ザラノは、鈴鹿山脈北部の近江(脇ヶ畑)カルストの峰の一つで標高は808mです。高室山から北東に延びる稜線(凉山人さんが「高ザラ尾根」と名付けられた稜線)でつながっており、今回もこの尾根を通って登りました。また、その高室山も通常は南後谷から陣屋を通るルート(こちら)が一般的なようですが、今回は国道306号線の佐目集落より、高室山から南西に延びる尾根(佐目尾根)に乗って登ってみました。このルートはほぼ二万五千分の一地形図に破線で示されているルートです。しかし、登山ルートとしては余り一般的でないようで、同行のD.O.氏(彼は既にこの尾根を二回制覇している)の案内で初めて登ることができました。
山行写真
撮影日:2003/6/7 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax KX、レンズ: Tefnon Zoom 28-105mm F3.5 ほか
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山行記録:日時−2003年6月7日、天候−曇り一時雨。9:55 佐目トンネル西入口脇(P)に駐車して出発、10:00 佐目神社@、10:05 神社脇から登り始める、10:32-40 尾根に乗り鉄塔Aで休憩、11:00 543mポイントB、11:45 林道に出る=高室山山頂登り口、11:55 登り口より登り始める、12:15 高室山山頂E着・昼食、13:00 山頂出発、13:10 高室山山頂登り口、13:25 林道終点=高ザラ尾根入口、14:05 ザラノ稜線出合、14:20 ザラノ山頂J着。14:30 山頂発、15:15 林道終点、15:30 佐目尾根入口、16:10 543mポイントB、16:45 佐目集落はずれKに下山、17:05 トンネル脇駐車地着。(数字は写真と地図に対応しています。)
MAP
この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(高宮)をベースに作成いたしました。
梅雨入り前とは言え、既にうっとうしい日が続いていました。この日もどんよりと雲の低い日でしたが、高室山の佐目尾根、そしてザラノへ登ろうと、出かけていきました。佐目トンネルの西口の広場に車をとめ、歩き始めます。まもなく、十二相神社の鳥居。なんとも不思議な名前の神社です。お詣りを済ませ、本殿の階段下を本殿に向かって左側に行けば、登山道入口です。左には高室山の大きな山体が印象的です。でも、ここから見える山頂は丸山あたりです。小さい尾根を越えると道はすぐ分岐します。杉の植林の中、右は平らな道で、左に登ると、高室山への取り付きです。右はその後すぐの登山道の様子。まだ、尾根には乗らず、当分左に谷、右に稜線を見ながら山腹の道です。
登山道はやがて、帰りには下山道とした左からの道と合い、相変わらず山腹を登っていきますが、シャガの茂る中で、踏み跡がほぼ消えます。そしたら、右の斜面をよじ登れば、すぐに尾根の上に出ます。ちょうど、尾根上に小さな鉄塔のあるあたりです。この鉄塔は、下をくぐる鉱石の廃トンネルの真上にあり、どうやら鉱山関係のもののようで、いまは使われていないようです。蔦が絡まっています。近くの木には、なぜか「高室山」とだけ書かれた白い看板が付いています。ここからは稜線上の道、やがて傾斜の緩い、二次林に覆われた気持ちのいい場所に出ます。休憩にちょうどよさそうな場所です。二万五千分の一地形図の543mポイントでしょう。尾根をさらに登ると、左は緩斜面の植林、右は急斜面の二次林となります。右は犬上川(北谷)まで、一直線で落ちています。やがて踏み跡は消え、笹藪が出てきます。時には背丈を超える笹をかき分け進みます。踏み跡はありませんがとにかく、稜線を突き進んでいきます。足下は非常に悪く、歩きづらい尾根です。やがて右前方に杉の並木が見えてきます。そしたらすぐに林道に出ます。なお、二万五千分の一地形図では、尾根を登る破線は谷筋に入り、林道に出合うことになっていますが、そのようなルートは確認できませんでした。林道に出るとまさに目の前に、高室山山頂への入口があります。ここから山頂までは、「高室山」をご参照下さい。山頂に出てお昼ご飯&beerタイムにしました。でもそのとき、何匹ものブユ(ブヨ)が我々を狙っていました。チクッと痛いなって思ったら小さな血の跡・・・・あとでえらく腫れることは、ついつい忘れて、ビールを飲んでいました。この季節はこいつらに要注意ですね^^。
さて、いよいよ高室山からザラノを目指します。山頂からそのまま稜線を向かうという手もありますが、我々は一旦林道からの山頂入口まで戻り、林道を北東に詰めました。終点の少し手前が高ザラ尾根の入口です。右手の斜面の標高が下がってくるので、すぐにわかります。道は最初左に峰を見ながらの山腹道です。本来高ザラ尾根は左にある777m峰を経由していますが、ルートは、その山頂を通らずに、右山腹を巻いています。背丈の低い笹の中のはっきりした踏み跡です。やがて、きれいに刈られた尾根道となります。もっと激しい薮を覚悟していただけに、拍子抜けといったところでした。ただ、とうとう雷が鳴り、夕立気味の雨が降ってきて、たまらず木陰で雨宿りしました。そんな間にもブユたちがやってきて、しきりに血を狙っていました。雨も上がり、いくつかの小ピークを越えて高ザラ尾根を登り詰めると、ザラノの南北に延びる稜線にぶつかりました。ここでよく刈られた道は右に曲がっていき、山頂への左手は灌木に覆われた尾根でした。稜線上を薮漕ぎして約15分、木に「ザラノ
八○八」と彫り込みのある山頂に着きました。高室山とは全く違う雰囲気の山頂で、灌木に覆われ、座る場所もありませんでした。ただ、木々の間から姿を見せてくれた、横根山、烏帽子岳、三国岳、焼尾山、そして御池岳の勇姿はなかなか印象深いものでした。
帰途は、基本的に同じルートで下ってみました。蔦の絡まる鉄塔から右の山腹に降りて杉の植林帯に入ったあたりから、山蛭が凄まじく襲ってきました。雨上がりで西日が射し込む夕方、彼らにとって絶好の活動日和となったようです。途中走っても、靴上に飛び乗ってくる彼らの運動神経??には、脱帽です・・・・でも今回は蛭に備えてズボンの裾をきっちり絞り、スパッツまで付けていたので、山中での被害は0でした。最後は、十二相神社に下らず、まっすぐにルートを採ってみると、佐目集落の北側の林道に出てきました。ここには「高室山 登り口」の看板が掛かっていました。ここから山に入る方が迷わないでしょう。
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