瓢箪崩山と箕ノ裏ヶ岳 Mt. Hyotankuzure & Minouragatake 

撮影日:2015/10/4 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


 瓢箪崩山532mは、京都北山の南東端、大原の里の南西にある山です。その昔、高野川沿いの道が整備されるまで、都から大原へのメインルートは、岩倉からこの山を越えるルートだったようです。一方、箕ノ裏ヶ岳(みのうらがたけ)432mは岩倉の北、静原の南西にあたり、岩倉と静原を分けています。また、その西は叡電鞍馬線の走る静市となります。そんなわけで、大原から瓢箪崩山を越えて岩倉に下り、そこから箕ノ裏ヶ岳を西に越えて静市に下るルートを考えてみました。一方の山だけでは少し物足りないので、二つ合わせてちょうどお手頃なルートになったと思います。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

ルートマップ




戸寺のバス停を降りる @
戸寺は、地下鉄の国際会館からバスで大原に向かう途中のバス停です。大原のすぐ南側です。



金毘羅山と翠黛山 @
バス停の横から、大原の西にそびえる金毘羅山573m(左)と翠黛山577m,です。



焼杉山 @
そして、その右には大原の北側の焼杉山717m。大原三山の最高峰です。



瓢箪崩山 @-A間
バス停から少しだけ南に戻って、右(西)に下り、高野川の橋を渡ります。その手前から、いまから登る瓢箪崩山の姿が見えます。
確かに、山としての形が、どことなく捉えがたく、瓢箪を崩したような形と言えば、そんな気もする山容です。



ここを左折 @-A間
高野川を渡ると、次の辻を左(南西)にとります。



次も左折 A
少し進むと、次の三叉路。ここも左折(南)します。ちょっとユニークな飛び出し坊やが案内してくれます。



権現山 A-B間
振り返ると、比良山系の権現山996mです。大原からも比良が見えるところがあったんですね。



舗装が終わる B
右に井出の棚田を見ながら進むと、最後の民家の先で舗装が終わり、林道となります。



獣よけフェンスが登山口 B-C間
その先で、左から流れ(長谷)が近づき、やがて獣よけフェンスが道を塞ぎます。ここが登山口。瓢箪崩山は大原の里
十名山の3番になっているようです。フェンスにあるドアのロックを外して開け、内側に入ります。ロックは必ず戻しましょう。



薄暗い谷沿いの道 B-C間
ここから、長谷に沿った長い林道を登っていきます。林道といっても、途中からは倒木が塞いでいて、車は入ってこれません。杉の植林帯が続き、昼間でも薄暗い道です。



徐々に傾斜がきつくなる C-D間
Cを過ぎたあたりから林道の傾斜がだんだんときつくなり、沢の水も減ってきました。



峠が見えてくる C-D間
最後は踏み跡がよくわかりませんが、沢の底あたりを登っていくと、先が峠状に切れ込んできます。いよいよ寒谷峠です。



寒谷峠 D
登山口から45分で峠に着きました。ここで、道が5本合流しています。大原・戸寺から今上がってきた道(北東)、
江文峠への道(北)、岩倉へ下る道(南西)、南へ尾根の巻道(南)、そして岩場を登って瓢箪崩山の山頂に向かう道(南東)です。




瓢箪崩山への道 D
瓢箪崩山の山頂へはこの岩場を登ります。赤いテープがなかったら道とは思えないところですが、
岩場はすぐ終わります。なお、巻道を少し進んで左に登っても、すぐ合流できます。



その先の尾根道 D-E間
あとは、このような尾根を10分ほど登るだけ。



瓢箪崩山・山頂 E
三等三角点「大谷」のある山頂に着きます。標高は532.0m。



山頂からの比叡山 E
あるガイド本には眺望はないと書かれていましたが、南東が大きく切り開かれて、比叡山848mがよく見えました。
ちょっと感激です。先ほどバスで通った八瀬近衛の街を超えて、3.7kmの至近距離からの比叡山です。



大尾山 E
北東には大尾山(梶山)681mが見えていました。



蓬莱山 E
杉の梢の間から比良方面。先ほど麓から見えていた権現山の上に蓬莱山1174mが現れました。距離はほぼ15kmです。



寒谷への下り F
山頂から再び寒谷峠に戻り、今度は西に下って峠の名前の由来にもなっている寒谷に下ります。最初は山腹を下りますが、ここFで鋭角に曲がって寒谷沿いの道となります。



