坂下から長峰、一里山、小笹山へ   Mt.Nagamine, Ichiri & Kozasa

 鈴鹿最南部は鈴鹿峠より西南としていますが、まさに鈴鹿峠のすぐ南側、つまり滋賀側から三重側に峠を下ったときの右側には、主稜線から東向きに派生し、徐々に高度を下げる東西に長い尾根があります。この尾根が本来、長峰と呼ばれているようですが、その先端近くにある501mのピークもその代表として長峰と呼ばれています。この峰から西に向かうと、徐々に標高を上げながら標高629mの一里山というピークを持ち、さらに標高を上げて、標高730mの県境稜線の一峰、小笹山に達します。小笹山から少し下れば坂下峠。このルートを残雪の季節に歩いてみました。写真タイトル横の番号は、最後のルートマップに対応しています。

臼杵ヶ岳の展望岩からの眺望
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山行写真
撮影日:2014/3/23 Photo by Minaphm, All Rights Reserved.
撮影機材:ボディー: Pentax K-7、レンズ: SMC Pentax DA18-250mm F3.5



坂下の石像 P@
国道1号線の鈴鹿峠を下る亀山方向への車線が旧東海道の坂下集落へ向かう道と分かれる三叉路を、少しだけ
旧東海道側に入って車をとめました。三叉路近くにあるなぞの石像です。説明書きもなく、ネット情報でもゆわれは不明です。
ここの標高は228mといったところで、長峰までは270mほど登ればいいことになります。




長峰を見上げる @-A間
国道の沿道を峠側に進むと、左に長峰の姿が見えてきます。植林に覆われた山です。



極楽橋と墓地への道 A
鈴鹿川にかかる極楽橋です。実は墓地に入っていく橋です。右からの車に気をつけて国道を渡ってすぐ、この橋を渡ります。
すると下の写真のように墓地に導かれますが、右に曲がらず小屋の先で左前方へ。小さな流れを渡って、その先の小道を登ります。




峠へ登る車線 B
尾根状の地形を登っていくと、さっきと反対側の、鈴鹿峠に登っていく車線に達します。「第5坂下橋」のたもとです。



その上の道 B
国道を今度は左からの車に注意しながら渡り、橋のたもとを山側へ。するとこのような道のある植林帯に入ります。



尾根を登る(1) C
まっすぐ進むと、道は徐々に尾根道らしくなってきます。



尾根を登る(2) C-D間
まずまずの傾斜です。杉の幹や根をつかむ必要はありませんが、ちょっと登ると一休み・・・。



傾斜が緩くなる C-D間
傾斜が緩くなると、尾根上も間近。もうあの先がDです。



小さな指導標 D
尾根の上で、右からの踏み跡を確認し、直進して長峰の山頂を目指します。合流点で見かけた小さな指導標を振り返ります。



三子山 D-E間
長峰のピークへ向かう途中、左、つまり北方向が透ける場所がありました。そこから眺望を楽しみます。
まずは鈴鹿川の谷を挟んで三子山。左が南峰545m。右は中峰556mと北峰568mが重なっています。




四方草山 D-E間
南峰のみしか見えませんが、四方草山です。



御所平 D-E間
少し雪化粧した御所平860mです。



綿向山 D-E間
鉄塔が少し邪魔ですが、隙間からしっかり雪を被った綿向山の勇姿が望めました。



長峰の山頂 E
まもなく長峰の山頂です。札が4〜5枚架かっていました。



西への尾根 D-F間
Dまで戻り、こんどは坂下峠方面に。昔は林道だったかのような歩きやすい尾根です。



南の眺望 F
今度は南の眺望が開けました。手前の左右に広がる尾根は、中津川の南側の尾根で、中央に標高460mほどの無名峰が
見えています。その後方の2つの鋭鋒は、左が鈴鹿山脈の仏ヶ平565m。右後方が布引山地の錫杖ヶ岳676m。



仏ヶ平と錫杖ヶ岳 F
二峰のアップです。錫杖の背後は経ヶ峰819mです。



尾根の様子(1) F-G間
このあたりは尾根が広がり、どこでも歩けます。一部、潅木がうるさいところも。



尾根の様子(2) F-G間
ここはまた尾根らしくなってきました。ここは歩きやすい良い尾根です。



雪が出てくる G
標高が徐々に上がってくると、まずは林の中から積雪が出てきました。



長い尾根 G-H間
それにしても長い尾根です。標高は本当に少しずつ、上がっていきます。



一里山 H
やがて、一つのピークに着きました。これが一里山かな?と付近を捜してみると、・・・。



山頂札 H
山頂札がありました。



溝干山 H-I間
少し下って鞍部を過ぎ、登りかえすと見晴らしのいいところに出ました。右前方が開け、鈴鹿主稜の溝干山770mが姿を現しました。



笹と雪の道 H-I間
その後、しばらく急斜面を登り、明るい笹原に出てきました。あの先がほぼIでしょう。さえぎるものが無くなり、眺望は抜群です。



鎌ヶ岳、水沢岳 I
しばらくIからの眺望を楽しみます。まずは鋭鋒・鎌ヶ岳1161m。その右にはドーム状の水沢岳1030m。



仙ヶ岳 I
その右手には雪化粧の仙ヶ岳961m。左には宮指路岳946m。鈴鹿南部の名峰たちです。



野登山 I
その右に野登山874m。そして左手前には長坂の頭616mです。


四方草山、三子山 I
その右には四方草山667m。さっきは長峰から南峰だけしか見えませんでしたが、ここからは主峰の北峰を
含む全容が見えます。また三子山もわかりにくいですが、高圧線の後方に3つの峰を並べています。




