錫杖ヶ岳と伊賀の霊山   Mt. Shakujougatake & Reizan in Iga

 この二山は伊勢・伊賀の名山で、地理的にも鈴鹿山脈ではなく、布引山地の山となります。しかし、鈴鹿最南部からは手に取るように見え、交通の便も同じ名阪国道が起点となるなど共通点も多いので、鈴鹿最南部の番外編として、ここに登場させていただきます。錫杖ヶ岳はその尖った姿で、特異な人気を誇る山です。鈴鹿からも、綿向山−雨乞岳−御在所岳ラインより南からは、だいたい見え、「あれはいったいどこの山?」と思われた方も多いことでしょう。今回は加太の向井ICから南に入った登山口から往復しました。一方、霊山は落ち着いた形の山ですが、山頂には伝教大師・最澄が9世紀に大伽藍の寺院を建てた遺跡が残る歴史の山です。今も懐に霊山寺があり、そこから往復しました。写真の後ろの番号は、MAPの番号と対応しています。

錫杖ヶ岳・山頂からの眺望へ
周囲からの錫杖ヶ岳
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伊賀の霊山へ
霊山・山頂からの眺望へ
周囲からの霊山へ


山行写真
撮影日:2008/10/12 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K10D、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5


錫杖ヶ岳


向井IC南の登山口 @
名阪国道の向井ICを出て、ICからいきなり山に入る道を南へ進むと、約1kmで左向きに登山口が見えてきます。
すぐ手前に駐車スペースもあるので、助かります。黄色いのは中部電力の巡視路の標識。



登山道 A
滑りやすいところにはこんな通路までつけてくれています。素晴らしい道です。
このときはまだありませんが、2009年以降は、200mおきに距離標識もたっているそうです。



流れを渡る B
巡視路は右に入っていきますが、登山道は相変わらず素晴らしい…鈴鹿南部ではこうはいきませんが;;



柚之木峠 C
やがて標高390mの柚之木(ゆのき)峠に出ます。ベンチがあります。越えていくと北畑へと下れます。



経ヶ峰 C
峠から南に目をやると、立派な山塊が鎮座しています。経ヶ峰819mです。またいつか登ってみたい山が増えました。



尾根を登る(1) D
柚之木峠からは錫杖の尾根を東に向かって登ります。傾斜は一部でかなり急です。



尾根を登る(2) E
ここは、ロープを持たなければ体がずり落ちてくる急坂です。



見えた山頂 F
しばらく勾配が緩くなってのんびり歩くと、前方にめざす錫杖の山頂部です。さすがによく尖っています。



岩場を登る G
山頂近くではこのような岩場。ここもロープが付いています。



最後の登り H
ここを登りきると、山頂です。



山頂 I
標高676mの山頂です。あまり広くない山頂ですが、既に10名ほどがおられました。



錫杖ヶ岳・山頂Iからの眺望



旗山と烏山
まず、鈴鹿最南部の山々です。左の削られた山が旗山650m、右のピークが烏山717mです。



経塚山と三国岳
手前が経塚山です。この峰も削られています。右奥が三国岳700m。伊賀・伊勢・近江の国境ですね。



那須ヶ原山
鈴鹿最南部の盟主・那須ヶ原山800m。風格が違います。



溝干山〜高畑山
左右に長い峰の左端が溝干山770m、右端が高畑山773mです。その右は鈴鹿峠に向かって落ちていきます。



仏ヶ平と寒風
手前の二山です。左の山頂近くに紅白の鉄塔を持つのが仏ヶ平565m。その右が寒風461mです。
後方には鈴鹿南部〜中南部の山々。最後方に左から西山722m、綿向山1110m、雨乞岳1238m、御在所岳1212m、鎌ヶ岳1161m。
そのほかにも、三子山四方草山能登ヶ峰御所平仙ヶ岳。ほんとうにいろいろな山が見えています。