寒谷沿いの林道 F-G間
登りに使った長谷沿いの林道よりもしっかりした道です。



苔むす道 F-G間
ちょうど苔に胞子が出ているところでした。



飛騨の池 G
大きなため池です。この辺りの柿の木で2013.12にクマの爪跡とフンが見つかったそうです。



岩倉長谷町に出る G-H間
まもなく市街地に出ました。岩倉長谷町です。その後しばらくは街歩き。



瓢箪崩山 G-H間
しばらく歩いて東を見ると、いま降りてきた瓢箪崩山の姿がありました。ほぼ真ん中が山頂です。



箕ノ裏ヶ岳 G-H間
そして北には今から登る箕ノ裏ヶ岳です。



比叡山 G-H間
岩倉村松町の手前まで来ました。南東には比叡山。



近くなった箕ノ裏ヶ岳 G-H間
そして北には近づいた箕ノ裏ヶ岳です。



田んぼの間から山際へ H
山際を流れる川沿いの道へと向かいます。



山際の道 I
山際の道を坂原峠に向かって進みます。舗装はなくなり、細くなり、草が多くなってきました。



お地蔵さま I-J間
杉の根元に二つの石。石仏のようです。



坂原峠への登り I-J間
流れを詰めていくと、道は大きく左に振って山腹を登ります。すぐに峠です。



坂原峠 J
峠はいままでとガラッと雰囲気が変わって、墓地の東屋がありました。静原の墓地だそうです。ここで、西に尾根を登ります。



尾根道(1) J-K間
ここからは箕ノ裏ヶ岳の尾根道です。



尾根道(2) K
崩壊した小屋の横を過ぎて、獣よけの網フェンスに沿って歩きます。このあと稜線から右に外れて、P303を巻きました。



尾根道(3) K-L間
しばらく固定ロープの付いた急登があり、それが過ぎて傾斜が緩むと、山頂は間近です。



箕ノ裏ヶ岳・山頂 L
箕ノ裏ヶ岳の山頂です。中央に三等三角点の石標。点名は「藤ケ森」、標高は432.3mです。



なぜ「け」? L
三角点の後ろにある山頂の立て札を拡大。右の縦書きのものは「箕裏け嶽」。左のライオンズクラブのも「箕○け嶽」。なぜ「け」?本来、
箕ノ裏ヶ岳の「ヶ」は、「の」の意味の「ガ」が「ケ」という字であてられたものでしょうが、それを勘違いされて「け」としてしまったようです。



樹間から天ヶ岳 M
山頂からは西の尾根道を進みました。途中、一か所北が透けて見える場所。そこから、ちょうど天ヶ岳が高く聳えていました。



繁見峠への道 M-N間
途中までは西に尾根を下りますが(上)、途中で左に大きく曲がり、山腹を下って繁見峠へ。



繁見峠からの比叡山 M-N間
繁見峠すぐ手前からの比叡山です。



繁見峠 N
まもなく小広い繁見峠に出ました。右へは下らずに前の林道を進み、市原駅を目指します。



峠の案内板 N
ここでも、「け」が健在です。



野中町に出る O
林道は途中から工事中でう回路を行くようになり、やがて次の林道に出ました。それを南に進んで野中の街に入りました。



市原駅へ P
橋の先の左へ上るスロープを登れば、叡山電鉄・市原駅のホームです。



山行記録:日時−2015年10月4日、天候−晴れ。京都地下鉄烏丸線の国際会館で降り、9:50発の大原行バスに乗り、10:08に戸寺着。料金は310円でした。10:16 戸寺バス停@を出発、10:24 三叉路A、少し先のDから10:30 瓢箪崩山登山口B-C、11:15-24 寒谷峠D、11:35 瓢箪崩山・山頂E着。昼食後、11:45 山頂発、11:52 寒谷峠D、12:02 F、12:21 飛騨の池G、12:25 岩倉長谷町、村松町を経て12:57 H、13:26 坂原峠J、14:07 箕ノ裏ヶ岳・山頂L着。休憩後、14:23 山頂発、14:53 繁見峠N、15:14 野中町O、15:23 叡山電鉄・市原駅P着。

行程時間5時間10分、歩行時間4時間半、歩行距離は12.7kmのルートでした。この二山は一方だけだと2時間半ほどの少し中途半端な山行になるので、まとめて歩くにはどのルートがいいかを考案中でした。たぶん距離的にも時間的にもいいルートになったと思います。

MAP


この地図は国土地理院の地理院地図をベースに作成いたしました。