明星ヶ岳、長峰 I
その右には伊勢湾をバックに明星ヶ岳580m。低山ですが、堂々とした姿です。そして、鉄塔の右手前にさっき歩いた長峰の山頂部。



高畑山 I
ちょうど鈴鹿川の谷を挟んで正面には高畑山773m。



小笹山の雪の斜面 I-J間
いよいよ笹原となり、樹木が減ってきました。



唐木山 I-J間
今度は、稜線の左手に峰が見えてきました。県境主稜線の唐木山730mです。大きな岩が、唐木のキレットの一部でしょう。



小笹山 I-J間
いよいよあの先が小笹山の730mの山頂です。



山頂にて J
小笹山は県境主稜線上にありますが、唐木山からの県境縦走路は山頂の西を巻いていますのでここは通りません。そんなわけで、ここへ来たのは初めてです。



那須ヶ原山 J
小笹山から見た那須ヶ原山800mです。



雨乞岳 J
今日一番の眺望かもしれません。いままで隠れていた雨乞岳が雄大な姿を見せてくれました。



県境縦走路と合流 K
山頂から北に下ると、すぐに縦走路と合流します。写真は合流点を振り返ってみた
ところです。左上から下ってきました。右下が唐木山、那須ヶ原山への縦走路。




溝干山と高畑山 K-L間
主稜線縦走路からの眺望です。さっきまでは間隔が開きすぎて一枚には収まらなかったのですが、角度が変わって二山が入るようになりました。



坂下峠への急降下 K-L間
残雪で道がぬかるみ、しかも急勾配。木をつかんで何とか下りましたが、ものすごく滑りました。本来はこのあと坂下峠から
溝干山、高畑山と縦走して、鈴鹿峠から駐車地に下るつもりでしたが、この下りで心はめげて、坂下峠から林道を下ることに。




坂下峠 L
久々の坂下峠です。ちょっと峠頂に寄ってみました。


林道から見上げる小笹山 L-M間
坂下に下る林道は最初は荒れた地道ですが、やがて舗装されています。舗装開始地点から見上げた小笹山。



一里山 M
Mあたりから見上げた一里山です。スギの植林に覆われています。



林道を下る M-N間
良い舗装道ですが、車は一切来ませんでした。



林道のゲート N
それもそのはず、国道からの入口にはゲートがありました。



三子山・南峰を見上げながら O
国道の連絡道、国道沿いの歩道をのんびりと歩いて駐車地を目指します。



長峰 O-@間
駐車地近くから再び長峰を見上げます。



山行記録:日時−2014年3月23日、天候−晴れ。10:29 坂下入口の近くP@に駐車後出発、10:34 極楽橋A、10:39 第5坂下橋B、11:12 尾根上の三叉路D、11:20 長峰・山頂E、11:26 三叉路D、12:23 一里山・山頂H、12:58 小笹山・山頂J着、昼食。13:09 山頂発、13:32 坂下峠L着。13:42 峠発、14:33 林道ゲートN、14:53 駐車地P@着。

 2014年の鈴鹿初めです。最初は、坂下峠から溝干山・高畑山を経て鈴鹿峠経由で帰ってくる予定でしたが、雪が意外に多かったのと、坂下峠への下りの雪斜面が余りに滑って足がパンパンになってしまい、後半はやめて坂下峠から林道を下るコースに変更しました。それでも、ほんとに長い長峰の尾根を1時間40分ほどかけて縦走したので、まずまず充実のルートでした。峰としての長峰への登るルートも、紹介したもの以外に、巡視路を利用するものや、中津川から北向きに登ってくるものなど、いくつかあるようです。長い尾根上は、迷う心配はありませんが、所々潅木がはびこって、通りにくいところがありました。雪は600mを過ぎたあたりからそこそこ積もっていました。長峰尾根は笹が多いので、グリップがあり、雪は問題ありませんでした。ただ坂下峠への下りはぬかるみの道。悲惨な状況でした。尻餅をついたら車に乗るのが大変なので、なんとか尻餅をつかないように、踏ん張ってると、足がパンパンになってきましした。ここはもともと急な勾配です。

MAP


この地図は国土地理院発行の2万5千分の1地形図(鈴鹿峠)をベースに作成いたしました。

図中の番号は上の写真と対応しています。