大御影山と三重嶽 中央分水嶺・高島トレイル〜4

 中央分水嶺高島トレイルの第4弾は、梅雨空の下、ビラデスト今津(家族旅行村)をベースに、近江坂と呼ばれるかつての交易路を利用して中央分水嶺に達し、そこからまず大御影山950mに登ります。大御影山からさらに近江坂かつ中央分水嶺の区間を大日尾根分岐まで進みます。ここで、近江坂と別れ、中央分水嶺を南下し、野坂山地の最高峰・三重嶽974mに達します。中央分水嶺はここから武奈ヶ嶽に向かいますが、この先は三重嶽・南東尾根を下り、落合に達しました。ここに置き車をしておいたので、ビラデスト今津に楽に戻れました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

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撮影日:2015.6.7 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


平池の北側にある登山道入口 P@
ビラデスト今津の平池(だいらいけ)の北側に車を置き、少し戻る感じで東に歩きます。先のカーブミラーのところが登山ポストのある登山道の入口です。標高489m。



近江坂と合流 A
近江坂は麓にある酒波寺(高島市今津町酒波)と若狭の闇見神社(福井県三方上中郡若狭町成願寺)を結ぶ古道です。途中、大御影山の山頂を通ります。



コアジサイの道 A-B間
蒸し暑い溝道を登っていきます。ちょうどコアジサイが満開です。



バイパスを行く A-B間
その先で分岐があり、右は尾根を通る旧道。左が巻き道のバイパス。もう汗だくなので、少し楽そうなバイパスを行くことに。



出てきたブナの木 A-B間
ブナの木が出てき始めました。



休憩場所 B
バイパスが右の尾根に登りきったところで尾根道の旧道と出合い、そこが広場になっています。休憩にぴったり。
見下ろすと、竹生島の浮かぶ奥琵琶湖、マキノの集落、右手前にはさっき歩き始めたビラデスト今津の一角が。



ウラジロハナヒリノキ B
コアジサイとともに、このルートでよく出合う花がありました。ツツジの仲間のウラジロハナヒリノキの花です。緑色でつぼ型の花。葉は広くて毛が多く生えています。



沼 B-C間
ここで道はしばらく南西を向き、少し進むと、イモリの沼。モリアオガエルの卵もいっぱいありました。



尾根上の道(1) B-C間
再び北西に向きが変わって尾根上を行くようになりました。



滝谷山分岐 C
やがて、左から、滝谷山からの道が合わさります。


尾根上の道(2) C-D間
あいかわらず足もとはコアジサイとウラジロハナヒリノキ。



ブナの道 C-D間
尾根道はやがてブナに覆われてきました。美しいブナ林です。



林道に出る D
尾根から左に急降下したかと思えば、林道に出ます。林道といっても車止めがあって車は来ません。すぐ先の立て札のあるところから再び山に入ります。



中央分水嶺に乗る E
林道と交差してからしばらくで、中央分水嶺の縦走路と出合います。ここからは滋賀-福井県境でもあります。
写真は抜土、大谷山方面を見ています。今からはこの反対側の大御影山方面に進みます。




その先の道 E-F間
いよいよ中央分水嶺トレイル区間です。ブナ林はよりきれいになってきました。大きいブナもちらほらと。



大谷山 E-F間
霞の中、いくつかの山が見えてきました。前回登った大谷山です。今日も山頂に人の姿が見えます。



寒風 E-F間
大谷山の左には中央分水嶺の寒風です。右が山頂。左はP859。その後ろは、これも中央分水嶺の乗鞍岳です。



赤坂山 E-F間
中央分水嶺の峰が続きます。さらに左手にはきれいな赤坂山。後方右寄りは芦原岳



三国山 E-F間
中央分水嶺の最後は左端に見える三国山です。巨大な山です。



最高にきれいなブナ林 F
もう、なんともいえず素晴らしいブナ林です。



大御影山・山頂 G
ブナ林に見とれながら歩いていると、思った以上に早く大御影山の山頂に着きました。三等三角点があります。点名は「野呂尾」、標高は949.9mです。



