直谷から魚谷山、貴船山 Mt. Iodani & Kibune from Sugitani 雲ヶ畑・出合橋〜直谷〜柳谷峠〜魚谷山〜柳谷峠〜滝谷峠〜貴船山・最高峰〜貴船山〜貴船山・三角点峰〜二ノ瀬駅 

魚谷山816mは、桟敷ヶ岳の南東方向にある樹林に包まれた静かな山です。この日は雲ヶ畑の出合橋から歩き始め、直谷を詰め、柳谷峠を経て魚谷山へ。その後、直谷に戻って、滝谷峠を目指し、そこから二ノ瀬ユリ道で二ノ瀬駅へ向かいましたが、途中に貴船山の3峰(最高峰722m、通常の山頂716m、三角点峰699m)に寄ってきました。直谷は、クリンソウが真っ盛り。ヤマシャクヤクも見ごろを迎えていました。なお、写真の後ろの丸数字は、最後のルートマップの番号(黒)と対応しています。また、今回のルートは赤いルートです。ピンクのルートは、こちらへ。

●ルートMAPへ


山行写真
撮影日:2015/5/3 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


北大路のもくもく号待ち
京都地下鉄の北大路駅から上ってきた西行きのバス停です。もくもく号を待つ人々が既にいっぱい集まっています。GW真っ最中のこの日は自分を
入れて合計37人待ち。もくもく号(9人)のほか、タクシー車輌(4人)×7台でちょうど全員乗せてただきました。もちろん、バスとして運行してくれます。




出合橋にて @
出合橋でタクシー(バス)を降りて見送ります。



出合橋から北を望む @
この川が中津川です。魚谷山へは、この川を源まで遡っていくことになります。



林道を進む @-A間
当分は舗装された林道を歩きます。



ウワミズザクラ @-A間
ブラシのような白い花が特徴のウワミズザクラです。



林道分岐点 A
やがて、分岐点に到達します。左は魚谷峠にのぼる林道で、右が直谷(すぎたに)への林道。どちらでも魚谷山に登れますが、クリンソウを見るなら右でしょう。



地道となる A-B間
やがて舗装は終わり、川沿いの地道となりました。このあたりから、時折クリンソウを見かけました。



樋ノ水峠への道を見送る B
右手に川を渡る木橋が見えてきました。この道は、あとで通る貴船山の樋ノ水峠Pに登る道です。



小屋の残骸 C
たぶんこれが直谷山荘の残骸ではないでしょうか?



麗杉荘 D
今度は建っている小屋がありました。麗杉荘(れいざんそう)です。ただ、こちらももう古くて危険なため、
使われていないようです。すごく由緒のある小屋であることは、いろんな資料やHPに書かれています。




林道からの分岐点 E
林道が急に右に曲がるところEが林道との分岐点で、小さな流れを丸太橋で越えます。その先の砂防ダムの右側に道が続いています。



直谷の道 E-F間
直谷の流れを何度も渡渉しながら進んでいきます。



直谷のクリンソウ(1) F周辺
さて、これがクリンソウです。F周辺が最も多く咲いていました。サクラソウの仲間では、もっとも大きな種類です。



直谷のクリンソウ(2) F周辺
葉も立派です。花は下から順に咲いていきます。鈴鹿山脈では一切見ない花です。比良には打見山にありますが、たぶん植栽です。



直谷のクリンソウ(3) F周辺
芯は黄色く、周囲はピンクです。他にもオレンジ系などいろいろな色があるようですが、直谷ではこの一色です。



今西錦司博士レリーフ F
右岸の岩に有名なレリーフ。京都北山の名付け親でもある今西錦司博士です。



直谷のヤマシャクヤク(1) F周辺
そして、これがヤマシャクヤク。こちらは、ここ周辺にのみ咲いていました。貴重な花です。絶対に採ったりしないでほしいです。



直谷のヤマシャクヤク(2) F周辺
北鈴鹿以外では、初めてお目にかかりました。



細くなる直谷 F-G間
流れはだんだんと細くなります。相変わらず右岸に行ったり、左岸に行ったり。。



柳谷峠への道(1) F-G間
柳谷峠への登り勾配が徐々にきつくなってきました。まだクリンソウがたくさん咲いています。



柳谷峠への道(2) F-G間
もう流れはちょろちょろといった感じ。中津川の源流です。




柳谷峠 G
流れが枯れると、間もなく柳谷峠です。標高はほぼ770m。



山頂直下 G-H間
峠からは左にわずかな谷状地形を進み、そのあと右に登っていきます。



魚谷山・山頂 H
着きました。標高816.0mの山頂です。三角点は三等で、点名は「柳谷」です。



滝谷峠への近道の分岐 I
山頂Hから柳谷峠Gに戻り、さらに来た道を進んでレリーフ前Fを過ぎ、その先で左への分岐をとります。
ここがその分岐点で、右が川沿いのEへの道。杉の木の左が今から進む、滝谷峠への近道です。



