松尾寺山と八葉山   Mt. Matsuoji & Hachiyo

八葉とは、仏教で仏様が乗っている蓮の花のことだそうです。奈良の大仏様をはじめ、よく大きな仏像がその上に立ったり座ったりしています。彦根から東を見ると、霊仙山がちょうどそんな蓮の花の上から顔を出すように見えます。その「八葉」を形成しているのは、南からイワス、男鬼山、向山、そしてこの八葉山と松尾寺山などです。この周辺は飛鳥〜平安時代に非常に仏教の盛んな地域だったようです。霊仙山の霊仙寺とそれを取り巻くいくつかの名刹。その中の一つが松尾寺であったようです。松尾寺山に登るときには養鱒場で有名な米原市醒ヶ井(さめがい)からが便利です。松尾寺山から稜線づたいに八葉山まで歩けます。ちょうど紅葉が一番きれいな季節で、素晴らしいコースでした。写真の後の数字は最後のルート・マップ中の数字と対応しています。

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山行写真
撮影日:2002/11/17 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5 ほか


養鱒場脇の登山口 @
宗谷川を渡り、醒ヶ井楼別館の方に入っていきます。さらに別館の横を右上の林道に入ります。



紅葉T A
醒ヶ井楼別館のすぐ横の紅葉。



紅葉U A



紅葉V B
紅葉と見とれるハイカーたち。赤も黄色もちょうど最高です。林道は、車ではちょっと
遠慮したいような荒れた状況。ハイキングコースとしてはちょっと広すぎますが・・・



阿弥陀ヶ峰 B−C間
林道から南東を見やると、まず秀麗な山が見えてきます。かつて頂に阿弥陀堂があった阿弥陀ヶ峰です。



阿弥陀ヶ峰と霊仙山 C
やがてその右に霊仙山が大きく拡がります。



松尾寺跡の紅葉(上)と九重塔(下) D
松尾寺は、日本僧として唯一人、三蔵の号を受けた、霊仙三蔵のゆかりの寺として知られていますが、
昭和56年の豪雪によって本堂は崩壊し、ここは寺跡となってしまいました。しかし、重要文化財の九重塔はそのまま残っています。
境内には、イチョウの大木があり、それからの落ち葉がまるで絨毯のように敷き詰められていました。




松尾寺山への登り口
境内跡のすぐ右横のカレンフェルトの間に、登山道入り口があります。



松尾寺山山頂 E
尾根に出て少し北に行くと、木立の中に503.6mの三角点が現れます。




彦根方面
さらに少し先からは彦根、米原、琵琶湖が見えました。写真は彦根方面。琵琶湖に浮かぶのは沖の島。



山頂北の夫婦杉 F
松尾寺山山頂の少し北側にある大杉です。残念ながら一本は既に倒れ(左)、片方だけが天高く立っています(右)。




松尾寺山南・地蔵峠からの八葉山
松尾寺山から稜線を南へ下ると、やがて目指す八葉山が姿を現します。



地蔵峠のお地蔵さん G
峠の大杉の下にあります。




稜線上の紅葉 H
松尾寺山と八葉山の間にあるピーク(約535m)あたりの紅葉です。




鉄塔足元 I
やがて、縦走路は鉄塔の足元に出ます。



八葉山の登り I−J間
鉄塔のある鞍部を過ぎると、いよいよ八葉山最後の登りです。先の植林帯では右の高所を目指します。




八葉山の山頂 J
いくつかのテープ以外何もないところです。ただ、周りにここより高いところがないので山頂とわかるのみです。




紅葉と八葉山 K
再び松尾寺、勧善院跡の近くからの八葉山。



MAP



この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(彦根東部)をベースに作成いたしました。

山行記録:日時−2002年11月17日、天候−曇り。11:25 醒ヶ井養鱒場駐車場発、11:40 林道分岐(右の道をとる)、12:05 林道合流点、12:15 松尾寺跡、12:40 松尾寺山山頂着。13:10 山頂発、13:25 地蔵峠、14:15 八葉山山頂、14:30 山頂出発、15:15 地蔵峠、16:10 醒ヶ井養鱒場駐車場着。

天候は曇りで、ひんやりとした気温の低い日でした。遅い目に彦根を出てきたので、歩き始めは実質お昼前でした。最初は林道を歩きます。マウンテンバイクのお兄さんたちも林道を登っていきました。紅葉がすごくきれいで、見とれているうちに、一旦分岐した林道が再び出合い、やがて松尾寺跡に着きました。まず、左手に勧善院と呼ばれる坊の跡の石垣が見えてきます。続いて小さな門があり、左に登ると、階段があってその上が本堂跡の広場になっています。寺伝や霊仙三蔵についての看板が掲げてあり、重要文化財の石でできた九重の塔が残っていますが、それ以外には何もなく、時の流れを感じさされます。黄色いイチョウの葉がしきりに落ちていました。階段から向かって右奥に、松尾寺山への登山口があります。大きなカレンフェルトの間を上がると、道は徐々に太くなり、鉄塔の下をくぐると稜線に出ます。稜線を右(北)ni向かうと、すぐに三角点のある松尾寺山頂です。さらに北には小さなアンテナのある場所があって、そこからは彦根、米原、琵琶湖がよく見えました。その近くに、巨大な杉が一本立っています。根本には倒れた杉があります。なんかちょっと悲しい「夫婦杉」です。ここで昼弁当を食べ、今度は南へと稜線を進んでいきます。地蔵峠まではよく踏まれた広い道です。峠の手前から目指す八葉山が初めて見えます。地蔵峠からは少し細くなり、やがて巡視路を左に分けて右折するあたりから、道筋はよくわからなくなります。とりあえず、稜線からあまり離れないように、南を目指します。すると、山頂が笹原となっている一つのピークを越えます。標高は約535mといったところです。下のパノラマで、最も左に写っている峰です。峰を下ると一旦植林となりますが、やがてまた紅葉の美しい雑木林になり、稜線もかなり広くなります。落葉の時期、踏み跡はありませんが、どこを通っても稜線さえはずさなければ、大きく迷うことはなさそうです。今度の鞍部には大きな鉄塔があり、根もとからは長浜、湖北方面がきれいでした。一番下の写真でほぼ中央に写っている鉄塔です。ここを過ぎればいよいよ八葉山への登りです。最初ははっきりした踏み跡ですが、やがて植林帯にはいると踏み跡はあやふやです。やや右方向に高所を目指して登ります。やがて最高点に着けばそこが八葉山の山頂です。帰途は同じ稜線を地蔵峠まで戻り、峠から右に折れて、勧善院跡に出るルートを使いました。これもよく踏まれたいい道でした。


周囲からの八葉山 滋賀の山・山姿写真集より抜粋。詳細データはそちらをご覧下さい。八葉山は鈴鹿北部の山にあります。)




彦根からのイワス〜八葉山のパノラマ
八葉山は左から2番目



彦根からの八葉山(中央)