宮指路岳   Mt. Kushirodake

宮指路岳(946m)の名前は、その標高から付いたもので、滋賀−三重の県境上にある鈴鹿南部の山です。三重県側からは、小岐須方面からヤケギ谷、もしくはカワラコバ道がありますが、滋賀県側からは縦走路を除き一般登山道は無く、林道を詰めていくしかないようです。ここでは元越谷林道・猪足谷林道を経て小岐須峠に達し、宮指路岳に至るコースを紹介します。写真の後ろの丸数字は、最後の地図の番号と対応しています。

展望岩からの眺望へ
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周囲からの宮指路岳へ


山行写真
撮影日:2002/5/19 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: SMC Pentax 50mm F1.4、シグマSW 24mm F2.8


林道分岐 @
元越谷林道はここで左に折れて水沢峠方面に向かいます。右前方の橋から先は猪足谷林道となり、宮指路岳、
NTTの電波塔に向かいます。車は一切入れません。分岐点の立て札には「宮指路岳2.00h→」、「水沢岳2.30h←」と書かれています。
2.30hは、きっと二時間半のことでしょう。2009年夏にここを通ると、この立て札は朽ちて落ちていました。



ヤマフジの花・満開 @



猪足谷林道 A
苔むした林道の擁護壁。傾斜は緩いですが、結構な距離があります。



高円山とNTTの電波塔 B
左手に高円山(945m)のきれいな形が見えてきます。その右には電波塔の峰。



宮指路岳山頂部 C
猪足谷林道が田村川水系にはいると前方に台形の宮指路岳山頂部が見えてきます。
右下から上がってきた田村川沿いの林道工事のために山腹が大きくえぐられています。
右手の奥が山頂で、ここからは見えませんが、特徴的な岩の列が見えています。




犬返しの険 C
宮指路岳と仙ヶ岳の間の主稜線ですが、名前の通り、ガレ場が続いています。



NTT甲賀無線中継所の電波塔 D
ストロボ光の点滅でよく目立ち、鈴鹿の稜線至る所から見える電波塔。下から見上げると非常に高く
大きかったので超広角24mmで撮りました。周囲は鹿の糞だらけでした。




イワカガミ D
電波塔の裏手にはイワカガミの大群生がありました。葉も雨で濡れてまさに鏡のように光っていました。



尾根道への分岐点 E
ここが、県境尾根へ導く尾根道の入口です。



尾根上のルート F
尾根上のルートを行きます。



新緑の林とヤマツツジ F
このあたりは植林もなく、林がすごくきれいです。



ギンリョウソウ F
林の下草の上にギンリョウソウが顔を出していました。




小岐須峠 G
県境の稜線に出て少し南下すると、小岐須峠です。ここから三重県側に下るルートがあります。



宮指路岳山頂 H
小さな広場ですが、ここからは眺望はありません。




馬乗り岩 H-I間
山頂から少し戻ったところにこの岩があります。右手にも面白い岩が見えています。さきほど林道からも見えていた岩のようです。



ベニドウダン(展望岩の山頂にて) I
[第3回鈴鹿山想写真展、出展作品]
山頂から少しだけ小岐須峠方面に戻り、馬乗り岩の先で左折すると、
眺望の素晴らしい展望岩に出ます。ここにベニドウダンが咲いていました。



展望岩Iからの眺望



北望・水沢岳
伊勢平野から登ってくる雲のため、あいにく鎌ヶ岳、御在所岳は隠れていましたが、
水沢岳(1030m)はそのドーム状の山頂部を見せてくれました。




南望・仙ヶ岳
南には、仙ヶ岳(961m)のみごとな双耳峰が一瞬姿を現してくれました。




西望1・雨乞岳
電波塔のちょうど後ろにおおらかな雨乞岳(1238m)です。




西望2・高円山
その左に高円山(945m)の丸いピーク。




西望3・サクラグチ
奥が山頂です。そこからぐるりと稜線が周っているのがわかります。右端あたりが横谷山でしょうか。
この尾根を左にたどれば、能登ヶ峰です。




MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(御在所山、伊船)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。

