途中峰とナッチョ(天ヶ森)  Mt. Tochuumine & Natcho (Amagamori)

 京都北山と比良山系が接する花折峠から南西に延びる長い稜線があります。その尾根上に812mの無名峰があり、さらにミタニ峠を過ぎて、ナッチョ(天ヶ森)813mがあります。812mの無名峰は、「途中越」や「途中トンネル」で知られる大津市伊香立途中町を見下ろすように立っています。ところが山頂に行っても、「P812」とか「大のK1」といった、気の毒な山頂札しかなく、私はこのHP群で勝手に「途中峰」と呼んでいます(ちゃんとした名前があったらごめんなさい。ぜひ教えてください!)。一方、ナッチョは別名天ヶ森で、京都府の山です。どちらの名前も半々に使われているようです。でも、ナッチョっていったい??秋も深まる頃、花折峠の旧道を峠まで登り、そこから途中峰、ミタニ峠、ナッチョを経て、百井に下りました。車を花折峠の下の平に置いてきたので、ここから百井(ももい)川に沿って延々と下りました。ヒノコから先は左岸の林道を進みますが、滋賀県境近くで道は無くなります。少し先の右岸には滋賀側の林道があるのですが、この間は・・・?。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。


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山行写真
撮影日:2008/11/23 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K10D、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


途中のイチョウ
堅田から途中へ向かう県道の名物イチョウです。きれいに色づきました。



花折峠・旧道入口(北側) @
国道367号線はトンネルで抜けてしまいますが、花折峠は旧道がしっかり残っています。チェーンがあって、車は入れません。



旧道を登る @-A間
車は来ないのでのんびりと登れます。なぜだかしっかりと舗装されています。この先で、比良のアラキ峠への登山道が左へ分岐します。



あの先が花折峠 A
歩くこと15分弱、峠の切通しが見えてきました。



花折峠 A
かつての交通の要所で、鯖街道の一つでもあった峠です。



尾根道の入口 A
峠にある高い電柱の右を入ります。電柱をよく見ると「←三谷峠」と書いてます。



比叡山地北部の山々 A-B間
山道に入って間もなく、左にこんな眺望がひろがります。比叡山地北部です。一番手前が宮メズラ/魚の子山、鉄塔が立つ大尾山
きれいな三角形の水井山、左にずれて三石岳、最遠方が比叡山(大比叡)です。




途中峰 B
そして、さらにちょっと先からは、めざす途中峰812mです。ほんと、無名峰にしておくにはもったいない、いい峰です。



山腹の道 B-C間
しばらくは尾根に上がらず、左の山腹を登ります。


尾根上の道(1) B-C間
尾根に乗ると、このような植林中を登っていきます。



P762 C
やがて地形図の762mピークに着きます。ここで尾根が少し曲がります。



虎ロープの登り C-D間
少しきつい登りとなりました。虎ロープを張ってくれています。



途中峰・山頂 D
やがて、標高812mの仮称・途中峰・山頂です。霧が出てきて、眺望はよくわかりません。でも、落葉樹の多い、きれいな林です。
ここは、滋賀と京都の境でもあります。ここから先は京都府。




北西へ D-E間
山頂から北東に向きを変えて尾根を行きます。南方向に県境の尾根も延びているので、そちらに入らないように・・・



きれいな紅葉 D-E間
途中峰までは植林が多かったのですが、その先はきれいな二次林で、紅葉もばっちりです。



溝道 D-E間
溝道となりました。かつて、生活道として多くの人が行き交ったのでしょう。



ミタニ峠 E
溝道はやがて最低鞍部に達し、ここがミタニ峠かな?と、見まわしましたが何もなく、さらに少し登りながら進んで、
鞍部ではないところに「ミタニ峠」と表示されていました。確かに、ここで小出石からヒノコへ道が越えています。




