三国山、赤坂山と寒風 中央分水嶺・高島トレイル〜2

 中央分水嶺高島トレイルは、春に最初の区間、愛発越〜乗鞍岳〜芦原岳〜黒河峠を歩いてみました。今回はそれに続く、黒河峠〜三国山〜赤坂山〜寒風〜マキノスキー場を歩きました。今回も、下山口(マキノスキー場)に置車をしました。ただ、前回黒河林道を歩いて下ったときは結構いい道だったので、最初の歩行スタートは前回置車した黒河林道入口にせずに、黒河林道を車で上がり、黒河峠にする予定でした。しかし、秋口の台風で林道は予想以上に大荒れ。場所によっては数十センチも掘れた路面で、車の底をこすることも数回。しかも戻るに戻れない状況で、苦労しながら黒河峠手前の車を置ける場所までなんとか上がりました。後でもう一度取りに来なければいけないことも、気を重くしました。こんなに苦労するなら、車を下に置いて歩いたほうがよっぽどましでした。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

三国山・山頂からの眺望へ
赤坂山・山頂からの眺望へ
寒風からの眺望へ
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山行写真
撮影日:2014/10/18 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5




黒河峠手前のトイレ @
上に書きましたとおり、黒河峠への車での上りを苦労しながらやっと終え、ようやく歩き始めました。林道を少し登るとトイレのある登山口です。白い軽自動車が一台とまっていました。
よく上がって来れたものだな〜と感心しました。なお、この林道の福井県側は完全に通行止めでした。トイレ前にはトレイルの看板があります。内容は、愛発越で見た看板と同じです。




三国山への登山口 @
トイレの左手が登山口です。トレイルの標識と「赤坂山歩道」の標識があります。「赤坂山歩道」はここから赤坂山の先の
粟柄越まではトレイルと同じで、そこから直接マキノ高原スキー場に下るルートで、以前赤坂山だけに登った際に歩きました。




再び、登山道入口 A
5分登ると、細い林道に出ます。林道を2分歩くと、右手に「赤坂山歩道」の標識があって、登山道に導いてくれます。



山腹の道 A-B間
最初は林道とほぼ平行に山腹を登っていきます。



見晴らしのいい尾根上のポイントから、芦原岳 B
Bが、大きな岩が露出した尾根(中央分水嶺ではない)に乗るポイントです。振り返ると、眺望が開けています。まず、前回のトレイルで通った芦原岳842m。



岩籠山 B
乗鞍岳の北に続く岩籠山762mです。右が山頂です。



白山 B
そして遥かかなたには、加賀の名山、白山2702mが冠雪した姿を見せてくれました。一つ手前の左右に連なる稜線は、滋賀-福井県境です。



センブリ B-C間
登山道には秋の花、リンドウアキノキリンソウ、そしてこのセンブリが見られました。



再び山腹の道に B-C間
しばらくは尾根上を登りますが、その後再び尾根から左に外れ、山腹を行く道になります。



木道となる B-C間
その後、湿地帯に出てきて、木道も歩きます。こんな傾斜のある高い場所に不思議な感じです。下の写真では伊吹山がきれいに見えています。



三国山・山頂分岐 C
やがて小さな流れを越えると、三国山山頂への分岐点となります。「三国山0.4km→」の標識があります。



三国山・山頂への道(1) C-D間
ブナの林に入ってきました。大木はありませんが、美しい林です。



三国山・山頂への道(2) C-D間
最初は緩い道でしたが、最後はきつい階段となり、0.4kmの割には、しんどい道でした。



三国山・山頂 D
標高876.1mの山頂に到着です。三等三角点がありますが、点名はなぜか「三国岳」。ややこしいですね。天気もいいし、しばらく、眺望を楽しみます。




三国山・山頂Dからの眺望


芦原岳と乗鞍岳 D
中央分水嶺トレイル上の芦原岳(手前)842mと、乗鞍岳865mです。真後ろには金糞岳。



金糞岳 D
乗鞍岳の山頂の向こうに聳える、伊吹山地そして滋賀県の第二の高峰、金糞岳1317mです。



美濃の山々 D
金糞岳の左、稜線が下がって美濃の山々が顔を出しています。左から湧谷山1080m、天狗山1149m、花房山1190mです。



横山岳 D
さらに左には、横山岳1132mです。手前に、七々頭ヶ岳693m、行市山660mの姿も確認できます。



能郷白山 D
さらに左、横山岳の稜線が下がると、後ろから能郷白山1617mが見えます。丸いのが山頂部です。右の鋭鋒は磯倉1541m。逆に左手前は、高丸1316mです。