滝谷峠への登り口 J
Iからは少し上がると細い林道に出ます。それを少し登って小さな峠を越え、下って
いくと堰堤があり、その左手に谷が見えてきます。ここが滝谷峠へ野登り口Jです。



滝谷峠への登り(1) J-K間
最初は一つ前の写真のように杉の木などで谷が荒れていましたが、登るにつれて、このように落ち着いてきました。



滝谷峠への登り(2) J-K間
このあたりから先、踏みあとはよくわかりませんが、登れるところを上へ。



古い道形に出る J-K間
すると、やがて段差があり、その上は古い道形でした。この先はこれを登ります。



滝谷峠 K
間もなく、滝谷峠に出ました。ここから二ノ瀬駅方面へ、二ノ瀬ユリ道に入ります。



山上のハイウェイ K-L間
二ノ瀬ユリ道です。まさに山上のハイウェイです。このあたり、稜線を行く国土地理院の地形図と実際のルートが違います。実際は滝谷峠からすぐに巻き道に。



焼杉山 K-L間
左手、木々の隙間から焼杉山が見えました。他にも、天ヶ岳、天狗杉、花脊大鉄塔、金毘羅山、翠黛山、小野山、大尾山が見えました。



植林をいく K-L間
二次林、植林が交互に現れます。



最高峰の巻き道 K-L間
ちょうど右に貴船山の最高峰があるあたりです。ピークを通ることなく、わずかに標高を落としながら巻いていきます。これが「ユリ道」です。



最高峰への登り口 L
Lで再び稜線が下りてきて、ルートは尾根上に乗りました。ここで振り返ったのが上の写真。消防署が設置してくれて
いるK番の立て札のところです。ここから、踏みあとはありませんが、尾根上を進むと、722mの最高峰に行けそうです。




貴船山・最高峰の山頂 M
しばらくはまっすぐの尾根上を上がり、高所に着いたら左に曲がってさらに
高みを目指すと、山頂に着きました。P722の小さな札がかかっていました。




右側山腹道 L-N間
再びユリ道に戻って南へ向かいます。初めて、右側の山腹道になりました。



山頂への道 L-N間
次にめざすのは、地形図に「貴船山」とある標高716mの、いわゆる貴船山・山頂。右側山腹を
巻いていたユリ道が再び左側山腹を巻くところで尾根に乗り、少し進んだのがこの写真です。




貴船山・山頂 N
山頂は植林の中ですが、少し広場があって、石積みのケルンがありました。



ユリ道との合流点 N-O間
貴船山・山頂から南に尾根を下り左に寄るとユリ道に合流します。写真は合流直後、振り返ったところです。



谷道となる N-O間
その後、また右側の巻き道となって、やがて小さな谷に沿って急に下るようになります。



樋ノ水峠分岐 O
かなり下った先に、樋ノ水峠への分岐がありました。貴船山の三角点峰Qに向かうには、まず
樋ノ水峠Pに。いま下った標高分を取り戻さないといけないので、ちょっときつそうです。




樋ノ水峠への登り O-P間
最初は西向きに植林帯を登りますが、北に曲がると、二次林の美しい道になります。



苔むした巨岩 O-P間
その後再び植林の中へ。そこに、この苔むした巨岩があります。何か「いわれ」がありそうな立派な岩です。



樋ノ水峠 P
間もなく樋ノ水峠です。まっすぐ越えると、朝通った直谷のBに下りますが、ここは三角点峰をめざして、右の尾根を行きます。



貴船山三角点峰・山頂 Q
峠から5分も登ると、三角点のある広場です。二等三角点「二ノ瀬」、標高は699.4mです。今回は初めてなので、素直に
樋ノ水峠経由で登ってきましたが、この先も尾根上にテープがあり、貴船山・山頂から、尾根づたいにも来れそうです。




さらに広くなったユリ道 O-R間
三角点峰から、樋ノ水峠P、峠分岐Oと戻り、再びユリ道に入って二ノ瀬駅を目指します。この辺からさらに道は広くなり、小さい車なら通れそうな感じです。