琵琶湖の眺め E-F間
三谷峠から登りなおすと、左に琵琶湖が見えてきました。手前の尾根が、県境尾根。琵琶湖の向こうには三上山(左端)や阿星山(右寄り)も。


蓬莱山と途中峰 E-F間
そして、振り返ると、後方に比良の蓬莱山、その手前にさっき通った、途中峰です。



稜線上の道 F
けっこう長い間、稜線の真中に鹿よけネットが張られていました。



ナッチョ(天ヶ森)山頂 G
小広い山頂に着きました。大きな看板には「ナッチョ」の方が。でも「天ヶ森」もいくつかありました。



琵琶湖大橋 G
山頂からは堅田と琵琶湖大橋がこんなに近くに見えました。



三上山 G
ちょっと霞んでいますが、山頂からの三上山です。京都の北山から琵琶湖や近江富士が見えるのは、あまり知られていません。



百井への下り H
百井への下りも、なかなか立派な道でした。



花脊の鉄塔 H-I間
右前方に花脊の鉄塔が意外に近くに見えました。



林道に出る I
最後はこの崖を滑り降り、林道に出てきました。ほぼIのあたりでしょう。



百井の三叉路 J
林道を下りきって百井の集落に入ってきました。ここを右に進みます。



百井川沿いに下る道 K
川沿いに下っていきます。車を置いた平の集落もこの川の下流です。


細くなる林道 L
ヒノコの手前で大見への道を左に分け、百井川左岸の道は徐々に細くなり、右に釣り堀が
あるところで、こんな感じです。さらに狭く、荒れてきたのちにやがて、この道はほとんど消えてしまいます。




平分岐 M
まっすぐ行くと皆子谷に入り、皆子山に登ってしまいます。ここを右下に下りました。



その先の道 N
最初は踏み跡がありましたが、やがて薄くなり消えてしまいました。適当な場所で、川を渡るしかないようです。



渡渉ポイント O
もっといい所があったかもしれませんが、前にも進めなくなり、こんなところで渡りました。
しっかりと流れていてしかも結構深い。とうぜん、ソックスまでずぶ濡れになりました。




対岸の林道 P
右岸の林道です。あとはこれで下るだけ。でも、靴がびしょびしょで冷たいです;;



平から、途中峰 Q
平まで戻ってきました。振り返ればさっき登った途中峰。でも、ここからは山頂でなく、P762が見えているようです。


山行記録:日時−2008年11月23日、天候−曇りのち晴れ。10:20 平の国道沿いの空き地に駐車し、花折峠・旧道入口@を経て、10:35 花折峠A、11:15 P762C、11:35 途中峰山頂D着、その一角で昼食。昼食後、12:05 山頂発、12:40 ミタニ峠E、13:20 ナッチョ(天ヶ森)山頂F、13:40 林道出合I、14:00 百井三叉路J、14:45 L、15:10 渡渉ポイントN、15:50 平集落Q、15:55 駐車地P着。

 以前から気になっていた途中の町を見下ろすように立つ、812mの形のいい峰に花折峠から登ってみました。やはりいい名前が付いていないようなので、「途中峰」と勝手に呼んでいます。尾根はさらに続き、ナッチョと呼ばれる813mの峰まで歩けます。しかし、ここで困ったのは、車を取りにどうやって平まで戻ろうか?ということです。最初、小出石に下りてバスでなんていうプランも考えたのですが、かつてより百井川を下って帰るルートを探索したかったので、今回これを加えることにしました。百井川は百井から下ると、ほぼ滋賀県境まで左岸に、滋賀に入ると右岸に林道があることが地図でわかります。ただ、その間はいけるのかどうかもよくわかりません。そんなわけで、行ってみることに。
 花折峠の旧道は車は通行止めなのに新しい舗装がしてあり、すんなりと歩いて行けます。ここからの尾根道も、思った以上によく踏まれており、迷うところはほとんどありませんでした。途中峰と名付けた峰は、近くから見てもなかなか素晴らしい形で、なぜこんな秀峰が無名峰なのか、理由がわかりません。山頂でお昼を食べている頃、複数の犬の激しく吠える声が聞こえてきました。猪猟のようです。時折銃声も聞こえてきました。近づいてきて尾根に上がってこないように祈りながら、先へ進みました。この季節は、これがいやです。猪と間違えられてパンッ、なんてことも起こっていますし・・・さて、尾根道はこの先もよく踏まれていて、猟犬たちも遠ざかっていってくれました。やがて、ナッチョ。この頃、お天気も回復してきて、琵琶湖がきれいに見えました。京都府の山から琵琶湖がこんなに間近に見えるとは、ちょっと意外でした。ナッチョの先、しばらくいい道が続きましたが、やがて林道に吸収されます。林道を百井に下り、今度は百井川沿いに平まで下るルートです。距離も8kmぐらいはありそうですが、ほとんどが歩きやすい車道〜林道でした。ただ、県境付近はやはり道がなくなり、渡渉のタイミングが良くなかったせいで、靴の中までびしょびしょになってしまいました。もう少し渡りやすいところがあったようですが・・・まあ、初めてならこんなもんでしょう。百井から2時間弱で、歩き始めから5時間半ほどで、車をとめた平に戻ってきました。(単独)


ルートマップ


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(花脊、大原)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。