三重嶽 G
大御影山山頂からの三重嶽です。今日初めて全景が見えました。今からがんばって越えなければならない山です。距離は6.1km、コースタイムでは5時間先です。



サラサドウダン G
山頂に可憐な花が咲いていました。サラサドウダンです。これもツツジの仲間。



電波反射板 G
山頂のすぐ北に、巨大な電波反射板があります。他の山からはこれを目印に大御影山が確認できます。



大御影山から北の尾根道 G-H間
これまでのルートに比べて、ずいぶんと踏みあとがさびしくなりました。ビラデストから山頂往復で帰る人が多いのでしょう。
特に電波反射等から北への下りが踏みあとが消えていて、間違って河内谷に下る尾根に少し入りかけました。でも戻ってから
しばらく北に進むと、尾根芯に踏みあとが出てきて、やがてこのような溝道となります。近江坂・中央分水嶺はまだ続きます。




雲谷山 G-H間
北への尾根道は、かなり急勾配で下ります。途中、東〜北が見えました。これは雲谷山786m。その右は美浜町です。



美浜湾と敦賀半島 G-H間
その東です。中央右寄りは御岳山548m。左が天王山331m。どちらも円錐のきれいな山です。その向こうは美浜湾。



庄部谷山と野坂岳 G-H間
もっと右に目をやると、庄部谷山856m。その右後方から頭だけ出しているのは野坂岳913mです。



さらに下る溝道 G-H間
鞍部に向かってどんどんと下っていきます。あとで974mまで登り直さないといけないので、もったいない気分。



鞍部を過ぎる H
Hまで来ました。鞍部の標高は720mほど。つまり大御影山から230mも下ってきたことに。それでも相変わらず美しいブナ林です。



大日尾根分岐 I
鞍部から130mほど登って850mを超えました。すると三叉路に出ます。ここが大日尾根分岐。近江坂、滋賀-福井県境とはここで
お別れです。中央分水嶺はここで三重嶽方向に曲がります。大御影山から2.5km、三重嶽はまだ3.6kmもあるそうです。




ギンリョウソウ I
分岐点の大きなブナの木にギンリョウソウが咲いていました。



大御影山 J
一つのピークに出ました。たぶんP889Jでしょう。ここから今日初めて大御影山が望めました。電波反射板も見えています。



野坂岳と庄部谷山 J
先ほども見えた二山の位置関係が変わってきました。左後ろが野坂岳です。



三重嶽 K
その後少し下ってまたピークに来ました。おそらくP887Kです。ここから、めざす三重嶽方面が
見えます。ただ、これはほんとの山頂ではなく、山頂の北の峰。標高は970mです。




また下る縦走路 K-L間
せっかくKで887mまで登ったのに、また急な下りです。次の鞍部は827m。60m下ります。



大御影山 K-L間
鞍部を過ぎて、今度の登りはほぼ一本調子で三重嶽に。再び大御影山が見えました。電波反射板のある山頂は左に遠のき、だいぶ南に来たのがわかります。



奥琵琶湖 L
山頂北の970mピークのすぐ近くLまで来ました。ここは見晴らしが最高です。三重嶽の山頂は
余り見晴らしがよくないと聞いているのでここでしっかり眺めておきます。まずは奥琵琶湖。




美浜湾 L
そして同じ場所から日本海も見えます。美浜湾です。白い建物は美浜の原発です。



小浜湾、青葉山 L
ほぼ真西を見ると、大きな入り江。小浜湾です。蒼島が浮かんでいます。左遠方に
かすかに青葉山693m。若狭西端の秀峰です。ここからの距離は40kmを超えています。




970m峰 L
これが山頂北側の970m峰です。このころ、これが山頂だと勘違いして登っていました。でも、登ってみるとまだ
先がありました。あとで大御影山の山頂から撮った写真で見てみると、確かに右に立派な峰が写ってます。




