霊仙山   Mt. Ryozen

概要
 鈴鹿山脈のほぼ最北端に位置する霊仙山(りょうぜんざん)は、山東〜関ヶ原の盆地を隔てて、伊吹山と対峙する位置にあります。伊吹山や御池岳と同様に石灰質の山なので、山頂部は高原状の台地で、緩やかな起伏の草原上にいくつかの峰が並んでいます。そこから、比較的急峻な尾根が四方に派生しています。山頂台地上は、笹の大草原で、ここからの眺望は素晴らしいものがあります。奈良時代にはこの山頂部に泰澄開基の霊仙寺という大寺院が建ち、のちに中国で三蔵となった霊仙三蔵というえらいお坊さんがいたそうです。今は、山頂部でその痕跡すら見ることはできません。なお霊仙山の標高には一般に三角点の1083.5mが用いられていますが、最高点は少し東のポイントで1094mあります。

ルートについて
 霊仙山への登山道は、五本の道と、いくつかのバリエーションルートがあります。五本の道とは、下の地図に赤で示した谷山谷道、梓河内(あんさかわち)道、柏原道、西南稜道、そして榑ヶ畑(くれがはた)道です。北東から、鈴鹿山脈では非常に珍しく鉄道駅(JR柏原駅)から直接歩ける柏原道はよく整備されています。対照的に北からの梓河内道は特に夏場道が草で消えてしまうところがあり、初心者には危険です。西からは上丹生から谷沿いに登る谷山谷道(2012.9以来通行止)と、廃村・榑ヶ畑から花の多い尾根を登る榑ヶ畑道はじゅうぶんに歩かれています。そして、南西からは春に福寿草で溢れる西南稜道。ルートのイメージも変化に富んでいます。


山行写真記
榑ヶ畑道:榑ヶ畑〜汗ふき峠〜山頂(往復)、2001.5.19へ
西南稜道〜榑ヶ畑道:落合〜今畑〜笹峠〜近江展望〜最高峰〜山頂〜汗フキ峠〜落合、2019.3.23へ(YAMAP)
西南稜道〜榑ヶ畑道:落合〜今畑〜笹峠〜近江展望〜最高峰〜山頂〜汗フキ峠〜落合、2013.4.29へ(YAMAP)
西南稜道〜榑ヶ畑道:落合〜今畑〜笹峠〜近江展望〜最高峰〜山頂〜汗フキ峠〜落合、2005.4.9へ
谷山谷道(2012.9以来通行止)上丹生〜谷山谷道〜漆ヶ滝〜四丁横崖〜経塚山〜山頂〜四丁横崖〜中道〜美しが原〜谷山谷道〜上丹生、2008.9.27へ
梓河内道&柏原道:、梓河内〜梓河内道〜漆ヶ滝〜阿弥陀ヶ峰〜霊仙山七合目〜谷山・山頂〜柏原道〜JR柏原駅、2009.8.15へ(YAMAP)

霊仙山の山姿〜周囲からの霊仙山へ


霊仙山からの眺望へ


霊仙山の花へ

フクジュソウ、ヒロハノアマナ、ミスミソウ、ニリンソウ、イブキトリカブトほか
フクジュソウへ
ヒロハノアマナへ
ミスミソウへ
ニリンソウへ
その他の春の花へ
秋の花へ



霊仙山MAP



この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(彦根東部、霊仙山)をベースに作成いたしました。


周囲からの霊仙山滋賀の山・山姿写真集より:詳細はこちらをご覧ください。)




彦根より



男鬼、比婆神社参道より



長浜港より



高室山より



鈴北岳より



リョウシより




霊仙山・山頂からの眺望



藤原岳と御池岳
左手奥が藤原岳。右手に御池岳。右端に鈴ヶ岳。手前には西南稜。2001.5.19



烏帽子岳
西南稜の近江展望付近から。手前にコザトへの稜線と県境の主稜線、その向こうに烏帽子岳865m。2013.4.29



最高峰からの伊吹山
まもなく最高峰に着きました。正面に伊吹山です。その右後方には真っ白な能郷白山。手前の尾根には再建なった避難小屋が見えてます。2005.4.9



金糞岳
伊吹山の左手には金糞岳1317m。手前は七尾山691mです。2005.4.9



ソノド
初秋のソノドはまだグリーンです。晩秋には茶色一色になります。2008.9.27



伊吹山と阿弥陀ヶ峰(手前)
2008.9.27



(左から)御在所岳、雨乞岳、綿向山
御在所岳と雨乞岳の間手前には天狗堂、綿向山の右手前には日本コバです。2008.9.27



鍋尻山(中央)と高室山(左上)
右方向に急斜面を見せる鍋尻山と、山頂に草原を持つ高室山です。2008.9.27



三上山
はるか湖南の近江富士が霞んでいます。2008.9.27



霊仙山の花



フクジュソウ
西南稜の近江展望から上でフクジュソウに出会えます。岩の間から咲いている姿もいいですね。

フクジュソウ・2005.4.9

フクジュソウ・2005.4.9


フクジュソウ・2005.4.9

フクジュソウ・2005.4.9



ヒロハノアマナ
山頂部に咲くユリ型の白い花です。田中澄江氏の「花の百名山」では、霊仙山の代表としてフクジュソウではなく、ヒロハノアマナが取り上げられています。

ヒロハノアマナ・2013.4.29

ヒロハノアマナ・2013.4.29

ヒロハノアマナ・2013.4.29




ミスミソウ
雪割草とも呼ばれる可憐なミスミソウです。近江展望の下の斜面に群生しています。名前の由来となる三角の葉っぱが写ってます。

ミスミソウ・2013.4.29

ミスミソウ・2005.4.9

ミスミソウ・2005.4.9

ミスミソウ・2005.4.9

ミスミソウ・2005.4.9





ニリンソウ
霊仙山のさまざまな場所にニリンソウは咲きます。花だけではミスミソウと区別は難しいです。でも葉っぱが全く違います。

ニリンソウ・2005.4.9

ニリンソウ・2005.4.9

ニリンソウ・2013.4.29





その他の春の花

イチリンソウ・2005.4.9



クサボケ・お虎ヶ池の近くで。2001.5.19


レンゲツツジ・7合目付近で。2001.5.19


ヤマシャクヤク・2013.4.29


ヒトリシズカ・2013.4.29





霊仙山の秋の花


ミツバフウロ・谷山谷道にて。2008.9.27


フシグロセンノウ・谷山谷道にて。2008.9.27


イブキトリカブト・2008.9.27