三周ヶ岳 D
さらにその左には、三周ヶ岳1292mが見えています。越美山地の山です。右手前は、妙理山902mです。



伊吹山 D
反対に、金糞岳の右には、伊吹山1377mです。左下のきれいな峰は、小谷山495m。もちろん、浅井長政の小谷城のあった山です。



奥琵琶湖と鈴鹿山脈北部 D
さらに右に目をやると、奥琵琶湖と、鈴鹿山脈北部が見えてきます。中央の平らな峰が霊仙山1094mです。右端は鈴鹿の最高峰・御池岳1247m。



高島市 D
琵琶湖の対岸には高島市の町並み。へこんだところが近江今津。その向こうは新旭。





明王ノ禿に向かう C-E間
三国山・山頂分岐Cに戻り、今度は明王ノ禿に向かいます。ほとんどアップダウンの無い、歩きやすい道です。



明王ノ禿直下 E
Eで、突然明るいところに出てきました。右上を見上げると岩だらけの禿山。右に折れて、柵のある頂を目指します。



明王ノ禿直下からの赤坂山 E
ここで、今日はじめて赤坂山の秀麗な姿が見えます。



明王ノ禿の頂からの琵琶湖 F
岩の上Fに出ました。眺望はほぼ360°で最高です。まずは琵琶湖方面を見下ろします。直下はマキノ。右には近江今津や新旭の町並み。



明王ノ禿の頂からの赤坂山 F
ここからの赤坂山が、一番きれいでしょう。こちらはほぼ790m。赤坂山は824mです。ちょっと見上げる感じがいいですね。



明王ノ禿の頂からの寒風 F
これから向かう寒風も前に見えてきました。中央左寄りが寒風857m。右のピークはちょっと高く、859mです。



振り返る明王ノ禿 F-G間
次に赤坂山に向かいます。



赤坂山の山頂 G
ここは3回目の訪問になります。主図根点と三角点があります。四等三角点で点名は「赤坂山」です。看板はこけてました。



赤坂山・山頂Gからの眺望


雲谷山 G
雲谷山は西北西方向にある、美浜町と若狭町の境界にある786mの山です。その背後には三方五湖があります。



庄部谷山 G
北北西には庄部谷山855.9mです。三国山〜野坂岳を結ぶ主脈を西に離れています。中央最遠が山頂です。



三国山 G
ほぼ北にさっき登った三国山。本当に大きく、山らしい山です。



白山、大黒山 G
白山2702mが、彼方にまだ見えていました。距離はほぼ100km。五列の山並の、手前から二つ目は、椿坂峠近くにある大黒山892mです。



寒風 G
南には、寒風が近くなってきました。





粟柄越の石仏様 H
赤坂山から少し下ったところにあります。春にはここにカタクリが咲いていましたが、今(10/18)はススキでいっぱいです。



ススキの草原 H-I間
その先でマキノ高原スキー場に直接下るルートを分け、寒風方面に向かいます。みごとなススキの山です。



近づく寒風 H-I間
このあたりの稜線は樹木がほとんど無く、まるでアルプスの森林限界上のようです。真冬、風がものすごく強いのでしょう。



三国山と赤坂山 I
Iで振り返ると、越えてきた二山が横に並んで見えます。三国山の大きさがよくわかります。



狂い咲きのオオイワカガミ I-J間
この季節、稜線上に花はほとんど無いのですが、一株だけピンクのオオイワカガミが、狂い咲きしていました。春の花なのになぜ今頃?



中央分水嶺を稜線を進む I-J間
Iを過ぎて、ますます平坦な稜線です。



メタセコイア並木 I-J間
マキノの名所です。



寒風の登り I-J間
いよいよ寒風への登りが始まりました。左が山頂です。でも、たいした標高差はありません。



ブナの林 I-J間
山頂近くは、美しいブナの林でした。この先、寒風のピークを過ぎて、少し下ります。



寒風の標識 J
ちょっと下ったところが寒風の標識のある広場です。ここも、眺望バッチリ。




寒風Jからの眺望


琵琶湖の眺め J
寒風まで来ると、すぐ下が琵琶湖になります。中央分水嶺が最も琵琶湖に迫る場所のひとつです。琵琶湖に浮かぶ沖島、はるかな鈴鹿の山並みもきれいです。



大谷山 J
前方には大谷山の山頂814mが見えていました。誰かいますね。ちょっと往復しようかとも思いましたが、次回にとっておきます。



能郷白山 J
ここは今日の山行では三国山に次いで二番目の高所です。再び、能郷白山1617m〜磯倉1541mが見えていました。



横山岳と蕎麦粒山 J
乗鞍岳の鉄塔の向こうに横山岳。そしてその山頂の向こうからちょっとだけ頭を出す鋭鋒が見えてきました。美濃の名山、蕎麦粒(そむぎ)山1297mです。



