバです。ここで林道を離れて、左の大橋方面へ。



大橋への道を登る B-C間
しばらくは大橋へのよく踏まれた登山道です。ジグザグと折り返しながら登っていきます。



摺鉢尾根分岐 C
尾根の頂点をちょっとすぎて、大橋へ山腹を巻き始めるあたりです。大橋への一般ルートは左前方へ。
でも、テープがたくさん付いているこのポイントで一般ルートを離れて、右の尾根に乗ります。




摺鉢尾根(1) C-D間
少し尾根を登ったあたりです。テープ、けっこうあります。まあ、基本尾根芯を登ればいいルートなので、迷うようなルートではありませんが・・・



摺鉢尾根(2) D
スギやモミのような針葉樹も時折見られますが、広葉樹が主体になってきました。アセビなどの常緑樹も少しありました。



摺鉢尾根(3) D-E間
傾斜が緩くなってきました。この辺はほぼ落葉広葉樹ばかり。リョウブ、コナラなどに混じり、ブナも時々。まあ、細い木ばかりですが。きれいな尾根です。



摺鉢山・山頂 E
傾斜がなくなるので山頂と気づくのみです。標高は1006m。中央に三角点のように見えているのは、造林公社の標柱です。



烏谷山への稜線(1) E-F間
尾根をそのまま登っていけば、烏谷山に達するはずです。まだまだ歩きやすい尾根です。



烏谷山への稜線(2) E-F間
右がスギの植林となりました。よくここまで植えに来られたものだと、感心します。



烏谷山への稜線(3) E-F間
ブナの木が多くなってきました。素晴らしい稜線です。



烏谷山への稜線(4) E-F間
いきなり、シャクナゲが行く手を阻みます。でも、右側が透けているので通過にそんな苦労はしませんでした。



烏谷山・山頂 F
やがて、三等三角点の立つ山頂です。点名は「大物」、標高は1076.46m。三角点に「また来たよっ」て挨拶しました。
でもよく調べると、前に来たのはもう5年も前なんですねぇ・・・。早いものです。




烏谷山から見下ろす琵琶湖 F
今日はうす曇。それでも琵琶湖の向こうに、伊吹山や鈴鹿山脈の霊仙山が確認できます。



武奈ヶ岳とコヤマノ岳 F
しばらくは、山頂からの眺めです。中央奥が武奈ヶ岳1214m、右手前にコヤマノ岳1181m。左手前はシャクシコバノ頭1121m。



堂満岳と釈迦岳 F
北東には堂満岳(手前)1057mと、釈迦岳1060m。



蓬莱山と打見山 F
左が打見山1108m、右が蓬莱山1174m。



白滝山 F-G間
山頂を後に、少し下ると、縦走路に出ます。真西に白滝谷を挟んで白滝山1022m。あの頂を、何時間か後に歩くことになりました。



葛川越へ急降下 F-G間
縦走路は、烏谷山と比良岳の間の鞍部、葛川越への急降下となります。



葛川越 G
下りきったら葛川越です。かつて葛川坊村と志賀を最短で結んだこのルートも今は廃道に。



サワフタギの青い実 H
比良岳の大きな標識を過ぎ、木戸峠へ向かう平坦なルート。ここは、植物の宝庫です。




木戸峠への下り H-I間
きれいな草原の道です。



木戸峠 I
やがて、お地蔵様のいらっしゃる木戸峠です。ここを右に折れて、汁谷方面に向かいます。



汁谷入り口 I-J間
木戸峠からわずかに進むと、琵琶湖バレイのゲレンデに出ます。「夫婦滝・坊村」方向に進み、さらにここを右斜め先の道に向かいます。




伊藤新道(巡視路区間)への入口 J
その道をほんの少し進んで、川沿いの道になると、すぐ電柱の下に「←長池」の看板。ここが伊藤新道の巡視路区間の入口です。流れを渡って、対岸を登ります。



巡視路を行く J-K間
巡視路は、この黒いゴム製の独特の階段が特徴です。迷ったらこれを探します。



鉄塔下 K
この道は、琵琶湖バレイの施設に電力を供給するために、葛川谷から登ってきている高圧線の鉄塔管理のための巡視路。
伊藤新道の長池までの区間は巡視路です。「火の用心」マークも、巡視路の印。まず最初の鉄塔の手前で左折。




谷を渡る L
鉄塔からは急降下で、谷に下ります。このあたり、階段が崩れています。



またきつい登り L-M間
谷を渡ったら、また急登。巡視路は、この繰り返しで、長池に向かいます。



再び谷を越え L-M間
3回はけっこう深い谷を渡ります。その間には尾根。なかなか思った以上にハードです。



ちょっと一息 L-M間
しばらく平坦だと、うれしくなってきます。



おサルの母さん M
サルがじっとこちらを見ていました。



長い巡視路 M-N間



沼地 M-N間
徐々に、平坦な土地が多くなり、沼地が出てきます。長池は近い!