山行記録:日時−2002年5月19日、天候−雨のち曇り。11:45 元越谷林道入口付近Pに駐車、出発、13:15 NTT電波塔D到着、13:35 林道・県境尾根への分岐点E、13:45 小岐須峠G、14:00 宮指路岳山頂H着。14:45 山頂発、15:05 林道・分岐点G、16:15 駐車地P着。


 朝から雨でした。10時頃、空が少し明るくなって雨がやんだので、とりあえず車で鈴鹿スカイライン(R477)に向かいました。しかし、日野あたりで再び雨になり、かなり強く降ってきたので、今日は下見に留めようと、お弁当も買わずにスカイラインをのぼっていきました。野洲川ダムを過ぎ、さらに進むと右手に小さな橋があります。この橋が大河原橋です。狭い関門を抜けて元越谷林道に入り、車内からしばらく様子を見ていると、雨がやみ、薄日が射してきました。急遽予定を変えて登ることにしました。お弁当を買ってこなかったのが心残りでした・・・・
 車を少し広い路肩にとめ、歩き始めると、5分ほどで林道のバリケードに着きます。ここにも車が数台とまっていました。ここで車は完全にシャットアウト。人間は簡単に越えていけます。すぐに橋を渡りますが、このあたりの川は澄んでいてすごくきれいでした。やがて林道分岐点に達し、その後は猪足谷林道となります。さらに半時間ほど登ると、左手に高円山の秀麗な姿と電波塔が見えてきます。切り通し状の部分を過ぎると、猪足谷から田村川の水系となり、右手に目指す宮指路岳山頂部が見えてきます。右下から上がってきた田村川沿いの林道工事のために山腹が大きくえぐられ、かなり痛々しい状況です。林道左手の崖もかなり崩壊が激しく、工事関係者がロープを使いながら高所で作業をしていました。右手からの田村川沿いの林道と合流すると、いつしか道は舗装道となり、まもなく林道・小岐須峠方面への分岐点に達しますが、一旦通り過ぎ、眺望を期待してNTT電波塔を目指しました。
 下から見上げる電波塔は高く、ストロボ点灯用のリレーのカチカチいう音だけが鳴り響いていましたが、高円山方面を除いて眺望はありませんでした。塔の上から眺めてみたいものですが、そうはいきません。しかし、塔の周囲にはイワカガミがたくさん咲いており、また鹿の糞もたくさんあったので、少しほっとしました。
 空腹に耐えながら再び林道・小岐須峠方面への分岐点に戻り、今日初めての登山道に入っていきました。きれいな二次林が広がり、やはり山道はいいなぁと思いながらほぼ平坦な尾根上の道をいくと、林の下草の上にギンリョウソウが顔を出していました。10分も歩けば主稜線上の小岐須峠。水沢峠からの稜線の道、カワラコバ道との合流です。ここからはいよいよ宮指路岳本峰の登り、ちょうど林道から撮った写真の左斜面を登っていることになります。傾斜が緩くなるともう山頂は間近。やがて三叉路を左にとって馬乗り岩、そして山頂です。ここはあまり眺望には恵まれませんので、先ほどの三叉路まで戻り、分岐路を行くと、まもなく展望岩に出ます。ここからは、東を除き、眺望が楽しめます。しかし、足下を見ると、田村川上流部が、2つの林道工事でいかに痛々しい状態になっているかも目に入り、悲しくなってきます。下りは今来た道をひたすら下り、1時間半ほどで駐車地に戻ります。もうここまでくると空腹も忘れていました・・・ちなみに工事関係者以外には一人にも出会わなかった山行でした。


周囲からの宮指路岳(滋賀の山、山姿写真集・鈴鹿南部より):データ等詳細は、こちらをご覧ください。



仙ヶ岳からの宮指路岳
といっても、上側で目立つのは御在所岳(左)と鎌ヶ岳。宮指路岳は下の台形のピークです。
展望岩は、ピーク左端の岩。その右に馬乗り岩も見えます。2001.10