三十三間山 L-M間
西にきれいな草原とその右に続く峰が見えてきました。三十三間山842mです。福井-滋賀県境はこの峰を通っています。



三叉路に出る L-M間
やがて右に武奈ヶ嶽への中央分水嶺トレイルが分かれていきます。ここを左にとってわずかで、ようやく本当の三重嶽山頂です。



三重嶽山頂 M
やっとたどり着いたという感じです。ここは野坂山地の最高点。二等三角点があります。点名はなんと「山上ヶ岳」。この字だと、
まるで大峰山の山上ヶ岳ですね。確かに読みは同じですが・・・。ほんと、三角点の点名はいい加減です。標高は973.9m。




奥琵琶湖 M
山頂からは確かに見晴らしがあまりきかず、竹生島の浮かぶ奥琵琶湖がかろうじて見えました。後方は鈴鹿最北部です。



落合・本谷橋分岐 M
さて、いよいよ下りにかかります。山頂からほんの少し南に歩くと本谷橋への道が
分かれます。ここは、落合へ。南東尾根は長い尾根で、4.3kmと書かれています。




南東尾根上部 N
上部は下草も少なく歩きやすい尾根です。



南東尾根中間部 N-O間
ほぼまん中あたり。再びコアジサイやウラジロハナヒリノキが目だって茂ります。



植林帯へ O
Oあたりで尾根は緩くなり、台地状の地形に植林がされていました。



武奈ヶ嶽 O-P間
右手に立派な峰が見えてきました。武奈ヶ嶽です。



山腹の道 P
植林帯の手前まではほぼ尾根芯を下ってきたルートですが、Pあたりで右に寄り、
右谷の断崖の上を徐々に下るルートとなりました。赤いテープを頼りに下ります。



再び植林帯へ Q
再び植林に入りました。このあたり、踏みあとが微妙で、踏みあとが寂しくテープが見られなくなって、ちょっと戻るというのを何回か繰り返しました。



林道 Q-R間
右下に白い林道が見えてきました。



登山口に出る R
林道に下ったところです。ここから2台めの車を置いた落合Sまでは林道を10分ほど。


山行記録:日時−2015年6月7日、天候−曇り。9時前にビラデスト今津に着き、車一台を落合に置き車。その後もう一台でビラデストに戻って平池北@Pに駐車後、9:24 出発、10:03 休憩所B着。休憩後、10:13 B発、10:48 滝谷山分岐C、11:17〜26 林道Dで休憩、11:36 中央分水嶺出合E、12:12 大御影山山頂G到着。昼食後、12:27 同所発、電波反射板近くで少し迷ったあと、13:24 鞍部H、13:49〜13:55 大日尾根分岐I、14:13 P889J、14:38 P887K、14:53 L、15:06 中央分水嶺・武奈ヶ嶽方面分岐、15:09〜25 三重嶽山頂M、16:50 林道出合R、17:02 落合・駐車地S着。

 中央分水嶺高島トレイルの第4弾は、休憩を入れて7時間半ほどかかりました。コースタイムでも、やはり7時間半になっていました。なんといってもトレイル最高峰の三重嶽と第二の高峰・大御影山の奥深い二つの峰を縦走するコースですから、こんなものでしょう。日の短い秋はもっと早く出ないと難しそうです。近江坂は古道にもかかわらずよくできたコース取りで登っていき、標高489mの登山口@から950mの大御影山Gまでは下りは余りありませんでした。でもその後は急な下りで720mの鞍部Hまで下り、850mの大日尾根分岐Iを経て889m峰Jに達します。その後また827mの鞍部を経て974mの三重嶽Mに。あとはほぼ下り一本で標高380mの落合Sに下ります。ざっとこれだけ考えても、登り累計が840m、下り累計は890mほど。水平距離もかなりあるので、なかなかハードといえます。ただ、自然環境の素晴らしさもさすがで、特に広大なブナ林を歩いていく中央分水嶺の部分は圧巻です。



ルートマップ


この地図は国土地理院の地理院地図をベースに作成いたしました。