御在所岳、鎌ヶ岳、仙ヶ岳
手前の双耳峰が仙ヶ岳。後方に御在所岳。右端の鋭峰は鎌ヶ岳。左端には高円山945m。



綿向山と三子山
手前に三つ並んだかわいらしい三子山568m。一番奥が綿向山1110m。左には水無山991m、右にはイハイガ岳964mの姿も。


周囲からの錫杖ヶ岳



旗山から



ゾロ峠と三国岳間の「倉部山」より
手前は経塚山



三ツ頭より



山行記録:日時−2008年10月12日、天候−晴れのち曇り。名阪国道で向井ICから南下して駐車後、10:00 駐車地P発、10:25 柚ノ木峠、10:55 山頂の見えるポイントF、11:15 山頂I着。昼食後、11:45 山頂発、12:15 柚ノ木峠、12:40 駐車場P着。

錫杖ヶ岳のメインルートは、錫杖湖からのルートのようですが、交通の便なら、このルートが便利です。なんといっても名阪国道の向井ICから5分ほどで登山口。柚ノ木峠までは遊歩道といった感じでのんびり歩けます。稜線に出てからは、かなり急な登り・下りもありますが、ほんとうによく踏まれた整備された道です。さすがは人気のある山で、山頂はかなりの人で座るところもちょっと悩むほど。景色は360度ばっちりで、北向きはまさに鈴鹿の展望台です。最南部の山々はもちろん、綿向山〜雨乞岳〜御在所岳ラインより南の主な峰は、ほぼ見渡せます。山頂で半時間ほどゆっくりしましたが、それでも歩き始めて三時間弱で登山口に戻ってきました。このまま帰るのはもったいないので、伊賀の霊山に登ることにしました。




錫杖ヶ岳・MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(平松)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。





伊賀の霊山



霊山寺 @
霊山の西懐に抱かれる霊山寺。その本堂です。



登山口 A
本堂の右手に霊山山頂への入り口が。



一合目 B
錫丈ヶ岳に劣らず、よく整備された道です。



六地堂 C
六地蔵かと思い、もう一度見直してみましたが、やはり「六地堂」。でも、岩にはお地蔵さんが六人・・・



たいこ岩 D
稜線が近づいた頃に丸いたいこ岩が現れます。



稜線を北へ E
主稜線に出て、北に向かいます。



霊山・山頂部 F
明るい山頂に出ました。遺跡がたくさん残っています。



三角点 F
左の段の上に三角点がありました。



霊山・山頂Fからの眺望



高旗山
伊賀上野の北にある山です。



笹ヶ岳
信楽高原の名峰です。



比叡山
伊賀から京滋県境の比叡山。そうとうな距離です。



蓬莱山、三上山、烏ヶ嶽
その右側には比良連山の蓬莱山が左右に広がっています。一つ手前に頭だけ出しているのが近江富士こと三上山。そして、一番手前が湖南市の烏ヶ嶽。



琵琶湖と比良
近江八幡沖の琵琶湖です。手前左は鏡山と岡山。右に奥島山。琵琶湖の向こうはこれもはるかな距離を隔てて、北比良の蛇谷ヶ峰。



青山
南には風車がたくさん廻る青山高原です。


周囲からの霊山


鈴鹿最南部・経塚山から



霊山寺・北側から



伊賀IC付近から




山行記録:日時−2008年10月12日、天候−晴れのち曇り。錫杖ヶ岳に登ったあと、名阪国道で伊賀ICまで移動し、南下して霊山寺まで走ってきました。13:10 霊山寺駐車場@発、 歩き始める。13:15 霊山寺参拝、登山口A、13:20 一合目B、13:50 六地堂C、13:55 たいこ岩D、14:00 稜線・東海自然歩道と合流E、14:05 山頂F着。14:25 山頂発、15:00 駐車場@着。

霊山寺の駐車場が標高420mあるので、山頂まで340mあまりの標高差しかなく、登山道もよく整備されており、一時間もあれば十分山頂に立てます。ときどき秋の花が登山道に咲いていました。山頂を南北に東海自然歩道が通っており、これを利用するルートがより一般的なようです。


MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(上野)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。