剱岳の花   Flowers on Mt. Tsurugidake 

室堂平から剱岳への山行(2010.8.21-22)で出会った高山植物です。花の写真の下の数字(Aなど)は撮影地で、最後のMAPの番号と対応しています。そのときの山行写真記はこちらへ。



撮影日:2010/8/21-22 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5

キクの仲間


タテヤマアザミ
(キク科アザミ属)
上二枚はミクリガ池A付近、下は剱沢の剣山荘D近くにて。総苞片が比較的短く、
葉が独特の形状であまり深くえぐられない、などの特徴で他種と見分けられます。



カンチコウゾリナ
(キク科コウゾリナ属)
カンチは寒地。葉や茎に剛毛が多く、ざらつくのでコウゾリ(かみそり)の名が。ミクリガ池付近Aで。



ゴマナ

(キク科シオン属)
鈴鹿、特に御池岳でおなじみのゴマナが、こんな高地に咲いていました。ちょっとびっくり。ミクリガ池付近Aで。



タカネヨモギ
(キク科ヨモギ属)
花なんですが、つぼみのようでもあります。いわゆる花びら(正しくは舌状花)がありません。
それに、みんな下を向いて咲いています。そんなわけで、地味で目立たない花です。雷鳥沢の登り(B−C間)にて。




ウサギギク
(キク科ウサギギク属)
高山のきれいな菊です。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。



オトギリソウ


シナノオトギリ
(オトギリソウ科オトギリソウ属)
長い雄しべが特徴的な花です。雷鳥平Bにて。


リンドウの仲間


イワイチョウ
(リンドウ科イワイチョウ属)
室堂ターミナル近くでおなじみの花ですが、これは雷鳥平Bで撮影。リンドウ科が出てきたので、今回見ることができたリンドウの仲間を続けて紹介します。



オヤマリンドウ
リンドウ科リンドウ属)
紫色の濃いリンドウらしいリンドウです。血の池付近(A−B間)にて。



ミヤマリンドウ
(リンドウ科リンドウ属)
場所柄、タテヤマリンドウかと思っていましたが、調べてみると葉の開き具合等でミヤマリンドウのようです。雷鳥沢の登り(B−C間)にて。



ツツジの仲間


ツガザクラ
(ツツジ科ツガザクラ属)
針葉樹のような葉をしていますが、ツツジの仲間です。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。しばらく、つつじの仲間です。



アオノツガザクラ
(ツツジ科ツガザクラ属)
青っぽいのでこの名前が。ツガザクラと違って花の先がすぼまっています。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。



ミヤマホツツジ
(ツツジ科ホツツジ属)
雌しべが象の鼻のように長く出っ張っています。雷鳥沢の登り(B−C間)にて。



シラタマノキ
(ツツジ科シラタマノキ属)
白い玉のような実がなるシラタマノキの花です。小さいですが、壺型のかわいい花です。前剱Fにて。



クロウスゴ(実)
(ツツジ科ウスノキ属)
こちらはもう実になっています。自然界のブルーベリーです。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。



バラの仲間


ミヤマキンバイ
(バラ科キジムシロ属)
里に咲くキジムシロによく似ています。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。



チングルマ
(バラ科ダイコンソウ属)
高山植物の代表・チングルマです。やっぱりいい花です。この時期は花と果実(下)の両方を見ることができます。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。



ベニバナイチゴ(実)
(バラ科キイチゴ属)
雷鳥沢の登り(B−C間)にありました。すごくきれいで大きいキイチゴです。でも、姿の割には味はいまいち〜渋いです。



ウラジロナナカマド
(バラ科ナナカマド属)
早くも実が色づいてきました。雷鳥沢の登り(B−C間)にて。



ユキノシタの仲間

ミヤマダイモンジソウ
(ユキノシタ科ユキノシタ属)
別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。大の文字は、右足が長かったり、左足が長かったりと、まちまちです。



クモマグサ
(ユキノシタ科ユキノシタ属)
この山域でも決して多くはなく、ほぼ一箇所でしか見られませんでした。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。



その他の花

ヨツバシオガマ
(ゴマノハグサ科シオガマギク属)
薄紫の可憐な花です。アップにしてみると、鳥の嘴のような姿がよくわかります。雷鳥平Bにて




ハクサンイチゲ
(キンポウゲ科イチリンソウ属)
白くて可憐な花です。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。




コイワカガミ
(イワウメ科イワカガミ属)
鈴鹿でよく会うイワカガミの高山版。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。




ハクサンボウフウ
(セリ科カワラボウフウ属)
ミツバのような葉、それに花びらの先が少し凹んでいることで区別できます。花の周辺には独特の香気が漂います。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。




チシマギキョウ
(キキョウ科ホタルボクロ属)
花びらの先に毛のあるチシマギキョウです。前剱Fにて。




ミヤマトリカブト
(キンポウゲ科トリカブト属)
トリカブトの分類は難しいです。葉の感じからたぶんミヤマでしょう?一服剱−前剱間(E−F間)にて。




ハクサンフウロ
(フウロソウ科フウロソウ属)
やはりこの花が咲いているとうれしくなります。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。




オンタデ
(タデ科オンタデ属)
富士山に多い種です。荒れ地にも強いたくましさがあります。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。




クルマユリ
(ユリ科ユリ属)
今回はあまり見ることはできませんでしたが、やはり重要な高山植物です。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。




ヒメクワガタ
(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)
小さく目立たない花です。楕円型の葉が対生します。別山乗越−剣山荘間(C−D間)にて。



MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(剱岳)をベースに作成いたしました。

山行写真記はこちらへ。