薬師岳(北アルプス)   Mt. Yakushidake 

 富山あたりから見た薬師岳は、剱岳、立山のごつごつしたイメージとは異なり、南アルプスの峰のように、巨大で滑らかなイメージで、その存在感は大きいものがあります。剱・立山連峰の南部に位置し、立山から南に縦走するルート、逆に穂高・槍から三俣蓮華岳、黒部五郎岳を経て北に縦走するルートもありますが、この山だけに登るなら、下で紹介する折立からのルートが一般的です。基本一泊二日、早い人なら日帰りでこなせるルートです。今回は早い目に現れた秋雨前線がなかなか去ってくれず、雨模様の山行となりました。ただ、咲き乱れる高山の花々はきれいでした。→薬師岳の花(高山植物)
写真後ろの番号は、最後のルートマップの番号と対応しています。

太郎平小屋からの眺望
ルートマップ
周囲からの薬師岳



撮影日:2011/8/19-20 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


折立のバス停にて @
有峰ダムから一つ尾根を越えて少し東に入ったところにある折立です。この地図は南が上です。




薬師岳登山口 @
バス停のすぐ横にある薬師岳登山口。標高は1356mです。左奥に折立ヒュッテ。
正面奥が登り口。雨は上がりましたが、雲がどんよりとしています。




太郎坂登り口 @
ちょっと見えにくいですが、左の標柱の右面には「太郎坂」と書かれています。




ブナの立つ坂 @-A間
10分ほど上がると、たくさんのブナが現れます。中には巨大な株も。




急登をいく A
Aのあたりが最もきつい登りです。針葉樹林帯となってきました。




巨大なヒノキ A-B間
この巨大な株は、ヒノキ。でも、土台のものは既に枯れているようで、その上に二代目、三代目と育っているようです。




三角点 B
標高1870mです。ベンチがあって、多くの人が休憩しています。今日は眺望が無いのが残念です。




岩の道 B-C間
三角点を過ぎると、このような岩の上の道が出てきます。周囲の木々が低くなってきました。




木道 B-C間
岩の道を過ぎると傾斜はやや平坦になり、木道も出てきます。森はすでになくなって、高山植物が現われ始めました。
薬師岳の花(高山植物)



くもの巣 B-C間
霧のような小雨が降り続いています。




石の多い道 C
時折登りがありますが、基本的に平坦なルートです。でも、石がいっぱいで歩きにくいところもあります。ガスが濃くなってきました。




右山腹を巻く D
このあたりから、尾根芯から右に外れてきます。




五光岩ベンチにて E
五光岩ベンチと呼ばれるところに着きました。標高は2189m。左手、少しガスが晴れてきました。




一瞬現れた薬師岳 E
あの白さは、薬師岳の山頂部です。でも、一瞬にして隠れてしまいました。




再び木道 F
その後、ますます平坦になってきました。高層湿原に入ってきたようです。




太郎兵衛平 G
正面に太郎兵衛平が見えてきました。右端には太郎平小屋の屋根も。




薬師岳 G
ガスがさっと晴れ、ようやく現れた薬師岳2926mの山頂部です。下の写真の少し左寄りが山頂。右寄りに避難小屋跡とケルン。
この写真は縮小版ですが、画像クリックでフルスケール画像が見られます。
ダウンロードすると、壁紙(1920×1280)としてお使いいただけます。




太郎山 G
そして右には太郎山2373mです。




近づく太郎平小屋




太郎平小屋 H
今日の宿に到着です。




黒部源流の山々に乾杯 H
もちろん、到着後は生ビールです。ちょっと寒いけど・・・




太郎平小屋からの眺望


水晶岳(黒岳)2997m
黒部谷の向こうに秀峰・水晶岳です。




ワリモ岳、祖父岳と雲ノ平
(上)中央の鋭鋒がワリモ岳2888m。その右に丸い祖父岳2825m。これを頂点に広がるのが雲ノ平です。祖父岳の右に少しだけ、鷲羽岳2924mが見えています。
(下)中央部分の望遠です。




三俣蓮華岳
立山連峰と後立山連峰を分ける分岐の山です。標高2860m。




黒部五郎岳
北アでは薬師岳と並んでカールの有名な山です。標高2840m。




北ノ俣岳
日本アルプスの中でも最も西にある峰です。標高2661m。Photo by T. Sugiura.





太郎兵衛平を歩く H-I間
翌日、天気はさらに悪く、朝から雨です。




薬師峠 I
テント場のある薬師峠2294mまで下ってきました。薬師岳山頂まで標高差は632m。




涸れ沢を登る I-J間
薬師峠から、しばらくきつい登りです。それは、涸れたゴロゴロの沢を登るルートです。




薬師平 I-J間
ガラガラの急登を過ぎると、また高層湿原。ここは、薬師平と呼ばれています。




本峰の登り J
やがて薬師平を過ぎ、少し赤っぽい石のザレ場に入ってきました。この間に、立派なお花畑がありました。
薬師岳の花(高山植物)



薬師岳山荘 K
間もなく薬師岳山荘に到着です。標高は2701m。




イワヒバリ K
山荘で休憩中、岩の上にやってきました。




ハイマツさえ育たないガレ場 L
やがて、ハイマツさえ消えてしまった斜面を登ります。この石の赤っぽさが、薬師を遠くから見たときの独特の色の源だったんですね。




ケルンの峰 M
このケルンは昭和38年1月の遭難の慰霊碑です。




ライチョウ N
薬師岳はライチョウが多いことでも知られています。目の上が赤い、若いオスですね。




近づく薬師岳・山頂 O
ようやくたどり着きました。




薬師岳山頂 O
Photo by T. Sugiura.



薬師岳・三角点 O
ちょっと低いところにありました。ここが2926.0mなら、一枚上の「山頂」は2928mぐらいはあるかも・・・。




ルートマップ

この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(有峰湖、薬師岳)をベースに作成いたしました。

山行記録:日時−2011年8月19〜20日、天候−曇り時々雨(19日)、雨(20日)。19日:折立〜太郎平小屋。20日:太郎平小屋〜薬師岳〜太郎平小屋〜折立。


薬師岳の花(高山植物)へ


周囲からの薬師岳


立山から
左が黒部五郎岳2840m、右が薬師岳2926m。右端は竜王岳2872m。2006年8月。
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剱岳から
左に黒部五郎岳。手前はアルペンルートの通る弥陀ヶ原。2010年8月。
この写真は縮小版ですが、画像クリックでフルスケール画像が見られます。
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爺ヶ岳から
1980年8月。