八葉とは、仏教で仏様が乗っている蓮の花のことだそうです。奈良の大仏様をはじめ、よく大きな仏像がその上に立ったり座ったりしています。彦根から東を見ると、霊仙山がちょうどそんな蓮の花の上から顔を出すように見えます。その「八葉」を形成しているのは、南からイワス、男鬼山、向山、そしてこの八葉山と松尾寺山などです。この周辺は飛鳥〜平安時代に非常に仏教の盛んな地域だったようです。霊仙山の霊仙寺とそれを取り巻くいくつかの名刹。その中の一つが松尾寺であったようです。松尾寺山に登るときには養鱒場で有名な米原市醒ヶ井(さめがい)からが便利です。松尾寺山から稜線づたいに八葉山まで歩けます。ちょうど紅葉が一番きれいな季節で、素晴らしいコースでした。写真の後の数字は最後のルート・マップ中の数字と対応しています。
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山行写真
撮影日:2002/11/17 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5 ほか
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山行記録:日時−2002年11月17日、天候−曇り。11:25 醒ヶ井養鱒場駐車場発、11:40 林道分岐(右の道をとる)、12:05 林道合流点、12:15 松尾寺跡、12:40 松尾寺山山頂着。13:10 山頂発、13:25 地蔵峠、14:15 八葉山山頂、14:30 山頂出発、15:15 地蔵峠、16:10 醒ヶ井養鱒場駐車場着。
天候は曇りで、ひんやりとした気温の低い日でした。遅い目に彦根を出てきたので、歩き始めは実質お昼前でした。最初は林道を歩きます。マウンテンバイクのお兄さんたちも林道を登っていきました。紅葉がすごくきれいで、見とれているうちに、一旦分岐した林道が再び出合い、やがて松尾寺跡に着きました。まず、左手に勧善院と呼ばれる坊の跡の石垣が見えてきます。続いて小さな門があり、左に登ると、階段があってその上が本堂跡の広場になっています。寺伝や霊仙三蔵についての看板が掲げてあり、重要文化財の石でできた九重の塔が残っていますが、それ以外には何もなく、時の流れを感じさされます。黄色いイチョウの葉がしきりに落ちていました。階段から向かって右奥に、松尾寺山への登山口があります。大きなカレンフェルトの間を上がると、道は徐々に太くなり、鉄塔の下をくぐると稜線に出ます。稜線を右(北)ni向かうと、すぐに三角点のある松尾寺山頂です。さらに北には小さなアンテナのある場所があって、そこからは彦根、米原、琵琶湖がよく見えました。その近くに、巨大な杉が一本立っています。根本には倒れた杉があります。なんかちょっと悲しい「夫婦杉」です。ここで昼弁当を食べ、今度は南へと稜線を進んでいきます。地蔵峠まではよく踏まれた広い道です。峠の手前から目指す八葉山が初めて見えます。地蔵峠からは少し細くなり、やがて巡視路を左に分けて右折するあたりから、道筋はよくわからなくなります。とりあえず、稜線からあまり離れないように、南を目指します。すると、山頂が笹原となっている一つのピークを越えます。標高は約535mといったところです。下のパノラマで、最も左に写っている峰です。峰を下ると一旦植林となりますが、やがてまた紅葉の美しい雑木林になり、稜線もかなり広くなります。落葉の時期、踏み跡はありませんが、どこを通っても稜線さえはずさなければ、大きく迷うことはなさそうです。今度の鞍部には大きな鉄塔があり、根もとからは長浜、湖北方面がきれいでした。一番下の写真でほぼ中央に写っている鉄塔です。ここを過ぎればいよいよ八葉山への登りです。最初ははっきりした踏み跡ですが、やがて植林帯にはいると踏み跡はあやふやです。やや右方向に高所を目指して登ります。やがて最高点に着けばそこが八葉山の山頂です。帰途は同じ稜線を地蔵峠まで戻り、峠から右に折れて、勧善院跡に出るルートを使いました。これもよく踏まれたいい道でした。
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