金糞岳 J
金糞岳1317mはさえぎるものも無く、ここからが一番いい眺めです。



蓬莱山、武奈ヶ岳と蛇谷ヶ峰 J
南には比良山系が。左端遠方が蓬莱山1143m。その右にコヤマノ岳1181mと武奈ヶ岳1214mです。
その手前には蛇谷ヶ峰902m。手前左端に、箱館山スキー場のゲレンデが見えています。



皆子山 J
比良山系の右にあるゆったりとした峰は、京都府最高峰の皆子山971mです。京都北山の山々は、ほかに鎌倉山桑谷山が確認できました。





下りの溝道 K
寒風からマキノ高原への下りです。溝道となっているところがたくさんありました。この道も歴史のある道だったようです。



ブナ林を下る K-L間
途中からはブナの純林を下ります。見ごたえのある風景です。



マキノ高原分岐 M
Mで左に曲がり、マキノ高原方面に下ります。



スキー場の上部 N
やがて、廃ゲレンデとなっているスキー場上部に出てきました。



スキー場から見上げる稜線 P
マキノ高原スキー場は、この季節、芝生のキャンプ場です。見上げると、さっき歩いた稜線が奥に見えています。中央がちょうどIのあたりだと思います。



山行記録:日時−2014年10月18日、天候−晴れ。9:10 マキノスキー場Pに一台置車して、もう一台で黒河林道経由で黒河峠@に向かう。黒河林道の状態が悪く、予想外に時間がかかる。9:45 峠の手前(マップのP)に駐車後歩き始め、10:00 中央分水嶺・高島トレイルのトイレのある入口@、10:49 三国山分岐C、11:01 三国山山頂D着。休憩後、11:10 山頂D発、11:37 明王ノ禿直下E、11:44 明王ノ禿・頂F着。休憩後、11:53 F発、12:13 赤坂山・山頂G着。ここで昼食&コーヒータイム。その後 12:59 山頂G発、13:05 粟柄越H、13:31 I、14:02 寒風J着。休憩後、14:25 寒風発、14:54 L、15:14 分岐M、15:34 O、15:48 置車駐車地P着。その後、黒河峠手前Pまで車を取りに登る。

 中央分水嶺・高島トレイルの第2日目ルートです。前回、第1のルートの最後、黒河峠に多くの車がとまっており、さらに実際にマキノに下る林道を歩いてみて、これはじゅうぶんに車で上がれると思いました。しかし、この年の初秋、2つの大きな台風がかなりの雨を降らせていたようで、実際車で上がリ始めると、路面の荒れ方は予想以上で、さっそく車で入ったことを後悔しました。しかし、細い林道で駐車することも、向きを変えることもできず、仕方なく車底をこすりながら、上へ上へと・・・。ほんと、神経を使いました。なんとかとめられそうな空き場所を見つけたのは黒河峠のちょっと手前でした(地図のP)。歩き始めると10分ほどで峠近くのトイレのある登山口@に。トイレ等済ませて、歩き出すと、5分も登れば細い林道に出て、さらに2分ほどで、ほんとの登山口Aです。ここからの道は林道にほぼ平行に、左山腹を登ります。Bで突然見晴らしが得られます。早くも雪を冠した白山の姿が印象的でした。ここからしばらくは小尾根を登りますが、再び左山腹の道となります。このあたりから地形は複雑になり、湿原のような場所を通り、小川を渡ります。すると、まもなく三国山分岐Cです。ここから三国山は指導標では400mですが、最後にちょっときつい登りがありました。三国山山頂Dは、三角点のある小さな広場で、北と西は潅木で見えませんが、横山岳以南、鈴鹿南部(綿向山)以北がよく見えました。もちろん、琵琶湖も。次の明王ノ禿も、赤坂山も、最後の寒風も、眺望は優れ、赤坂山G〜寒風J間は、ほぼいつも、尾根上から眺望が得られました。全般的に眺望に関してはAクラスのルートと言えます。白山、能郷白山も随所で見えますが、ほかにも伊吹山地が全般的に眺められるルートです。南から、伊吹山、虎子山、ブンゲン、金糞岳、横山岳、上谷山などが少しずつ角度を変えながらの姿を見せてくれました。寒風Jから下りの道も、安定していて、昔からよく歩かれていた道のようです。今回の山行ではゆっくり休憩をとりましたので、急げばもう少し短くなるとは思いますが、黒河峠@〜マキノスキー場のPPまで6時間弱です。これにマキノスキー場〜黒河峠(6km)の歩行時間1時間半を加えると、7時間半ほどになり、もし置車をせずに周回ルートをとる場合、秋なら朝の8時ごろとか、少し早い目の出発が必要となりそうです。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(口)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。