夜泣峠分岐 R
Rでユリ道が稜線から離れて左に下り、稜線には夜泣峠に向かう細い道が。二ノ瀬駅へは夜泣峠から左に下ってもいいのですが、今日はユリ道で下ります。



ヘアピン R-S間
かなり下ってきました。このあたりに2回のヘアピンカーブでぐんと標高を落とす箇所が2箇所ありました。もう二ノ瀬は間近です。



富士神社・守谷神社 S
ユリ道は最後に神社の前で夜泣峠からの道と合流し、踏切を渡ります。これは、振り返ってユリ道(右)、夜泣峠からの道(左)を見たところ。



二ノ瀬駅への階段
ホームへは、この階段を上りました。14:55の電車が来ていたので、ちょっと焦って登りました。これだけ歩いてきた体にはかなりきつかったです。



山行記録:日時−2015年5月3日、天候−晴れ。8:30 北大路駅のもくもく号乗り場着。9:05 雲ヶ畑・出合橋@下車後、出発。9:38 林道分岐A、10:02 樋ノ水峠分岐B、10:20 麗杉荘D、10:27 林道からの分岐点E、10:44 今西錦司博士レリーフF、11:06 柳谷峠G、11:16 魚谷山・山頂H着。昼食後、11:33 山頂発、11:53 滝谷峠への近道の分岐I、12:02 滝谷峠への登り口J、12:18 滝谷峠K、12:42 貴船山・最高峰への登り口L、12:48 貴船山・最高峰M、13:03 貴船山・山頂N、13:20 樋ノ水峠分岐O、13:39 樋ノ水峠P、13:44〜50 貴船山・三角点峰P、14:05 樋ノ水峠分岐O、14:20 夜泣峠分岐 R、14:49 富士神社・守谷神社S、14:55 叡山電鉄・二ノ瀬駅着。

さすがにGW中の晴れの日で、発車10分前のもくもく号のバス停にはすでに多くの人(計37人)がバス待ちでした。もくもく号は本来9人乗りのワゴン車で運用されていますが、当然乗り切れません。こんな日は残る客たちをタクシー車輌をバスの増便として運用してくれます。もちろん、運賃も500円のまま。タクシー車輌もそんなに時間をかけずに集まってくれるので、着時刻もそんなに変わりません。ぼくも何台目かのタクシー車輌に乗せていただいて、9時過ぎには出合橋バス停に着いていました。クリンソウがちょうど良いこの季節、もっと多くの人が出合橋で降りるのかと思いきや、意外にぼくだけでした。中津川を遡っていくと、AとBの間から、クリンソウがちらほらと見られ始めました。でも、やはり見ごたえがあるのは、今西錦司博士レリーフF周辺でした。このあたりにはヤマシャクヤクの群生もあり、みごとなものでした。その後も柳谷峠Gの少し下までクリンソウは咲き続け、見甲斐がありました。魚谷山はまさに静かな山でした。山頂Hも静かそのもの。最後に、ようやく魚谷峠方面からの3人連れのグループにお会いしましたが、その後滝谷峠Kに着くまで、人とはほとんど会いませんでした。こんないい季節なのにもったいないような気がします。一方、滝谷峠から先、二ノ瀬ユリ道ではかなりのハイカーとすれ違いました。すぐとなりなのに、山によってずいぶん違うものです。貴船山はどこが山頂なのか捉えにくい山なので、3つの峰に登ることにしました。実は滝谷峠以南の最高点はさらに他にあって、それは滝谷峠からすぐ南西のピークで、これが726mほどあります。でも、さすがにここはちょっと貴船山の一部とは言いづらいところで、今回はこれはパスしました。Mの最高点722mは、Lから登れば10分もかからずに行けました。P722の札がかかるのみでしたが、美しい二次林の中にピークはありました。次の716mピークNは国土地理院の地形図の「貴船山」と書かれた峰なので、一般にこれを貴船山とみなすものが多いようです。道はよく踏まれており、山頂にはケルンもあって、多くの方が来られているのがわかりました。最後の三角点峰Qは樋ノ水峠P経由では、なかなかしんどいルートでした。Oが標高556mなので、140mほど登りかえさないといけないからです。ちょっと足がパンパンになってきました。NからQのルートは一般的ではないようですが、テープもあり、次の機会に試してみます。最後に、電車がホームに止まっているのが見えて階段を走ったせいで、さらに汗だくになってしまいました。電車に乗ったのはいいですがGWのこの日はかなりの満員電車状態で、汗が滴り、カメラも片付けられず、すごく困りました。迷惑な客だったと反省しています。

MAP


この地図は国土地理院の地理院地図をベースに作成いたしました。

写真の番号は地図の赤いルート上の黒字の番号と対応しています。ピンクのルートはこちらへ。