銚子ヶ口   Mt. Choshigakuchi


概要
 最近は「銚子ヶ口岳」と呼ばれることも多いようですが、本来は「岳」や「山」はついていませんでした。銚子ヶ口という山らしくない名前のこの山は、その姿を遠くから見ても、やはり山らしくない山です。1000mを超える盛り上がりではありますが、はっきりしたピークは無く、まさにつかみどころ無い山と言っていいでしょう。でもその場所はすばらしく、東には竜ヶ岳〜釈迦ヶ岳〜御在所岳といった鈴鹿主稜を、南には雨乞岳とイブネ、南西には綿向山にタイジョウといった名山たちの真ん中に位置しているのです。しかも山頂部は杉植林はもとより、自然林の大木も無く、眺めは抜群です。
 山頂部には、標高1076.8mの三等三角点のある三角点峰を中心に、東に東峰、西には中峰と西峰、中峰の南には南峰、北には北峰があります。また、中峰には北の黒尾山からの尾根が達し、この長い尾根は西峰を経てイブネ、そして杉峠、雨乞岳へと続いていきます。その途中には、水舟ノ峰1067m、大峠ノ頭(深谷山)1080mなどがありますが、どこまでが銚子ヶ口なのか、さだかではありません。とりあえずこのHP群では、水舟ノ峰までを銚子ヶ口の山域とし、大峠から南は別な山としました。
 ちなみに、山名の「銚子」は、古来の雨乞い信仰と関係があると聞きました。お銚子の口のように里にどんどんと水を与えてくれる山、ということでしょうか?これと関係あるかどうかはわかりませんが、西峰の南西に、静かに水をたたえる水舟ノ池があります。稜線から遠くない標高950mという高地に、結構大きな池があるのは、少し不思議な感があります。とにかく、雰囲気のいいきれいな池です。


ルートについて
 銚子ヶ口への代表的なルートは、奥永源寺の杠葉尾にある登山口から長い尾根に沿って南下して東峰に至るルートでしょう。このルートのルートどりはほんとよくできていまして、尾根に乗ってしまうと凹凸があり、谷は谷で歩くづらい、ちょうど間の山腹を、かなり長く登っていくルートです。一旦尾根に乗った後、後半に須谷川の谷に入りますが、もう谷はせせらぎ程度です。
 銚子ヶ口の北西には標高961mの黒尾山があります。ここからも尾根伝いに銚子ヶ口に至ります。逆に南にはイブネ、クラシがあり、ここから北向きに稜線伝いに銚子ヶ口に達することもできます。
 東の風越谷からもいくつかルートがあり、代表的なものは風越谷林道の終点に近い標高約660m地点から、右側にある林業作業用モノレールの線路に沿って登る、いわゆる「モノレール・ルート」です。傾斜はかなりきついものの、迷う心配はなく、ひたすら登れば、東峰のすぐ近くの尾根上に達するのは、時間的にかなりポイントとなります。



山行写真記
「杠葉尾登山口から、銚子ヶ口を往復」へ、2001/5/4

「モノレール・ルートから銚子ヶ口、水舟ノ池」へ、2010/11/6(YAMAP)

「銚子ヶ口と大峠ノ頭」へ、2017/10/8(YAMAP)



銚子ヶ口の山姿〜周囲からの銚子ヶ口へ


銚子ヶ口・山頂部からの眺望へ

銚子ヶ口MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(御在所山、竜ヶ岳)をベースに作成いたしました。






周囲からの銚子ヶ口滋賀の山・山姿写真集より:詳細はこちらをご覧ください。)



永源寺ダムからの銚子ヶ口(隙間から覗く峰)



岳〜旭山間の鉄塔下からの銚子ヶ口(左後方はイブネの一角)



綿向山からの銚子ヶ口(右前方はタイジョウ。その左後方は大峠ノ頭)



イブネ(クラシ)からの銚子ヶ口(左のガレのある山は大峠ノ頭)





銚子ヶ口・山頂部からの眺望


東峰からの北〜東〜南のパノラマ:こちらをご覧下さい。


東峰から


イブネと雨乞岳



釈迦ヶ岳



御池岳



竜ヶ岳


中峰から


綿向山


西峰〜大峠から


クラシ、イブネ



水谷岳(カクレグラ)



タイジョウ


南峰から

南峰からの東〜南〜西のパノラマ:こちらをご覧下さい。



御在所岳
手前は高岩(左)とワサビ峠



鎌ヶ岳



タイジョウと綿向山



大峠ノ頭(深谷山)



金山
手前は塔の峰(左端)とお金峠、小作の峰(右端)



水晶岳とハライド
奥の鋭峰がハライド。台形の山が水晶岳。手前は作の峰。