最後の鉄塔 N
ようやく最後の鉄塔下へ。長池はもうすぐです。



長池 O
やっと長池のほとりに出ました。周囲を半周して、オトワ池へのルートを探します。



ヤマボウシの実 O-P間
長池からオトワ池の間はよく踏まれていますが、少し暗くなってきたので、要注意です。



スギヤ池 O-P間
途中、スギヤ池というのもありますが、長池と同様、ほとんど湿地のようになっていました。



オトワ池 P
オトワ池は池らしい池。雨が降ってきました。先を急ぎます。



白滝山の山頂 Q
少し登りかえすと、白滝山の頂。さっき烏谷山から眺めて、2時間と45分かかっています。



伊藤新道を下る(1) Q-R間
このあたりはもう巡視路ではない、伊藤新道です。どんどん下ります。



伊藤新道を下る(2) Q-R間
ワサビ大滝が近づくと、杉の植林が出てきます。



ワサビ大滝 R
やっとワサビ大滝まで下ってきました。



荒れるワサビ谷(1) R-S間
あとは、ワサビ谷に沿って下ります。ただ、以前登ったときより荒れているのがわかります。最近大雨が多いですからねぇ・・・



荒れるワサビ谷(2) R-S間
倒木もかなり多く、行く手を阻みます。慎重に越えていきます。



林道に出る S
やっと、林道に出て、ほっと一息。あとはのんびりと坊村に向けて下ります。


山行記録:日時−2011年10月2日、天候−曇りのち小雨。10:02 葛川坊村・葛川市民センターの大駐車場@に駐車後、出発。10:40 牛コバB、11:18 摺鉢尾根分岐C、11:59 摺鉢山・山頂E着。昼食後、12:11 山頂発、12:29 烏谷山・山頂F着。12:37 山頂発、12:47 葛川越G、13:00 比良岳山頂、13:26 木戸峠I、13:36 巡視路入口K、14:45 長池O、15:08 オトワ池P、15:18 白滝山・山頂Q、15:53 ワサビ大滝R、16:20 ワサビ谷入口S、16:53 葛川坊村・葛川市民センターの大駐車場@着。

 2006年の夏に、牛コバから大橋、南比良峠経由で烏谷山、比良岳に登り、白滝谷経由で下るルートをとりました。そのとき、摺鉢山にも登ってみたいなぁ、この尾根を詰めれば何とかなりそうだなぁ・・・なんて思っていました。1/25000地形図でこの尾根を見ると、きれいで素直な尾根形。食指が動きます。あっという間に五年が経ち、ようやく行ける機会が。で、尾根に取り付くと、やはり同じようなことを考える御仁はたくさんおられるようで、たくさんのテープにそこそこの踏み跡がありました。まあ、比良で一般ルートではないがこんなに登りやすそうな尾根はそうそうないわけですから、当然かもしれませんね。とにかく、牛コバから80分ほどで、摺鉢山の山頂に立つことはできました。ここから烏谷山へのルートも、やはりしっかりと踏まれていました。とくに問題もなく、山頂に。牛コバから110分。5年前の大橋経由が、同じ区間を180分かかっているのを考えると、ずいぶんと早く登れたことになります。まあ、5年前は酷暑の頃でしたが。帰路は、5年前と同じ白滝谷を下るのも芸がないので、一度歩いてみたいと思っていた伊藤新道の先の巡視路区間、つまり琵琶湖バレイゲレンデ下の汁谷入口あたりから長池を結ぶルートを使ってみることに。これは、エアリア・マップでも破線でかかれているルートです。このルート、巡視路ですから当然すべての鉄塔を巡るわけで、そのために、「尾根を越えては谷を渡り」を何度も繰り返す、なかなかシビアなルートでした。朝からすでに消耗した体力には、けっこう堪えるルートでした。巡視路入口から長池まで70分ほどで歩きましたが、もっとかかった感じで、そうとう疲れました。谷を下れば、以前ほぼ同じ距離の夫婦滝まで40分で下っていることを思うと、やはりかなり違います。ルートもところどころでわかりづらく、踏み跡を探すことも数回ありました。もうちょっと余裕を持ってゆっくり歩きたいルートです。そんなわけで、長池に着いた頃は、薄暗くなってきて、小雨もぱらついてきました。時刻はまだ3時前なのですが・・・気分的にさらに急ぎ足で、オトワ池、白滝山、ワサビ大滝と下り、林道に戻りました。巡視路入口から、ワサビ谷入口まで、今回は165分ほど、谷ルートでは115分で下ってますから、今度はずいぶんと時間のロスになりました。つまり、このルート、行きはよいよい、帰りはつらい、ということになりますね。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(比良山、花脊)をベースに作成いたしました。

写真の番号は地図の番号と対応しています。